広島駅だったか?
唯一の肉親の弟に賠償千恵子が
「戦争が終わったら毎週なん曜日の何時に(正確に覚えてない)姉さん必ずこの駅で待ってるからね、必ず帰ってくるんだよ」
「わかった、姉さんも身体に気をつけて」
駅を離れ遠ざかる汽車から制服姿にタスキを掛けた松本さんが手をふりながら
姉さ〜ん!と叫ぶシーンを
(この弟との約束を守る為に賠償千恵子はそこを離れることが出来ず恋人とも別れることになったのだ。)
千葉の姉ヶ崎の家でテレビの再放送を観ながら「松本さんだ!松本さんだ!」家族みんなで歓声をあげたものである。
映画の中で賠償千恵子の恋人役の新克利が
「朝鮮戦争が始まってこれからどんどん景気が良くなる、僕と一緒に東京に行かないか?」
と打診されるが賠償千恵子は苦渋の決断で弟との再会を選択する。
※この新克利の何気無いセリフは当時の(今でも)多くの在日韓国朝鮮人に日本の進歩的な人々でさえかつての植民地や占領地で行った非人道的な行いに対する反省はほとんどないんだなぁと諦観させるに充分だった、植民地だった朝鮮が今度は南北に別れて戦争する悲劇に対してなんと言う冷淡さ。たしか田中邦衛が朴という功利的な朝鮮人役をしてたのではなかったか?そこも記憶が定かでは無いが、だいたい朝鮮人役で良い役って見た事ないし。
スタジオの楽屋で志村喬さんと松本さんが本番前のセリフの最終調整をしていた。
志村さんは当時はもうすでに高齢でセリフを覚えるのがちょっと大変なので松本さんが相手役になっていつも一緒にやると話してくれた。
本番になる
結婚式の披露宴の挨拶の場面のようだった、なので主要な出演者達が全て揃っていてテレビで見た事のある女優さんや俳優さん達がズラーっと並んでいた。
ハッキリ覚えてないが、たしか、ドラマ「だいこんの花」だったんじゃなかったか?
ホームドラマには間違いない、
本番で披露宴の挨拶を森繁久彌がしていたようなおぼろげな記憶が、
ただハッキリ覚えているのは本番後に楽屋に戻って志村喬さんと再び談笑した時に大阪四郎さんもメイクを落として着替えてたから、おそらくそうじゃないかなあ?
※大阪四郎さんは「パパと呼ばないで」の石立鉄男の叔父さん役、チー坊!知ってるでしょ杉田かおるのデビュー作。
そんなある日
松本さんが言うではないか、
「今度「子連れ狼」に出演する事になった!」
みんなが一斉に
「大五郎と共演?!」
普通は大五郎より萬屋錦之介に驚くべきなのに、
今、ひかりTVで「子連れ狼」を放送中で毎日夜中に松本さんが出てくるかなぁと見ているけど今のところ出て来ない、タイトルだけでも覚えてたらなぁ、
つづく
誤字脱字記憶違い等あったらゴメンなさい、