【gdgd注意】法曹養成制度検討会議の最終取りまとめ案が出ました。 | 向原総合法律事務所/福岡の家電弁護士のブログ

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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130606-00000199-jij-pol
要するに大半は先送りということで

法曹養成フォーラム+法曹養成制度検討会議で3年議論してきてこのざまですか。似たようなメンツでやってきた議論によって繰り出された結論によって、司法界(弁護士だけかも?笑)はメチャクチャにされたように思います。
結局、法科大学院(上位ロー)さえ残れば良いという結論だけは死守した感じがしますね。

ここ3年の議論の経過をまとめますtと、こんな感じだったのかなと思います。
法曹養成フォーラム当初:合格者数の足枷になっている給費制つぶすぞ!貸与制マンセー!!法科大学院全部マンセー!!合格者は3000人だ!!増やせ増やせ!!弁護士だけ増やせ!!!
       ↓
途中:給費制が暫定延長される 
「チクショー、つぶしてやる!でもどうしたらいいか?」
「給費制維持しろとか叫んでるのは日弁連だ。うざくね?」
「日弁連つぶそうかね。マスコミにも協力してもらって」
「でも日弁連はローマンセーなんだよね。協力関係保ったほうがよくね?」
「けど、日弁連って実は上の方はローマンセーなんだよ。それを利用すりゃいいんじゃね?」
「確かに『お金がないと法曹になれない』というのならロー制度こそ非難の対象にするべきなのに、そうしないで、給費制だけを主張しているから、つぶせるかもしれんですね」
「そこは不幸中の幸いだったな。日弁連がロー制度自体を非難の対象にしてたら俺達はつぶされてたかもな」
「『お金がないと~』ってんなら、『弁護士儲かってるじゃねーか!!』と主張すればつぶせるぜ」
「それ名案!」
「でも、日弁連の給費制はかなり盛り上がってるぞ。これに水をかけると、ローに協力してもらえなくなるんじゃないか?」
「いや、そうでもない。日弁連の旧主流派にとって、ローは悲願なんだ。夢なんだ。ローを巡って内部はねじれているとも聞く。給費制を巧く潰せば日弁連も俺たちにおとなしく尻尾振るって」
「よし!実行しろ!」
→給費制=弁護士の既得権という理屈にすり替え大成功=問題の矮小化作戦大成功
       ↓
法曹養成フォーラム終盤:給費制延長つぶすぞ!貸与制マンセー!ローマンセー!!合格者を増やせ!!弁護士だけどんどん増やせ!!!弁護士どもは甘えるな!!!競争しろ!!!!
~貸与制へ移行
       ↓新組織=法曹養成制度検討会議が発足
「法曹養成フォーラムのローマンセーメンバーほぼ留任でよかったっすね」
(しばらく放置)
適性試験受験者・法科大学院入学者のハイパー激減
予備試験受験者の増加・同試験合格者の増加
       ↓
ローマンセー組「むむむ、ちょっと休んでいる間に、こんなことに・・・これはひどい・・・」
「ローを全部残すのはさすがに無理っすね・・・」
「合格者激増=弁護士だけ激増も無理がありますね・・・適性試験・ローがまるで不人気になってるじゃないすか・・・僕らは弁護士資格を利用してきたから、ローという関所でどんなテキトーなことを教えてても学生が集まって金を盗れてきたわけで・・・」
(沈黙)
「そうだ!俺達は上位ローに雇われてるのだから、上位ローさえ残せばよくね?」
「なるほど!そうしましょう!!名案です!(^^)」
→ローの統廃合案登場
「どういう基準で統廃合にもっていく?」
「合格率でいいんじゃないすか?世間はそれしか気にしてないし」
「でも受験指導禁止してきた手前、それを基準にするのはまずくね?」
「んなこと誰も気にしないっすよ」
→合格実績をネタにした下位ロー締め付け策へ
       ↓
「修習どうしますか?さすがに放置ってまずくないです?」
「じゃ、実費でもとらせとけ。ついでに憲法訴訟とか面倒くせえから、代償措置ってことで専念義務緩和しとけ。バイトOK。」
「バイトなんかできますか?とくに鹿児島とか旭川とか、バイトなんか簡単に見つかりませんよ。そもそも就職難なので就活が大変なのにバイトなんかしてるヒマあるのかと。大学生でも就活中はバイトを思い切り減らしますよ」
「そんなことどうだっていい。わかっている。本当の狙いは、修習生に不満をもたせるところにある。そして司法修習を廃止に追い込むことだ」
「よくわかりませんが」
「ガス抜き的にバイトできる制度にしても、、バイトを容易にできないとなれば、修習生は不満を持つ。不満を持つ修習生は修習廃止論を主張するだろう。これが狙いだ」
「名案です!!ヽ(´ー`)ノ」
        ↓
「あとはどうする?」
「先送りでいいんじゃないっすか?」
「僕たちはどうなるんすか」
「フォーラム→検討会議のときみたいに横滑りだといいけどね」
「こんなテキトーな議論で、ずっと結論をはぐらかして伸ばせるんなら、楽チンでいいっすね」
「議論を散々引き伸ばしてギャラももらえるのだったら最高ですね!」

こんな程度の議論が繰り返されてたんでしょうね。
新組織は、いまの組織を解体改組し、法科大学院関係者を全員排除してもらいたいものです。

この「最終取りまとめ案」は、「中間とりまとめ案」のほとんどコピペであり、そこからわかったことは、フォーラム→検討会議が、完全な税金の無駄遣いであることと、急務である法曹養成制度問題の議論が先送りされることによって、法曹養成→司法業界がグダグダになるであろうことだけですね。

よく、「出口のないトンネルはない」と言われますし、私も事件処理についてはそのような気持ちを強く持ってやっているのですが、この法曹養成関係の議論は、上記のような、曲学阿世の徒どもによるたわけた議論が繰り返されているため、トンネルといっても、これは海底に向かって掘り続けているようなもので、出口に到達することはないですね。マグマにぶち当たって全滅するか、異常出水・落盤で全滅といったところだと思います。

それにしても、こんな愚かな将校たちがこんな愚かな作戦を立てる国策って、前例がないと思います。
完全にgdgdじゃないですか┐(´∀`)┌

あとは、自衛あるのみ、ということです。
各弁護士、なかんずく若手は、さらに襲い掛かってくる猛吹雪に耐えて頑張るしかありませんね。

一方で、こんな報道も。
http://www.jiji.com/jc/zc?k=201306/2013060600868&g=soc

「給費制」復活検討を=司法修習生の負担減-自民調査会

議員レベルではもともと給費制維持=貸与制否定という意見が大勢だったのが、最後に前原誠司氏に一任されて、よくわからない理屈で貸与制に完全移行してしまいました。
この件について造詣が深い議員は、実務法曹経験者が多いのですが、「有識者」とされる政府の諮問会議である法曹養成制度検討会議の面々の大半は曲学阿世の徒の集まりですから、議員のほうがよりきちんとした問題意識を持っているという、珍しいパターンですね。