朝鮮映画「사과딸때」(りんごを摘む時) | ヨンさまブログ

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とある焼肉屋のおやじです。



 朝鮮映画「사과딸때」(りんごを摘む時)。
 1971年の作品で、あの有名な북청확대회의(北青拡大会議)の10周年を記念して制作された映画。
 1961年咸鏡南道北青郡龍田里で果樹園助成事業を全国的に展開すると決まったあの北青会議の事。

 ストーリーは北青会議のおかげで大豊作になったりんご果樹園での話。
 故郷に帰ってきたヒロインが豊作のりんごを人々が無駄にすることに心を痛め、余ったりんごの有効活用のために悪戦苦闘する姿を描く。
 
 作中でバックするトラックが落ちたりんごを危うく踏み潰しそうなときにヒロインがトラックに向かって「止めて!」と叫ぶシーンがある。
 たかがりんご一つの為に大騒ぎしたヒロインに対して運転手が「いったいどうした?!何それ?国光か、あ、今はプッチョン(北青)と呼ぶんだっけ?こんなに豊作なのにケチだなぁ」
というシーンがとても印象的。
 国光とは「国光りんご」のことで元々アメリカ原産の日本のりんごの種類。バナナが自由化されるまで日本の主要な果物だった。今では青森で限定的に作られてるらしい。
 調べたところ日帝時代に多くの日本のりんごの種類が朝鮮半島に渡ったようで旭→구월(9月)、紅玉→황후(意味不明)、インド→덕성(地名?)、ゴールデンデリシャス→금강(金剛)、スターキング→허천3호(ホチョン3号)に解放後名称が変更されたのがとても朝鮮らしくて興味深い。

 5大革命歌劇の一つ「金剛山の歌」の有名な挿入歌「사과풍년」(りんご豊年)の歌詞の2番にも사과풍년 대풍년 과일풍년은 북청회의 뜻깊은 열매이라오(りんご豊年、大豊年、果物豊年は北青会議の大切な果実)と出る程朝鮮の農業政策において北青会議は重要な位置にあるということがわかる。
 わたしもね、朝鮮映画を鑑賞しながらこうして朝鮮について勉強しとります。
 皆がスルーしたり関心がなかったり間違った情報しか接しない物事を調べるのって結構楽しい。

 ただ朝鮮映画で残念なのはほとんど字幕が無いのと最後のエンドロールがあったりなかったりで正確な年や挿入歌の歌詞(特に重唱なんかは歌詞がほとんど聴き取れない!)や俳優や監督の名前のチェックが出来ないという事が最大の難点で今後の課題。
 
 それにしても今年で卒業しちゃううちの娘、一度でいいから娘の「りんご豊年」の舞を見たかったなぁ、
 ちなみに娘の最後の運動会の日にちを本人に聞いたら「知らない」と言われました。

네 여러분 즐거운 하루 되세요!
アンニョ〜ン!