どしどしつぶれゆく法科大学院に対し、言っておかなくてはならないことがあります。 | 向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

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日常の法律問題や、弁護士業界のネタ、その他をつらつらと書こうと思います。

ロースクールの理念って
・高潔な人格と高度な法的知識の涵養
・プロセス教育
とかいう「理念」がありませんでしたっけ。

で、これに対し、弁護士に対しては、法科大学院側の方は
・弁護士が食えないなど知ったことか
・競争しろ、淘汰されろ
・資格取得はゴールではなく、スタート。何が出来るか考えろ
・(地方に飛ばされても)給料出せだと?カネ借りられるのに甘えるな
とか言い放ってましたよね?たしか。
つまり、弁護士に対しては、採算とか借金とか、そういう経済観念を無視しても、あれしろこれしろって趣旨だったはずです。

それが、自分たちは、たかが補助金締めあげられただけでバッタバタつぶれるとか、おかしくないですか?
自分たちで「法曹は正規の教育機関である俺達が育てる」と豪語したんでしょ?
自分で頼んだものは自分で責任食いしてください。そんなの常識ですよね。

上記「理念」はどうなったんですか。口だけですか。
弁護士に対して上記のようなことを言い放ちましたよね。
弁護士はやってますよ。経済的に苦しくても、弁護士会の財政が赤字に瀕しても、人権活動・刑事弁護など、日の当たらない活動を、(経済的に苦しい人も含まれているであろう)弁護士の出しあった貴重な弁護士会費を使って(つまり自腹で)、しかも土日をつぶしてやってますよ(個人的にはそこまで余裕なくやる必要があるのか大いに懐疑的ですが)。

で?大学(法科大学院)様は、なにしてんのですか?
補助金をガッポガッポもらい、学生からは予備校よりも高いフィーを取り、土日は休み、夏と冬には長期の休暇を設け、それでノホホンとやっている。
法科大学院側は、弁護士に対し、自由競争で淘汰されろと放言しましたが、法科大学院側は、どれだけ自由競争にさらされてるんですかね?文科省による許認可に胡座かいてやしないですか?

努力がたりないですね。努力が。
甘い。超甘い。

こんな努力しない人たちは、社会から淘汰されるべきでしょう。

カリキュラムを思い切り絞り、司法試験科目だけにする。
授業は東大などの有力LSの教授の授業をサテラインでつなぐ。
あるいはVOD形式で授業。
質問は学生からメールで講師に送る。これを、授業を直接おこなう講師が答えることもあれば、司法研修所の所付きのようなチューターがサポートして答える、各地域のローにはそうしたチューターのような人を置いて直接の対応をする、という形で良かったんじゃないのかなと。
で、学生だけではなく、実務家向けの高度な授業は、それなりのゼニを取って行う。人来ると思いますよ。それなりに。知財とか企業法務とか、高名な講師を呼んで講座を開設すれば唸るほど人が来るでしょう。

すべてのローが各自で人材集めてそれを各地に配置する(適正配置と称してるが笑止)とか、兵站のことを一切考えないドアホウな政策だということにそろそろ気づいたほうがいいと思うんですが・・・

司法試験受けるためにここを通過しなきゃいけないという無理やり通らせる関所のようなセコくてクソ狡い商いをしようとするから、こんな風に、悲惨な状態になって滅びるのです。

社会の役にも立たないどころか、多くの学生を借金漬けにしたうえで時間網張って就職のチャンスも奪う、すなわち経済的再起更生を非常にやりづらくするという大きな弊害を拡散するだけの機関に成り下がっているのが実情ですから、社会的正義という意味では、早く消えてなくなるのがもっとも望ましいのですが、さもなくば、上記の通り、リストラクチュアするしかないと思うのですが。

コストを考えられない人たちって本当に悲惨な末路をたどるなあと改めて感じました。