私は読書が趣味ですが、絵画を観るのも趣味です。
といっても絵画鑑賞は、読書のように、応答する自分の感性が元々あって、自分なりの鑑賞眼があったという趣味ではなかったんで、
絵画鑑賞が今、自分の趣味として成立してるのはとてもうれしいです
絵を眺めるの自体は元々好きでしたが、その先、そこに自分に見る目のひらかれていない、数百年、千年さえ超える真善美&エネルギーのあることを感じていて、でもわからなくて、
少しずつ目を慣らし知識の助けを受け、
徐々に自分なりに絵画の中から何かをすくいとり、味わうことのできるようになった趣味です。対話できるようになってきたというか。(もちろん自己満足のレベルですが)
色んな絵ーー世界観・・・作者の精神の深奥に触れていくことや、解説によって作品の新たな観点や良さが目の前に開く刺激や喜びは、量子場調整にも通じる醍醐味な気がします。
さて、完全に自分の個人的趣味の棚卸で、
最近買ったり見返してる本で、「お」、と引っかかった作品をご紹介。
①ミレー 『春』
自然の明暗のコントラストが、農民として大地とともに暮らすミレーの・・・(中略)・・アニミズム的とも言える考え方を色濃く映し出した傑作です。曇りのち晴れ、という移り変わる転機と雨の気配、湿気や温度、土の匂いから草木の擦れる音、更には人々の不安までも描き出し、宗教も社会も時代さえも、すなわちすべての境界を越え、秀逸です。
(『芸術とは何か』 千住博 より)
ミレーにこんな絵があったんだなあと。
この、絵全体から沸き立つざわめきというか・・・。春の温度であり喜びでありざわめく世界のさまであり、そこに生きることそのものをうたっているというか・・・。
明暗の印象は、実際に見るとまた違うんだと思いますが、
でも何て豊かなんだろう!
『晩鐘』よりもこっちの方が好きだなー。
②千住博 『クリフ♯1』
並んで載ってた代表作『ウォーターフォール』にも魅入りましたが、テーマも何もわからんうちから、ぱっと目が離せなかったのはこっち。
なんだろう。やっぱ迫力と・・・”渾身”の引力を感じたんだろうなあ。
素材特性(和紙+岩絵の具)を最大限に活かした特殊な技法のようです。
・・・・「クリフ♯1」は和紙ならではの、揉んでも破れない強靭な特性を前提に、揉んだ和紙に岩を流し、岩を張りつけ、つまり岩で岩を描き、無作為の中に美を見出すコンセプトで描いています。
(『芸術とは何か』 千住博 より)
③デルヴォー 『煌々と』
ネット上にいいのがなかったの画集の写真で。
――オト・ビハリ=メリン
(『幻想美術 Fantastic Art』 ヴァルター・シューリアン)
デルヴォーやばい。
明らかに病んでいる。
でもやばい。他の絵も見ちゃったけど、はまりそうだ。
一週間後に画集を手元に持っているかもしれない。
何この絵の怖さ。
何が怖いんだろう・・・・と、胸に手を当てて、
少なくともひとつ、この絵から”終わらなさ”を感じるというのがあると思う。
④ヴュイヤール『庭にて』
ヴュイヤールは人間と物事の特別な様相にとても敏感だ。パリの家の中の様子や室内ランプのもとでテーブルや椅子に腰を下ろしているとき、ときたまおちいる神秘的な感覚を見事に描いている。
――キリコ
(『巨匠に教わる絵画の見かた』より)
既視感を絵に描け、といったらどう描くんでしょうね。
・・・というかそういうものを題材にする発想がそもそもあると思ってなかったんですけど、
上のキリコの表現と、その下にあったこの絵を見たとき、
私はそれがここに描かれているのを感じたのです。
⑤ゴーギャン 『われわれはどこから来たのか、われわれは何者か、われわれはどこへ行くのか』
長いですけど、ゴーギャンからゴッホへの手紙の体裁をとった、
『名画は語る』(千住博)の本文抜粋。
・・・・タヒチの生活で僕はあることにとても驚き興味を持った。それはこの夜の異様な静けさのことだ。ささやく声一つ聞こえて来ない。(中略)
彼らは裸足だからとても静かに歩く。彼らはある時は何時間も一言も言葉を交わさずに空を見上げたままだったりする。僕にはその意味がわかる。それが本当に心の安らぐひと時だから、つまりこの星空と一体化している。
・・・(中略)・・・・
僕はこの夜の闇の中で普通に動き回る土民たちを見ていて、ある種の官能的な幸福感に満ちていたといっていい。それは時が経つのも忘れるくらいだった。
そして僕にはあることがふと頭に浮かび始めた。
・・・
それなりの宗教を持っていて、しかし悩みがあったり、喜びがあったり、果物を食べたくなったり、年を取って死を覚悟したり、友達と話したりしているこの姿
は神秘的でもあったし、まるで永遠にくり返されているようだったし、それ以上何も必要としていないようにも見えた。
それを見続けることは、僕に生きている喜び、生まれてくる喜びをもたらした。
生きて、死んでいく。そしてまた生まれてくる。これがずっと続いてくれればいいと僕は願い始めていた。それでふとそんな素朴な疑問を感じたのだよ。
もっと大画面で見て頂きたいですね。
ゴーギャンて、特に興味のなかった画家だったのですが、
この解説を読んでいたら、確かに、この画面全体に満ち渡る、
熱帯の夜の湿度と温度の中の静謐、
生命の流れの永遠性、そこに生きているそのさまがそのまま神秘である姿・・・
あー上手く言えない( ̄Д ̄;;
けど、そういうものがそこにあるのが観える。
この絵は、ある状況にある人の、命を救う可能性のある一枚だと思います。
⑥ルノワール『ジェリー・マネの肖像、あるいは猫を抱く子ども』
ルノワールの作品は愛に満ちています。光に満ちていて、生きる喜びに満ちています。
この絵の少女ジェリーは、印象派の父マネの弟を父に持ち、母はベルト・モリゾという印象派の才能ある女性画家。裕福で幸福な生い立ちのジェリーでしたが、彼女は早くにこの両親を失います。
・・・しかし、彼らの生前から、家にはマルラメ、モネ、ドガ、そしてルノワールたちが何かにつけ集まり、強い友情で結ばれていたため、このあまりに贅沢すぎる巨匠たちによって、ジェリーは結果的に愛情深く守られ、育てられゆくことになります。
・・・中略・・・
(ジェリーの)この日記は素晴らしいもので、ジェリーは幼いながらも知性を持った観察眼の鋭い一人の教養人として、エッセイストとしての輝ける才能に満ちていました。
(『名画は語る』 千住博より)
うう・・・この絵はちょっと前に日本に来ていた・・・。
・・・・絵画を見て、涙が流れたのは初めてでした。
それは、この絵に満ち溢れる愛情の、あまりの豊かさに。
画全体に溢れる画家の少女への暖かい愛情。
そこに描かれている少女が画家によせる愛情。
そしてそれを全て、当然のように受け入れ承知しているジェリーの、愛と優しさと完全な信頼でもって画家を見つめている眼差し。
そしてそれをもちろん余すことなく受け取り絵に描くルノワール。
その二人に流れる、愛情と信頼と幸福が画面を超えて溢れ出していて、
気づいたら私はページを止めて泣いていたのでした。
愛の画家ルノワール。
元々好きな絵の多い方でもありますが、改めて、
・・・ああ・・・・素晴らしい画家です。
あ、千住博さんの『名画は語る』はおススメです~。
中野京子さんの『怖い絵』シリーズ他も好きですが、一流画家の視点で語られる名画への眼差しは、やっぱりまた角度や深さが違うというか。なんというか読んでいて肉薄してくるんですよねえ。
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