終物語 まよいヘル 感想 この瞬間を待ちわびていた | ながめせしまに@無為

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これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。

終物語 まよいヘル

 

 

感想

 物語シリーズもいよいよ最終章。映像としてどうしても見たかったのが、八九寺 真宵の復活。この話をどれだけ待ちわびたことだろう。鬼物語での涙の別れから、一体どれほどたったのだろう。TV放送が2013年とあるので、実に4年越の実現。

 

再会、そして真宵の復活は、この作品らしい少しコメディタッチの軽いノリで果たされた。それでも一ファンとしては真宵の復活が嬉しくないわけがない。 いつものお約束を順番にクリアしていく二人の掛け合いを見ていると自然と顔が緩んでしまう。

 

 

 

レビュー

臥煙に葬られる阿良々木

 

 三月中旬、受験日当日。この街で起きているおかしな現象を解決すべく臥煙 伊豆湖が動きだす。その元凶たる阿良々木 暦は(本人にはまだその自覚はない)妖刀心渡りで斬られ死んでしまう。開幕からいきなりインパクトの大きいシーンである。 この時の忍と暦は、暗闇によってリンクが一時的に切れてる状態だったのだか、いまいちはっきりと思いだせない。

 

 

八九寺 真宵との再会 お約束その1 御託を並べる阿良々木

死後の世界で目を覚ました阿良々木。この不可解な状況を整理しつつも、お約束の抱きつく前の言い訳を長々と語り始める。懐かしいくだりである。他の作品なら、冗長でくどいほどの言い回しであるが、この作品ではこれが持ち味にまで昇華している。 ご託はいいから早く抱きついちゃえYO ニヤニヤ としながらこの長い掛け合いを心地よく見ている。

 

 

お約束2 過剰なスキンシップ

 実に久し振りの過剰なスキンシップ。真宵が出るシリーズではこのやりとりは見所で、かつ久しぶりということもあり、かなり力が入っているように見えた。これを見ると、本当に真宵が帰ってきたと思える。

 

 

お約束その3 カミマミタ

 もはや原型を留めていないカミマミタ。当初は本当にかんでいるのか、かんでいないのかが気になっていたが、ただの二人の遊びと気付くまでにはだいぶ時間がかかったw

 

 

地獄に落ちていた八九寺 真宵

 阿良々木ではないが、真宵が地獄に落ちていたというのは大きなショック。日本では親より先に死ぬことは最大の親不孝とはいうがひどい話であるw ただ、これで何としても真宵をここから連れて帰られないとけない理由はできたといえる。

 

 

手折 正弦は元々死んでいた

 生き返るために連れていかれた先に待っていたのは、憑物語で因縁のあった手折 正弦であった。

一連の騒動から今回この場に居合わせること全てが、ある計画のためだったという驚きの展開。霊を取り扱う作品は、こういうとこをアバウトにしても整合性が取れるので便利だw

 

憑物語で暗躍していた者の狙いは、阿良々木が吸血鬼化を繰り返すよう仕向け、吸血鬼可させた上で正弦に退治させることだった。この事態を予め危惧していたメメが、事前に手を打っていたということも明らかにされた。さすメメ。憑物語で気になっていた部分はこれで大部分が明らかにされたことになる。

 

メメの予防策が功を奏し正弦と臥煙 伊豆湖が連絡を取ったことで、この阿良々木の蘇りによる吸血化リセット、そして真宵の復活へと繋がる。もっとも臥煙 にしても、真宵を連れて帰ってくることは予想外の良いハプニングだったらしい。最初は真宵を連れて帰り、北白蛇神社の神に据えるのが狙いだったと思っていただけに意外である。

 

八九寺 真宵を生き返らせるために、吸血化リセットと暗躍している誰か(すっ呆け)の目論見を結びつけ、その付属で真宵を生き返らせるという脚本はなかなか面白く作られており、さすが物語シリーズと感心する。また、北白蛇神社と、白浪公園の伏線もここにきて回収され、練られているとやはり感心する。

 

どこまで初期の構想であったのかは分からないが、大きなプロットの流れでは初期から練られていたように思える。

 

 

僕なんかが・・・

阿良々木 「僕なんかが生き返っていいのかな・・・

そう漏らした阿良々木 を全力でぶん殴る真宵。このシーンは初見では、また阿良々木がいつものように面倒くさいことを言い出したなという程度で見ていたが、暗躍している者の正体とその誕生の秘密が明かされてみると、しっかり理由付けられてる重要なシーンであり、そして一言で全てを凝縮している意味を持った重要な言葉であると理解できる。 

 

これまでも阿良々木はこうした捨て身的な発言をするシーンは多々あった。それが阿良々木 暦という人間であり、彼らしさなのだろうと自然に刷り込まれていたが、物語が終わってみればなるほどと思えるように、阿良々木 暦というキャラをしっかり描いてきたのだなというのが分かり、スッキリした気分になれた。

有象無象ある作品の中から、こうした素晴らしい作品に出会えることこそ醍醐味といえる。

 

 

真宵に説教されようやく決心がついた阿良々木。

 

 

現世へと戻った真宵

八九寺との別れを嫌った阿良々木は土壇場で真宵を足でキャッチ、しそのまま蜘蛛の糸ならぬ蛇の糸で舞い戻る。八九寺 真宵のカムバックはもっとドラマティックなものとなるかと思ったが、なんとも物語シリーズらしいといえばらしいコントのようなカムバックとなった(*´σー`)

 

別れ際に手折 正弦から明かされたこのシリーズのラスボスの名前、忍野扇。な、なんだってー(知ってた)。

 

そして反撃開始を宣言する臥煙 。いよいよクライマックスである。盛り上がってきたーヘ(゚∀゚*)ノ

 

 

蛇繋がりだけど・・・それでいいのかw

 舞い戻ってみれば、忍が臥煙 伊豆湖をいまにも殺しかねない状態で待ちかねていた。臥煙さんのことだから全て折り込み済なのだろうけど、真宵のお持ち帰りといい全ての予想が当たるわけでない。

 

暦が自分が生き返っていい人間ではないと、逆噴射したらどうなるか分かったものではない。臥煙としても賭けだったのではないだろうか。 (  ゚ ▽ ゚ ;)ハッ だから賭ケグルイのEDのパロディなのか!?

 

にしても、タイムリーなことにまさか蛇喰夢子をパロディするとは・・・。北白蛇神社という場所に掛けているのだろうけど、突然のパロディに意表をつかれクスっとしてしまった。

 

ロリの忍に慣れているせいか。キスショット完全体はやはり違和感を感じるw やっぱり忍はキスッショトではなく忍でいて貰わないといけない。

 

 

ひたぎランデブーへ続く

 

その他

八九寺 真宵といえば、やはり私にとっては
OPは 帰り道 

EDは その声を覚えてる 河野マリナ

 

しかない。

 

特に「その声を覚えている」が八九寺 真宵との別れを歌ったものと気付いた時に、改めて歌詞を噛みしめながら聞くと涙を誘われるものがあった。そういう物語シリーズのファンはきっと多いのではないかなと思いつつ、今またこの曲を聞くとあの別れのシーンが思い出される。音楽は作品と結び付きの強いものであり、人の心を直接揺さぶるパワーを持っている。いい作品と呼ばれるものは音楽もやはり優れたものが多いように思う。