White Album2 感想 最終回までに幾度も心に致命傷を負ってしまう | ながめせしまに@無為

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これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。


 年始年末は、ちょうど通常のアニメ放送が一息入るタイミングである。そのため、取り溜めている作品を
見るにはまたとない良い機会である。


以下では寄生獣とホワイトアルバム2の感想ですのでネタバレを含みます。






まずは寄生獣を視聴。原作ファンの間では大不評です。私も原作を読んでいたこともあり、敬遠して後回しになっていましたが、大不評の理由として挙げられる理由も一部分かりますが、私は十分楽しめた。

何より久し振りに映像としてみられたことが懐かしくてよかった。


寄生獣では原作よりだいぶ可愛くなった加奈の死に心を痛めたり、





田村玲子の最後に考えさせられたり、



虚ろになっていた新一の心が戻ってきた瞬間に一緒に安堵したり


手が届かなかった瞬間に『うわああああああ><』ってなったり



原作読んでるのに一喜一憂しつつ楽しかったです。





 「SHIRBAKO」をきっかけに、制作会社や監督作品など、タイトル以外のことにも興味を持つようになり、「冴えない彼女の育て方」の監督作品のほかのタイトルを調べてみた。その中に、まだ視聴していない評判がよい品があったのを見つけ、いい機会だと思い見始めてみた。





冴えない彼女の育て方にすっかり味をしめていた事もあり、よーしちょっとブヒブヒしちゃうぞというぐらいの軽い気持ちで視聴開始。

1話 
冒頭から主人公らしき人物が、「この三人でいられるのが最後であった」的な暗い展開を想起させるセリフ。 なんか思っていたんと少し違うような・・・と思いつつも、投げずに最後まで視聴(HP100→70)

2話 

  •  校内一の美女が登場。なんか性格よさそうな子だ(*´ω`)
  •  もう一人謎の美女が登場。こちらは黒髪の子(*´ω`)


早くも一話冒頭のメインヒロインが揃う。1話目の不穏な振りが気がかりではあったが、最終的にはハーレムになるのだろうと、まだ期待した方向性を諦めていない。(HP70→80)

3話

 早々にバンドを結成する。 思っていた以上に展開が早い。雪菜は純粋系で、冬馬は不器用なツンデレさんキャラかな。 (HP80→90)

4話 

  •  主人公、冬馬の家に泊りこみでギター練習
  •  雪菜それに気付き嫉妬


もうお泊り展開だと・・・。しかもちょっとエロいハプニングあり。この野郎羨ましいぞ。雪菜はやや面倒臭い子なのか。(HP90→100)
  
5話 

  •  雪菜と仲直り → 電話で過去のことなどを話し関係が深化。名前で呼び合う仲に
  •  冬馬倒れる


名前で呼び合う関係になり雪菜がメインヒロイン安定か。冬馬が倒れたことで、このあとイベントがあって盛り返しつつ結局敗れるパティーン( ー`дー´)キリ 

などと今後のとおおよそ展開を予想したりして楽しみ始める。(HP100→100)

6話

  •  主人公、冬馬を看病 関係が深化
  •  雪菜、主人公へ大正服で積極的アプローチ
  •  なんか最後の歌詞が意味深


ここにきて冬馬が急激に盛り返す。詩羽先輩ばりのまくり展開。少し意地っぱりな冬馬が可愛い。一方、雪菜は積極的すぎしないかと、やや違和感を感じつつも概ね予想通りの展開。段々ハーレムではなく恋愛アニメらしくなってきた。ブヒブヒいう作品ではないようだ。まだどちらに好意をもってるのかは不明。(HP100→100)

7話

  • 学園祭ライブ成功 1話目の未来回想につながる  
  • 主人公、冬馬と語り合う。ライブで疲れた主人公は寝てしまう
  • 起きると目の前には雪菜がいてキスを迫る


 な、なにいいい!! 思っていたより展開が早い。未来回想で示された振りが急転直下で回収される。主人公が、どちらに好意があるかはっきりとしないうちに、雪菜の積極的なアプローチにより撃墜される。

主人公がヒロインを撃墜したのではなく、ヒロインにより主人公が撃墜される。
 

『き、き、緊急事態なのです』


 この展開は予想していなかった。主人公がダラダラと葛藤しながら、最終的にどちらかを選ぶ物語になるのだろうと予想していた。まさかライブ後に、雪菜の電光石火のおねだりキスで決着がつくなんて驚きを隠せない。もはやこの先予断が許されなくなる。(HP100→30)


8話 

  • 三人の関係にヒビをいれで申し訳ないと、雪菜が冬馬に謝罪→和解
  • 貝木泥舟に似た友人が、主人公の本当の気持ちを知っているかのような口ぶり
  • 予想外なことに、ライブ後も3人で過ごすことに。クリスマスになりお泊り温泉旅行


二人の関係は秘密のままにしておくのかと思いきや、速攻で冬馬へ知らせたのは意外だった。前話から、やはり先が読めない展開になってきており、見ていて不安とスリリングがある。そして、いまいち分からなかった主人公の本当の気持ちが、友人を通して示された。

 本当は冬馬が好きだった。しかし雪菜のことも嫌いではかった。三者三様の関係を崩したくないと思っているのだろ。しかし、この関係を壊したくないと思う主人公の心の揺れをつき、雪菜は自分の素直な気持ちに従いアプローチする。

主人公は雰囲気に流されるまま受け入れてしまうが、たとえ本心がどうであれ、一度受け入れ既成事実ができてしまった後ではもはや後の祭り。どこまでも律儀な主人公は本心から目を逸らすように、雪菜ルートへ直進。
 

こなると、この先冬馬が再度挽回してきても、誰かは深く傷つく絶望的な未来しか見えない。重い気分になってくる。




もう手遅れなのです  


HP 30→0  (死亡1回目) ※死因:悲劇的かつ絶望的な未来しか見えない

9話

  • 冬馬はコンクールに出場  主人公と距離を置くように連絡をさける
  • コンクールを見た主人公は、ようやく自分が誰を好きなのか自覚する
  • 主人公、冬馬の味覚がうつり、コーヒーに大量に砂糖投入(無自覚)
  • 主人公、冬馬への気持ちを振り払うかのように、雪菜とくちづけを何度もかわす
  • 冬馬、主人公と決別するかのように向き合う (覚えた・・もう忘れない)
  • 主人公、ちゃんと確かめたいんだ。俺には雪菜だけだと、と雪菜本人の目の前で口を滑らす


こうなると、三者三様に痛みを抱えるのが分かり胸がしめつけられる。

  雪菜「私に寂しい思いをさせたら嫌だよ?
  春希「約束する。絶対に雪菜を一人にしないから」

約束をすることで自分に制限をかけ本心を誤魔化すように雪菜とキス(HP0→HP0)
無事死亡2回目(本日1回目) 死因:相手も自分も傷つけるだけの諸刃のキス


冬馬、コンクール中に主人公と雪菜が肩を寄せ合い仲睦まじい様子を見てしまう。(HP0→0)
無事死亡3回目(本日2回目) 死因:もうやめたげてよ!冬馬の気持ちをえぐらないでよ!
  
冬馬 「こっち向けよ、北原。」       
春希 「っ・・・!」
冬馬 「相変わらず冴えない顔してるな。どんだけ見ても・・・何も感じない。
春希 「今日のお前、なんなんだよ?!最近のお前、なんなんだよ!」
冬馬 「じゃあな・・・」  
春希 「冬馬!」  
冬馬 「覚えた・・・もう忘れない・・・」

 主人公との別れを決意し、大好きだった主人公の顔を胸に焼き付けようとした瞬間(HP0→HP0)
無事死亡4回目(本日3回目) 死因:冬馬の気持ちを思うと切ない
このやりとり切ないけどよかった(´;ω;`)

  

どうしてこなったです・・・

10話

  • 雪菜の誕生日 雪菜は家族と過ごしていると思っている主人公であったが、家には雪菜一人
  • 冬馬がウィーンへ行くと知った主人公、冬馬を強引にでも雪菜の誕生会へと連れ出し、別れを告げるようにと冬馬を空港まで迎えにいく。
  • 主人公、隠し抑えていた気持ちを抑えきれずに、冬馬へと感情へぶつけてしまう
  • 過去編回想へ


春希 「どうして俺の前から居なくなろうとするんだよ!どうして相談してくれなかった
     んだよ!俺ってその程度なのかよ!おまえにとって、そんなもんだったのかよ!
冬馬 「ハッ・・・お前はその程度だよ。
     その程度だから何にも言えない。海外に行くことも私がどんな気持ちで居るのかも。」
春希 「友達じゃなかったのかよ!俺たち!」
冬馬 「ふふ、言いたいことも言えない奴のどこが友達だ?」   春希 「笑うなよ。」
冬馬 「馬鹿馬鹿しい。何が俺の前から居なくなろうとするなだ。」 春希 「だから、笑うな!」
冬馬 「よくもまあそんな痛い台詞が言えるな。何様のつもりだ。」 春希 「やめろよ!・・・」




冬馬 

「そんなのはな・・・親友の彼氏に言われる台詞じゃないんだよ!私の前から先に 消えたのはお前だろう・・・勝手に手の届かないところに行ったのはお前だろう!」

冬馬

「手が届かないくせにずっと近くに居ろなんて・・・そんな拷問思いついたのも お前だろ・・。それなのに、何で私が責められなきゃならないんだ・・・。毎日毎日心えぐられて・・・それが全部あたしのせいなのかよ・・・酷いよ・・・」





春希 「だってお前俺のことなんて・・勝手に空回りして・・・諦めきれなくて・・・情けなくて・・・」
冬馬 「何でそんな風に思い込むんだよ、どうして私の気持ちわかってくれなかったんだよ」
春希 「俺なんかに分かるわけないだろ!言ってくれなきゃ・・・わかるわけないだろ!」
冬馬 「なんでそんなに馬鹿なんだよ!勉強しか取り柄がないのか!お前は!」
春希 「そうだよ俺は馬鹿なんだよ!
     冬馬みたいな奴が振り向くはずもない詰まんない男なんだよ」
冬馬 「馬鹿のくせに勝手に思いを否定するな!私がつまらない男を好きになって何が悪い!




冬馬の心の壁が壊れた瞬間。HP0 → マイナス500 
無事死亡(5回目) 死因:毎日えぐられ続ける冬馬の心

 全話通してこのシーンが一番胸が締め付けられた。

勉強はできるし気配りもできる主人公。しかし、若さゆえか、冬馬や雪菜がどう思ってるかまでは思い遣ることはできなかった。自分さえ我慢すれば丸く収まると思っていたのかもしれないが、結局はそれが冬馬の心をえぐり続け、さらにはこの場にいない雪菜の気持ちもえぐっている、なんとも悲劇的な結末に。

そして主人公自身も傷ついているのが分かり、見ていてきついものがあります。

そして、ようやく主人公と冬馬の馴れ初めがわかる回想へ。

もう見ていられないのです。オーバーキルなのです。 ~永眠~





11話

  • 前回より引き続き馴れ初めの回想    
  • 文化祭ライブの後、第2音楽室で寝てしまった主人公に冬馬がキスをしていたことが判明。これは雪菜が主人公にキスをするより前であった
  • その様子を、雪菜が見ていたことも判明
  • 主人公は翌日冬馬に、自分から雪菜に告白し交際することになったと告げる。実際は雪菜から迫ってからの交際であったが、自分から交際を申しこんだことにしていた。
  • コンクール後、冬馬はウィーンへ行くことを決意
  • 回想が終わり、主人公は冬馬を抱きしめキスをする
  • 冬馬、主人公のキスを受け入れ一度は心を許してしまいそうになるが、主人公がキスに慣れていることにハっとして、我にかえる



文化祭ライブの後、第2音楽室で寝てしまった主人公に、冬馬がキスをしていたことが判明する。このキスは、雪菜が主人公にキスをするより前の出来事であった。
HPマイナス500→マイナス750 無事死亡(6回目) 死因:ファーストキスは実は冬馬であった

冬馬のキスを見ていたのに、そのあとの主人公にキスを迫った雪菜は打算的であったように感じてしまう。しかし、それを責められるかといえば・・・責められない。
また、本当は冬馬を好きなのに、自分には無理と決めつけ諦めてしまい、そうした気持ちを振り切るように、雪菜との交際を選択した主人公は取り返しのつかない過ちをしてしまった感がある。


冬馬 

「あたしって、いっつもそうだ。自分なんかどうでも良いって、適当なことばかりやって、なのに意地を張って気持ちと逆のことばかりやって・・・、気がついときになにもかも失って・・・」



冬馬 

「やっと友達になれたんだ・・・北原・・・言いたかったこと、全部言えたもんな。何でも分かってる間柄になったもんな。友達になった瞬間、絶交しちゃったけどな。」



春希 「冬馬・・・」
冬馬 「北原・・・駄目だ・・・駄目だよ・・




冬馬 「ふざけるな、ふざけるなよ・・・」
春希 「冬馬、俺はお前の事が!」
冬馬 「何でそんなに慣れてるんだよ。雪菜と何回キスしたんだよ

HPマイナス750 → マイナス1500
無事死亡7回目(本日2回目) 死因:うますぎたキス&叩きつけられた心 

雪菜とキスしまくっていたので、なんとなく不安はあった。しかし、こういう繋げ方で視聴者の心をえぐりにくるとは・・・ハハ・・・やられた。

雪菜が少し気の毒で可哀相に思う気持ちはあるが、ようやく冬馬がちょっと報われたような気がして、嬉しくなった瞬間に、思いもしない形で突然地面に叩きつけられたような気分を味わされた。冬馬の気持ちを思うと辛い。そして、この場にいない雪菜が、彼氏が自分の誕生日に、他所で自分を裏切るような行為に及んでいるのを知らずにいると思うと、やはりいたたまれない気持ちになってしまう。

誰か死ぬしかないのデス



12話 

  • 卒業式
  • 雪菜が主人公に迫った時の心境と状況の回想
  • 雪菜の目の前で冬馬を追いかける主人公
  • 冬馬を見つけ告白する主人公


 雪菜はやはり冬馬の気持ちも主人公の気持ちも知っていた。そして、冬馬が主人公へ気持ちを伝える前のあの瞬間なら、告白すれば春希が自分の気持ちと雪菜の気持ちどちらを優先するか分かったいた。

しかし、三人の関係の維持を望んでいたため、その気持ちを抑えていたが、冬馬が春希へキスする瞬間を目撃してしまった。そのために気持ちを抑えきられなくなり告白し、関係を壊してしまった。


雪菜は自分の行動の意味もしっかり理解し、自分がエゴだということも自覚している。しかし、春希と付き合いながら三人の関係を維持することが、冬馬の気持ちをどれほど傷つけてしまうことになるかまでは想像できなかった。

 春希は自分にはチャンスがないと思いこみ、冬馬への気持ちを隠し諦めてしまっていた。三人の関係を維持するため、心がしっかり追いついていないのに、雪菜の気持ちを受け入れてしまった。


自分が雪菜と付き合いながら三人の関係を維持することを、冬馬がどう受け止めるのかまでは気づけなかった。いまさら冬馬を求めれば、雪菜をどれほど傷つけるか理解していにも関わらず、ずるずると関係を続けていた。

 
 冬馬は自分の気持ちに素直になれず、いく度となくチャンスがあったのにも関わらず、春希に自分の本心を打ち明けられず、自分の気持ちに春希が気付くのを待ってしまった。


そして雪菜から宣戦布告を受け、後がなくなるかもしれない状況が予想できたにもかかわらず、それでもやはり本心を隠してしまった。三人の関係を表面的であっても維持するため、本心を隠してしまったことが三人の心の傷をより深くするものとなってしまった。


 三人が三人ともやらかしてしまっており、誰が悪いとかそんな単純な問題ではなくなっている。雪菜が自分の正直な気持ちを打ち明けその思いを伝えることが、たとえ誰かを傷つけたとしても、誰がそれを咎められようか。


また、自分の気持ちに気付いてほしいと思う冬馬の気持ちを誰が責められようか。責められるはずがない。人間は不完全なのものである。よかれと思っていても、実は過ちをおかしていることに気付かないこともたくさんある。

次が最終話なのに、最終話がどうなるのかまったく分からない。どう転がっても誰かは傷つく未来しか
想像できない。アニメだからこそ起きる予想もしなかったハッピーエンドを期待・・・ry


もう無理だよ・・


HPマイナス1500→マイナス3000
無事8回目の死亡 ※死因:醒めない悪夢

13話

  • 主人公、冬馬へ告白後そのまま家に連れ込む
  • 雪菜からの電話で、一瞬我にかえり自分の行いを自覚する
  • 冬馬が電話を振り払い、そのまま主人公と最後まで肉体関係を持ち翌朝一人で空港へ
  • 雪菜、連絡がつかない主人公を心配し自宅へ。冬馬をおって空港へ
  • 主人公、雪菜へ全て告白。
  • 雪菜、主人公に1つを除きすべて告白 ※雪菜は本当は冬馬が好きだったという、百合告白をして主人公の心の負担の軽減をはかる
  • 空港に到着 互いをみつけてしまった冬馬と主人公、雪菜の目の前で抱擁&キス
  • 立ち尽くす雪菜は涙。 冬馬が好きだという百合告白、そんなわけないじゃないと心情告白
  • 冬馬、二人を残してウィーンへ飛び立つ、 主人公と雪菜力なく見送り立ち尽くす
  • ライブで歌ったオリジナル3曲目『届かない恋』が初披露されエンディング


 もう絶望的な未来しか予想していなかったし分かってもいたが、ポルナレフ『③・・・現実は非情だ』という具合に、主人公はどちらかとくっつくという展開さえなく、三人が三人とも深い心の傷を負い三者共倒れという悲劇的な結末を迎えました。


HPマイナス3000 → マイナス5000 無事死亡9回目※死因:三者死亡



 冴えない彼女の育て方の監督に釣られて、胸がきゅんきゅんしてブヒブヒいっちゃうようなハーレムものを見ようとして、見始めたホワイトアルバム2でしたが、胸がぎゅうぎゅう締め付けられてハアハアと虫の息状態にさせられてしまいました。


 だいぶ心をえぐられまくりましたが、作品としては面白かった。最後もアニメならではの超展開もなく、現実的で妥当な線での決着に落ち着いた。 ああなってしまっては、ああなるより他にないだろうな、という所に着地したといえる。


 冬馬は比較的ベテランの生天目さんが演じていましたがさすがだった。9話目以降の演技は迫真で
ぐいぐい引き込まれた。近年は演技力もある若い声優さんが増えているが、メインヒロインにキャリアをしっかり積んだ声優さんを抜擢したのはとてもよかったと思う。

声優の世界も、最近はアイドルのような資質も求められているようだが、作品の世界観を損なうことがないようなキャストは大切だと思う。まだまだ頑張って欲しい。


きちんと下調べもせず、ただブヒブヒしちゃうぞと気軽に見始めた作品であった。それだけに本当に思いもしない物語であった。

この深く抉るられた心を、どうにか少しでも回復するためにも、何か癒しと救いがある作品を見て心のケアができるような作品を探さないと・・・。



作品としての感想


 冬馬が、主人公を好きになるきっかけや過程は丁寧に書かれており、キャラへの思い入れが深くなるのに対し、雪菜が主人公を好きになるきっかけや、過ごした時間は少ないため、じゃっかん同じ土俵で勝負
させるには、思い入れに差が生じやすい状況であったように思う。


それも、ライブという特別な瞬間を過ごしたということで片付けることもできるが、冬馬と春喜の間に割って入るまでの感情的な強さが芽生えるのだろうかという点は、展開が展開だけに少し気になりました。

また、主要キャラ三名のみに焦点があてられ、他の脇役、特に部長の扱いなどはちょっと気の毒にwその他は総じて楽しめた。

特に、感情を揺さぶられるという点では、思いきりガツンとやられましたのでいい刺激になった。ハッピーエンドが好きな私としては、こういう悲しい結末は好みではないが、作中の舞台ではこうなるのが自然だろう思うし、物語としても筋が通ったものだと思う。


 主要三名の中では、無粋でありますが、誰が原因で一番ややこしいことになったかといえば、やはり主人公春希であろう。


好きを貫けないなら、状況が状況とはいえ、しっかりと断り雪菜と距離をおくべきだった。まして、相手が自分を好きだったと分かった途端に、すべてが見えなくなってしまったかのように、冬馬へと突っ走ったのは大きな過ちである。


ただ、それさえ高校生の若者に要求するのは酷だと言える。この作品は、本当に誰のどこをとってみても、救いようのない物語になるしかなく、猛烈に心に痛みを覚える辛い作品だった。