【46】これからの経営者へ 斎藤一人・「自分は自分のオリジナルで行くんです」とか言って、下から全部、自分でやろうとすると苦労する
人間界って、おもしろいですよ。
人間は、だいたい同じような波動の人と一緒にいるのです。 簡単に言うと、「常に、どんぐりの背比べ」みたいなものです。
そのなかで、一個だけ微差をつけると、ちょっと、一個分、上がります。
頭一個分上がる、それだけで十分です。
頭一個分、出てくると、今度、そこでまた、どんぐりの背比べになります。
つきあう人とかが、今までと違ってくるけれど、常にどんぐりの背比べ。
だから、そのなかから、また一個分だけ、ちょっと、出ればいいのです。
「自分が伸びる」とか、「どんぐりがデカクなってくる」って言うと、たいへんそうに思いますよね。ところが、本当は、たいへんではないのです。
たとえば、たとえばの話ですよ。
日本一高い山といえば、富士山ですよね。
自分を日本で一番高いところに置きたかったら、富士山に登ればいいんですよね。 富士山のてっぺんに行くと、日本で一番になれる。
ただ、富士山には、年間何万人かが登るんです。じゃあ、日本一になれないじゃないかと思うかもしれないけれど、ほとんどの人は、肝心なことを忘れているんです。
それは何か。
富士山に脚立を持って行く人が一人もいない(笑)。
踏み台をかついで行って、山頂で踏み台を出して乗れば、日本史上最高に高いところに立てるのです。
せこい話かもしれないけれど、事実上、そうなんですよ。
脚立を持って行く。この微差で、大差なんです。
要するに、自分がいる業界、職場でも、一番の人がいますよね。 その人がやってることを、じぃーっと見て、いいことをマネすればいいんです。
そこに脚立分だけ、ちょっと、微差をくっつければいいだけなのです。そしたら、 大差です。 わかりますか?
自分が蕎麦の修行をやっているんだとしたら、人気店の蕎麦を一生懸命、食べたりして、それに、ちょっと乗せるのです。それで大差です。
それなのに、「自分は自分のオリジナルで行くんです」とか言って、下から全部、自分でやろうとする人がいるのです。
それ、富士山を自分で作ろうとしているのと同じです。
そんな苦労はやめたほうがいいですよ。
自分一人で富士山を作るのは不可能ですよ。
それより、もうすでに富士山があるのです。 周りじゅうに、宝の山が転がっているのです。
そこへ脚立を持って行って、乗ればいいだけなんですよ。