2016ピョンヤングラフティPART3〜涙のドッジボール選手権 | ヨンさまブログ

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とある焼肉屋のおやじです。

僕達が朝鮮民主主義人民共和国に到着する前ピョンヤンでは200日戦闘キャンペーンが進行中で多くの若者達が首都の建設に動員されていた、
しかし朝鮮東北部で起こった洪水災害の為「200日戦闘」の力量は全て災害対策に回され国を挙げて災害地域復興に全力を注いでいるのだとピョンヤンの人々は話していた。
連日流れる被災地のニュースを見る限り、例えそれが国営放送だとしても懸命に努力していることに間違いはないのではないかと思うのは自然だろう。

「力のある者は力を、知恵のある者は知恵を、金のある者は金を」のスローガンのもと独立以来国家建設を進めて来た朝鮮に僕が出来る事は何か?

そうだ、僕にも出来ることがあるではないか!
カンバンソク高等中学校で行われるクラス対抗ドッジボール選手権に必ずや優勝して子供達に「승리의신심과 앞날의희망」(勝利に対する信念と未来の希望)を与えようではないか!

勝つまでは2度と日本には帰らない!
そう誓いながら、
誰かが作った「대동강의노래」(大同江の歌)を歌いながら大同江をわたりました。


学校で子供達のドッジボールの試合を見る、
僕の通った朝鮮学校ではドッジボールの事をなぜかは知らないが「トゥッピ」と呼ぶ、おそらく「投避」が元ではないかと思う。

※朝鮮学校教師生活16年の我がストロベリー女史説によると正式名は「投避球」トゥピグらしいが、あやしい、

ピョンヤンではピグと呼んでいる。
なんかかわいい、

※ストロベリー説にかなりの信憑性が出てきた、ゴメンなさいストロベリーちゃん

見学するとルールが全く違う‼️
正直言う、
日本のルールの方が遥かに面白い‼️
ルール変更を提案して見よう、
でも資本主義帝国主義の国のルールはダメとか言われるかも知れない、
特にここ数年日朝関係は最悪だし、、、


あ、アレっ、
すんなり通る、
「良い物はどこの国の物であろうとどんどん取り入れましょう!
それにいつか日本の人々が我が校に来た時に良い交流になるわね、
スンテソンセンニン我が校の為にもがんばって!」

目からウロコ、
てゆーか無意識のうちに堅苦しい朝鮮という偏見があった事に気づく。



早速全実習先生が生徒達にルール説明

「とにかく敵をめがけて思いっきりボールをぶつけるんだ、思いっきり!」

女子生徒が質問する

「女子にはぶつけないですよね?」

「女子も男子も関係ありません!全員に漏れなくぶつけます!」(キリッ)

ウォー‼️

大歓声の男子達、

「日本では女子に対してそんな野蛮な事をするんですか?信じられません!」
と女子、

「だってウリナラ(我が国)も日本も男女平等の国だから」
と僕、

ウォー‼️

再び大歓声の男子達、

やる気満々!
てゆーか女子にぶつける気満々!


、、、、、


栄えある第一回カンバンソク高等中学校ドッジボール選手権の幕が切って落とされた、

もうね、パネー!

ピョンヤンの子供達の勝利にこだわる執着心がパネー‼️

一緒に手をつないでゴールしよ❤️

なんて精神はこれっぽっちもねえ!
断じてねえ!

子供達の瞳がメラメラと燃えている

星飛馬か?!って、
花形満か?!って、小学生がクルマ運転すんなよって、

全クラスが、そこまで本気か?!
ってくらいガチ!



勝つ為には反則も厭わない、
てゆーか夢中で勝ちをめざす、
全試合荒れた試合、

サッカーワールドカップに例えると
イエローカード8枚レッドカード4枚レベルの荒れた試合。

朝鮮民主主義人民共和国代表チームが度々激しいプレーをする原点がここにあった!
2006年アジア杯準決勝対中国戦で2回のPKチャンスと終了間際の同点ゴールを認められずに敗退した朝鮮女子サッカーチームは試合終了後イタリア人主審に飛び蹴りを入れたり掴みかかったりしてボコる寸前だったが辛うじて警察に守られて主審は難を逃れた、主審は超ビビっていた。

※明らかに朝鮮チームに対して不利な判定で中国メディアまでも誤審と報道していた。

負けたチームの子供達はみんな悔しくて泣いてる、

おいマジか??
たかがドッジボールで負けただけなのに?!
日本じゃ考えられない!




大会前優勝候補大本命の我が1年五班はついに決勝進出‼️

対戦相手は隣の6班
担任の先生が若くてめっちゃかわいい‼️

逆転に次ぐ逆転、
手に汗握る展開、
一緒に参加している自分も100%本気モード、
こんなに本気になったのはいつ以来か記憶にない!

試合終了のホイッスルが鳴る

大本命の五班が負けた、

全員号泣‼️

そ、そこまで泣く?!

サッカーワールドカップで言えば
1950年ブラジル大会で大本命の地元ブラジルが決勝でウルグアイに逆転負けしたくらいの勢いで泣いてる、

競馬でいえば
1973年の日本ダービーであのハイセイコーがタケホープにまさかの敗北しくらいの勢いで泣いている、

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優勝したクラス、
めっちゃ喜んでる、
担任の先生めっちゃかわいい、

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負けた僕のクラス
めっちゃ意気消沈してる、
テンションめっちゃ下がってる、




スゲー落ち込んでる、
マジヤバい状況、

どうするオレ?!
どうする実習先生?!

よし、これしかない!

ピンチの時は구호朝高流号令!

「5반동무들!

언제까지 울고있습니까?!
얼굴 들어요!앞을봐요!
래일은 무슨날입니까?」

五班のトンム達いつまで泣いているんでか?!
顔を上げなさい!前を向きなさい!
明日は何がありますか?

「운동회기있습니다」

運動会です

「그렇지요, 레일은 운동회가있습니다!
동무들 이상태로 래일운동회를 참가합니까?

참가합니까?!」

「아,아닙니다、、、」

「우리가 래일 해야할일이 뭡니까 ?」

そうです、
明日は運動会です、君達は今のこんな調子で運動会に参加するんですか?
私達が明日しなければならい事は何ですか?

「이겨야합니다」

勝つ事です

「그렇죠! 래일은 꼭 이겨야합니다!
동무들 해낼수있어요?!」

そうです!明日は必ず勝たなければなりません!君達!出来ますか?


みるみる子供達の顔に生気が戻る

「해낼수있습니다!」
「우린 꼭 이겨야말것입니다!」

出来ます‼️
必ず勝ちます‼️


もうね朝高時代に完全に戻ってるオレ、
民族教育ありがとう‼️

「자 동무들 구호를 부르겠습니다!
래일운동회는 우리5반이 반드시 이기자‼️」

「이기자!이기자!이기자!」

それでは君達!みんなで大きく声を出しましょう!
明日の運動会は我が五班が必ず勝つぞ!

勝つぞ!勝つぞ!勝つぞ!


「야!정말 좋다!」

「선생님 래일은 꼭 우리반이이겨요!」

「야! 우리선생님 정말 멋있구나!」

もう気分最高!

先生明日は必ずかちましょうね、

わあ、先生本当にカッコいい❤️



ビョンヤンっ子回復力早や‼️

さっき泣いたカラスがやる気満々‼️

てゆーか班がハナ(一つ)なった!

さっきのあのテンションの低さは一体何?

号令が終わるや生徒達が一斉に僕に駆け寄り腕に絡みつくは肩にだきついてくる、

もうマジ泣きそうなオレ、

まるで「飛び出せ青春!」in ビョンヤンみたいだ、、、古っ!
昭和生まれ以外に誰も知らねーって、


次回

「ビョンヤンの運動会」に続く