続 チュンオモニ | ヨンさまブログ

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とある焼肉屋のおやじです。

常日頃から人との良好な関係を築こうと努力する次男、
担当のチュンオモニとも良好な関係を築く。

その日のスケジュールは人民軍を養成する士官学校との交流会、

未来の軍人さんとの堅苦しい話は苦手だなあ、
と思った次男はチュンオモニにアドバイスを求める。
チュンオモニは嬉しそうに
「ウリナラの若い子達は恋バナ大好きよ」


若い士官候補生と組みになって懇談会が始まる。
一通りの自己紹介の後次男はありったけの朝鮮語ボキャブラリー(概ねハングル検定2級レベル)を総動員して、

「형님 애인있어요?」
(兄さん、恋人はいますか?)
と尋ねた。

実はこの時次男は内心色々な不安があった。
スンミカ?インミカ?の「デスマス調」の堅苦しい朝鮮語ではなくて語尾に「ヨ」を多発させ自然な感じを出して失礼ではないか?
オンマが毎日視聴している韓ドラ風のウリマル、例えば韓国風の「エイン(愛人と書いてい恋人の意)」とかが通じるだろうか?
恋バナが不謹慎だと怒られたらどうしようか?

するとどうでしょう、
若い士官候補生の目が一気に輝き出した。
次男の不安は杞憂に終わった。

「おお、今は勉強が忙しいからいないけど過去に6人と付き合ってたよ!」

まだ恋をした事の無い次男達は思わず

「진짜요?!」と身を乗り出した。
(この「チンチャ」も韓ドラ風で、北でも使う事は使うが朝ドラ(北朝鮮ドラマ)を見る限り「チョンマル」が圧倒しているようである)

若者達の会話は弾む

日本から来た高校生の驚愕したリアクションに気を良くした若い士官候補生は、たどたどしい母国語を話すこの異国育ちの後輩達に彼自身の恋の遍歴と自身の恋愛観について親切に言って聞かせた。

が、しかしなにぶんかなり早口なのでほとんど聞き取れなかったが要するに健全な男女の恋愛(恋愛は男女間だけの独占物では無いのでこの部分はちょっと問題になるかもしれないが)はすなわち祖国を大切にし守る事に繋がるという事だったそうである。
とてもいい話を聞いたなあと満ち足りた気持ちの高校生達。

しかし後で冷静に考えると20歳で過去の恋人6人って相当な「たらしじゃね?」という疑問をどうしても抑える事ができなかった。

ピョンヤンの大同江の散歩道を見渡すと若いカップル達が手を繋いで仲睦まじく歩いている、

そんなピョンヤンの当たり前の光景を見ながら、

ああ、オレもいつか恋のフルコースを経験したいなあと思う次男であった。

でも、失恋まではちょっとイヤだなあ、

でも、最初の若い頃はいいけど、歳とったらオンマ、アッパみたいになっちゃうのかなあ?
ああ、ゼッテー無理‼️

そうだ後でチュンオモニに聞いてみよっと、

多感な時を朝鮮で過ごしたこの経験はこの先必ず彼の履歴に宝石のような1ページとなって蘇るに違いない。