朝鮮半島を中心とした政治情勢が極めて深刻化しつつある中、安全保障の議論そっち
のけで何を話しているんだかという思いなのですが、森友のニュースはいまだに大きく扱わ
れているようです。政治関与についての証拠が出てこない中、しまいには関与がないことを
証明しろと首相に迫りそれは悪魔の証明というものであって立証責任はそちらにあるのです
よと諭される始末。しかし連日メディアで大きく取り上げているせいか世論調査では内閣
支持率が5~8%ぐらいは下がっているわけですから、まだTVや新聞のみで情報を入手
している人がそこそこいるのだろうなという印象を受けます。
http://www.sankei.com/politics/news/170314/plt1703140033-n1.html
稲田朋美防衛相は14日の衆院本会議で、学校法人「森友学園」(大阪市)が起こした。民事
訴訟の2004年12月9日の口頭弁論に代理人弁護士として出廷していた事実を認めた。
稲田氏は、弁護士である夫が04年10月~09年8月ごろに、学園理事長退任を表明した籠池泰典氏と顧問契約を締結していたと説明。抵当権抹消に関する04年の訴訟に「夫の代わりに出廷した」と述べるとともに、自身も同事案を受任していたことも認めた。民進党の升田世喜男氏への答弁。
この件に関する整理
・12年と少し前の話である。
・民進党は事前の質問通告をせずに稲田防衛大臣に質問を行っている。
・稲田防衛大臣は通告になかったため自身の記憶を辿り回答している。
・稲田防衛大臣が夫の代理人弁護士として出廷していたのは国会議員になる前の話
※国会議員になったのは2005年9月の衆議院議員選挙 (小泉チルドレン)
・共同代表たる夫の代理として出廷するようなケースはあることなのか?
→弁護士の野村修也氏のツイートによれば
『夫が受任した訴訟に共同事務所の代表として名を連ねるというのは、実務的にはよくある話。民事訴訟の第1回口頭弁論期日ってことは、「陳述します。」と言って次回期日を決めただけ。ちゃんと調べて自ら明らかにしておけば良かったのに、脇が甘いな。 』
☆ちなみに旧民主党の価値観では事前通告なしで質問をした場合にそれを拒否すると
・答えられないという事は何かやましいことがあるからに違いない
・こたえない限り審議を継続することはできない
などと言い出すことは十分に考えられる。(これまでの実績的に)
つまり、答えなければ怪しいという風評を貼られ、記憶を頼りに真摯に答えた結果、記憶違いで答弁を誤ると辞任しろと恫喝にも思える勢いで内閣に迫る。
そして、論理破綻していることを指摘されても、謙虚さが足りない、理屈不明の謎の勝利宣言や人格攻撃へとシフトし言ったもの勝ちという具合である。
後藤祐一議員(民進)が3月10日の衆院安全保障委員会で、籠池氏の発言について質問。
・この委員会での答弁ではここ10年程はは会っていない。
・2年ほど前に会ったことはない。(籠池氏の主張では大勢がいる中で話したとあるが
一対一で話してるのでないなら大勢の人と会う政治家が覚えていなくても不思議はない)
そして以下の記事にある答弁が今回稲田防衛大臣が謝罪をすることになったと考えられる
答弁内容である。次のように小西議員に答弁している
http://www.sankei.com/politics/news/170308/plt1703080021-n1.html
稲田氏は「森友学園の籠池泰典理事長夫妻と、この10年間、お会いしたこともお話ししたこともない。何らかの法律相談を受けたこともない」と説明。その上 で、自身の夫に関しては「一私人なのでお答えする立場にはない。他方、夫からは『土地売却には全く関与していないことをぜひ説明してほしい』といわれてい るので、この場で申し添える」と答弁した。
法律相談を受けたこともないとしながらも出廷したことを問責されている。稲田氏個人の視点でいえば10年程会っていないという点は誤っておらず、答弁が明らかに反しているとはいえない。また共同代表たる夫が請け負っている仕事であったため法律相談を受けたことを失念したというのは人間であれば十分にあり得る話である。
事前通告せず質疑を始める民進党のやり方は汚いものの稲田氏の脇が甘いという指摘についてはそのように感じる人は多いのは仕方ないのかもしれない。
稲田氏は保守派の間では一定の評価を得て中には女性初の総理大臣などと持ち上げる人もいますが、質疑中に涙を流すなど事情はどうあれ不安に感じることもありますし、また弁護士の肩書を持ちながらも答弁が達者という感じもなく野党の恰好の的にされてしまっています。この国の安全保障を担う大臣として頼もしくなってほしいと思うばかりです。
結論として違法性はないし、また政治関与を窺わせるような証拠も依然でてきていない。国会議員になる前の話を、事前通告なしの質問に記憶を頼りにした答弁が、よくよく調べてみたら違っていたからといって、それが大臣の信任性に繋がる重大な問題かといえば、そのようには感じない。また記憶をもとにした答弁の誤りについては今回撤回し謝罪したことで決着である。もっと議論を深めて欲しい議案はたくさんあるのですから、そちらに時間を使って頂きたい。