小説を読んでて沢山の疑問を感じたんだけどその中の幾つかをピックアップしてみるよ。
「北朝鮮」訪問のシーンで「ホテルの各部屋は盗聴されている」というくだりがあったんだけどそれは本当?
「盗聴されているかもしれない」ではなくて「断言」していたけど。
朝鮮にあるホテルはミヨンが泊まったホテルだけじゃないよね?
朝鮮全国にホテルはあるし外国人専用のホテルも全国にあるよね?
その全客室が盗聴されてるのかな?
だとすると膨大な数のスタッフが必要となるよね?
しかもそのスタッフ達は日本語以外にも英語はもちろんフランス語、スペイン語、中国語、そして先日朝鮮を訪問したノルウェー人旅行者の「北朝鮮旅行記」の動画を見たけど、そうなるとノルウェー語に堪能なスタッフも必要となるよね?
ノルウェー語で朝鮮労働党政権転覆の策動をされるとヤバいじゃん?
でも、そんな事物理的に出来るの?
それとミヨンが祖国訪問をした2年前に僕も祖国訪問をしたけどミヨンの朝鮮でのスケジュールが10日だったよね?
小説だからそういう設定にしたかも知れないけど10日はないよね?
あの当時は大体40日くらいで行きは横浜から万景峰号で津軽海峡周りで7泊8日、復路はウォンサンからサムジヨン号で新潟まで二泊三日じゃなかった?
帰国した肉親と会う機会は私の記憶ではピョンヤン、サリウォン、ウォンサンと最低でも3回あって僕の従兄弟の兄さんと姉さんはピョンヤンのホテルに何度もぶらっと訪ねて来て対面を喜んだよ。
どこで何を喋っても盗聴なんて誰も気にしていなかったけどミヨンはもうこの時に盗聴に神経をすり減らしていたんだね。
ちなみにこの姉さんと兄さんの父、つまり僕のイモブは在日では有名な画家で姉さんと2人の兄さんはこの絵のモデルなんだよ
植民地から解放された在日同胞が建てた朝鮮学校の民族教育の縮図のような絵だと思わない?
この中の誰も盗聴なんか気にしなかったし私のチャグンイモなんかは部屋で「ウリナラは見栄っ張りな国だから外ヅラがいいのよ」とか「南朝鮮は今経済が発展してるみたいだね」とか普通に喋ってたけど現在も咸興で健在だよ、迫害されたなんて話全くないよ。もちろん「付き添いの人」、ミヨンが日本人読者向けに描写したい意地悪で怖い「監視員」の前でね。でも私が目にした「監視員」は全然怖い人ではなくて朗らかで優しい日本から帰国した女性だったよ、日本人読者の期待を裏切って申し訳ないけど。
そもそも「監視員」がいるなら盗聴とかいらないんじゃない?とか普通に僕なんかは思うけどね。
ミヨンは読者に対していきなり朝大の理不尽な慣習や権威主義的な朝大生を登場させ「自由日本」の価値観と対比させて朝大を悪魔化してリベラルな日本人読者が喜ぶようなストーリー展開にしてるけど、
その前に先に僕が紹介した絵や在日の芸術家達の活動等、先達の朝鮮学校の成り立ちと歴史を朝鮮学校に無知な日本人読者向けに説明し何故「金日成元帥ありがとう」というようなスローガンが掲げられるようになったのかをしっかり説明する義務を怠っていると思うよ。
それじゃあまるでテレビの当たらない「北朝鮮」専門家と変わらないんじゃん?
あ、もうこんな時間だ、
この続きは次回に、