相方のストロベリーちゃん、
キッチンで鼻歌出る時は機嫌が良い証拠。
レパートリーは韓ドラの「サイコだけど大丈夫」からNKポップの「祖国保衛の歌」までとその守備範囲はかなり広い。
1番目と막내(末っ子)が英検から帰ってきたのが影響したのか、その日は「ABCの歌」。
♫ABCDEFG〜
Uまでは行く、けどその先に進めないようで、
壊れたCDプレーヤーのように冒頭のAに戻ってはUで行き詰まってまたAに戻る、まるで絵に書いたような悪循環のお手本のような鼻歌で、むしろ感心さえする。
でもさ、そう言うのって人から指摘されるのめっちゃ嫌だよね、ちょっとした羞恥心も重なるし。
でも、わたしも相方としてよりよい生活を目指そうと言う義務と責任がある、行き詰まったABCに風穴を開けて新風を吹き込みたい、と願うのは当然の成り行きではないか。
過去半世紀繰り返してきたであろう「ABCの歌」の呪いから彼女を解き放ってあげたい、呪いに立ち向かう勇敢な若きプリンスのような心情だ、
でも通りがかりの見ず知らずの女性の死体にいきなりキスをするようなそんなセクハラはしないのだ!(みんな誰も何も言わないけど白雪姫のあの王子様って私から言わせたらイケメンの変態にしか見えませんけど、しかもおそらく時代背景中世ヨーロッパでしょ?白雪姫がペストだったらどうすんだ?!ってゆーか、そのまま連れて行ったら誘拐じゃん!しかも未成年!(白雪姫って未成年だよね?成人?じゃないよね?)とか考えてくれよ!無産階級の七人の小人達も傍観するなよ!止めろよ!ツルハシ持ってハイホー!って立ち上がれよ!とか思うのは私だけでしょうか?)
ABCの歌の話、
「あのさぁ、そのABCの歌だけどさぁ」
彼女の眉間にシワが寄る。警戒心の表れだ。
「おせっかいかも知れないけどさぁ、大体の人ってKの次が間違ってる」
「え?な、なによ?」
それ以上近づいたらこっちも攻撃しますよみたいなファイティングポーズ、窮鼠猫を噛むの窮鼠が猫を噛む前の緊張状態が二人の間に走る。
「Kの次、エル、エム、エヌってみんな歌うけど、本当はエロメノピー、ここでリエゾン思いっきりカマして一気にPまで持って行く、そしてQRSTU andV、Uの次に1回目のandが来て、W〜X、Y and Z、ここはワイエンズィー」と2回目のandが入るから」
「もう、ええねん!そんな事どうでもええねん!人がせっかく気持ちよく歌ってるのに!めっちゃ不愉快になったわ!あっち行って!」
え?ワタクシ、駄目ですか?
ちなみにまだその先があるんでけど、
Now Iknow my ABCs
Next time won't you sing with me?
(歌詞の内容からもSHALL WE SING?って私、誘ってるのに、、、)
わたし、初めて知った時は
抜けおちたパズルが全て収まったような爽快な気分になったんですけど、、、、、