実質賃金があがるタイミングはいつ頃か | ながめせしまに@無為

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これ知るを知るとなし、知らざるを知らざるとなす。これ知るなり。

 実質賃金は2014年4月の消費増税による影響もあってなかなか回復していません。

この事をおそらく理解している(?)にも関わらず、民主党や一部の専門家は殊更にこれを強調し
一刻を争うかのような深刻な問題であるかのように声高にものをいいます。
いっけん庶民の心情を代弁しているかのような意見に聞こえますが、3年半も何もできずに
選挙公約を尽く破っていた党がいうのですから説得力を欠き辟易してしまいます。

リンク「日本の解き方」 賃上げ完全雇用か 消費増税による景気悪化か 後者なら追加緩和必要に

実質賃金が増加傾向に転じそれを実感するタイミングについて上記のリンク記事で解説して
いますので、簡単に要約してみます。

 実質賃金については、完全雇用(働く意思のある人が全員雇用されている状態)になるにつれて、
名目賃金の上昇がインフレ率を上回り、その結果、上昇していく。結局、雇用情勢がどうなっていく
のかがポイントである。

①楽観シナリオ  あと半年~1年程度で完全雇用
            波及プロセスは都市部→地方  大企業→中小企業

②厳しめシナリオ  あと半年~1年程度で完全雇用になるという見通しは崩れてくる。
             ∵今の雇用改善が、昨年4月からの消費増税の悪影響が出る前までの
              経済の勢いを反映している可能性もあるため。

 筆者は、後者のほうの可能性がやや高いと考えている。というのは、本コラムで再三指摘してきた
GDPギャップ(需要と供給の差)が消費増税によって拡大したにもかかわらず、補正予算はそれに
応える規模ではなく、完全雇用への道が遠回りになったと思っているからだ。
実際の経済が、どちらのシナリオに沿って動くかどうかはわからないが、後者の場合であれば、
今年の後半に補正予算や追加緩和が必要になってくるはずだ。

  ただし、動きはゆっくりであったが、これまでのところ、金融緩和によって、雇用が拡大してきて、
一部の業種では人手不足となって賃金が上がり始めたのは事実である。大企業でのベースアップ
要求はその流れで理解できる。中小企業や地方への波及は時間の問題であって、政策の方向性は
間違っていない。金融緩和を 否定した民主党は指をくわえて見守るしかない


高橋先生は以上のようにまとめ、実質賃金の指標がプラスに転じるタイミングを2つの場合を
想定しているようです。②のほうが可能性としては高いかもしれないとし、そのうえでその場合に
政府は補正予算や追加緩和で補うことで対策できるとしています。

先の選挙で消費税10%は延期されたことから、あと1年程度で実質賃金の指標が改善されるか
どうかははっきりとすることでしょう。完全雇用に着目しそれが2~3%程度になる頃合いだと
考えておけば良さそうです。


※実質賃金=名目賃金を消費者物価指数で割った賃金のこと