スポーツ・バイオフィードバック/ニューロフィードバック研究のためアメリカへ③

 

 

前回からの続きです

 

いよいよセミナーの開始時間になり,私は会場となる部屋に入っていきました.

ニューロフィードバック バイオフィードバック

すごい熱気!(ひるんじゃいけない!)

 

スポーツバイオフィードバックの集会にこんなに人が集まるなんて日本では考えられないですね.

 

同時期に同じ施設内で開催されている「応用スポーツ心理学会」からの参加者が多いのだと思います.

 

…私はこの時,1つのルールを自分の中に課していました(スクリーン左横はフランク氏).

スポーツ ニューロフィードバック

それは,ウィルソン博士を発見したら何も考えず,まっしぐらに先生の所に向かい,挨拶をするということでした.

 

最初のチャンスを逃すと一気にその後あきらめムードが自分の中で漂ってしまうと感じたからです.

 

しかも,セミナーが終わった後に挨拶に行ったとしても,

 

参加者が博士の所に押し寄せて,きっと無理だろうと想定していたからです(後にこの選択は正しかったです).

 

↓博士発見!(左から3番目の女性.左から2番目はカナダのスノーボード金メダリスト・カルヴェ選手.

 

右から2番目はザイコウスキィ博士…早稲田大学で博士の講演を聴いたことがあります)

スポーツ ニューロフィードバック

さあいくぞ!

 

私は心の中で,日本からわざわざ来てるのに「このまま黙って帰るのか!」と常に言い聞かせていました.

 

そして博士の所に向かって歩き始めた…がっ,その時!

 

「やあー」と別の方向から声がかかり,

 

見ると,ソートテクノロジー(世界的バイオフィードバック機器メーカー)のゼネラルマネージャーのフランク氏.

 

(フランク氏)

「フランクだよ!覚えてる?日本で僕たち会ったよね」

 

(私)

「もちろん覚えてますよ!お元気でしたか?

 

…新しい商品がいよいよリリースされるとのことで今回楽しみにしていたんですよ…」

 

のような会話をしたと思いますが,私はドラマのような肩すかしの展開に焦り始めました…

 

(…博士に挨拶する前にセミナーが始まってしまう!)

 

(フランク氏)

「そうだ!ちょうど良い機会だから,あなたにうちの役員を紹介しますよ!」

 

と,話を切り上げるどころか,さらに話はあらぬ方向に…

 

(名刺交換をしながら)

 

(クレイン氏)

「クレインと申します.日本で我々の商品の有用性の普及に務めていただきありがとうございます」

 

(私)

「いえ,私の方こそ,素晴らしい商品をいつも提供していただいてありがとうございます」

 

(クレイン氏)

「実は私も日本には年に1回仕事で行っているんですよ…えーと,あっ池袋だ!…」

 

(…まったくもってまずい,もう本当にセミナーが始まってしまう!

 

後で分かったのですが,クレイン氏はソートテクノロジーの創設者のお一人でした)

 

このままでは博士に挨拶ができないと思ったので,クレイン氏と話している最中に,

 

クレイン氏から博士を紹介してもらうという流れに持っていこうととっさに思いつきました.

 

(私)

「御社の製品はどれも素晴らしく,特にウィルソン博士の開発したソフトがとても使いやすく気に入っています!」

 

(クレイン氏)

「そうでしたかー,博士はあちらにおられますよ!(…知ってますがな~顔)」

 

(博士の方を向きながら)

 

(クレイン氏)

「スー!(ウィルソン博士のミドルネーム),

 

こちらは日本から来たドクター・ツジです.なんでもあなたのソフトが大変気に入っているそうですよ」

 

しめた!やったぜ!!

 

(博士)

「そうでしたか!はじめまして,スー・ウィルソンと申します,お会いできて嬉しいです」

 

(私)

「私の方こそ!あのソフトは大変素晴らしく,よくあのシステムを開発されましたね…」

 

このソフトとは,ストレスプロファイル専用ソフトで,様々な種類のストレスをかけながら自律神経や脳波の測定が可能.

 

徹底的に臨床現場で使われることを想定しており,とにかく使い勝手が良く,

 

測定したデータはエクセルに変換可能で,すぐにグラフ作成できるという優れもの.

 

(私)

「日本にはこの分野の専門家がおらず,測定に関して色々とお聞きしたいので,

 

差し支えなければ,ご連絡先を教えていただけないでしょうか?」

 

(博士)

「どうぞどうぞ,何かご質問がありましたらこちらにご連絡下さい」

 

ウィルソン博士とのつながりが持ちたい私は,

 

この日のためにインスタントで作った手作り感満載の英語の名刺を渡し,先生のアドレスを無事ゲットしたのでした!

 

(↓その時の写真…一生の想い出となりました顔)

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(スポーツ・バイオフィードバック/ニューロフィードバックの第一人者であり,

 

ストレスプロファイルの開発者でもあるウィルソン博士と)

 

…そうこうしているうちにセミナーが始まりました.

 

私は他の先生の話に耳を傾けながら今の時点で来て良かったーと半ば安堵の気持ちに包まれていました顔

 

そして,待ちに待ったウィルソン博士の出番です!

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博士のお考えは至極まっとうで,日本のニューロフィードバック分野に多く見受けられる胡散臭さは全くありません.

 

それは,やはり基礎生理学にあたるバイオフィードバックの中の1つのカテゴリーとして

 

ニューロフィードバックが存在するとお考えだからです.

 

…博士は情熱家で,話がとてもお上手です.

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博士の講義が直接聞けて夢のような時間でした顔

 

この左端の方がクレイン氏です顔

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カナダの金メダリストにストレスプロファイルの実演を行う準備をしています.

 

額に巻いているバンドは,表情の緊張レベルを測る筋電図です.

 

よく間違われるのですが脳波計ではありません.

 

逆にこの部分でおもちゃの脳波計のように

 

脳波を測ってしまうと表情筋の活動を多分に拾ってしまい,うまく測れません.

 

…実際のデータを一目見て…脳の覚醒が高すぎるな…

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さらにストレス状態で高ベータ波が増加している…

 

完全な高覚醒,不安症タイプ.

 

ウィルソン博士の見解も全く私と同じでした.

 

正確には,心理アセスメントも同時に行わないと詳細は分かりません.

 

不安症状ではなく,ただ脳の活動量が多いためにベータ波が優位な場合もありますので.

 

いずれにしてもこういった脳波タイプでも金メダルを取っているのはすごいですね.

 

自律神経データを見せてもらうと,なるほど!ストレスリカバリー能力が高いですね.

 

不安に陥ってもそこから立て直すのが上手なことがデータからうかがえます.

 

せっかくなのでカルヴェ選手に話しかけてみました顔

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(私)

「データからかなり高覚醒な脳のタイプですけれども,試合前とか硬くならないですか?」

 

(選手)

「全くその通り!いつも試合前になると硬くなってしまって,いかにリラックスするかということに専念しているんです」

 

(私)

「試合前のHRV呼吸(心拍リズムに合わせた呼吸法)など体質的に非常に効果がありそうです」

 

(選手)

「必ずやります.HRVは普段からも一人でトレーニングしていて,試合前には本当に欠かせないんです.

 

ストレッチなどで身体を解すだけじゃ限界があるんですね」

 

などのようなことを話し,

 

後は普段彼女が行っているニューロフィードバックのトレーニングについても色々と教えてもらいました.

 

私がトレーナーだったらやはり同じようなトレーニングをするなと思いました.

 

今回のセミナーに参加して,

 

やはりストレスプロファイルはこれからのトレーナーにとってはなくてはならないツールになると再認識しました.

 

ストレスプロファイルから脳や自律神経系パターンを割り出し,最適なトレーニングを提供する.

 

さらにストレスプロファイル,バイオフィードバック,ニューロフィードバックの研究に邁進したいと思います.

 

…さてさて大幅に終了時間を過ぎ,今回のセミナーもお開きの時間となりました.

スポーツ ニューロフィードバック

この時点で夜の11時過ぎ,セミナーが終わっても予想通りウィルソン博士の周りには挨拶に訪れる人が絶えません.

 

これを予想していたので私は初めに挨拶を済ませておいたのでした顔

 

ぽつり,ぽつりと人がいなくなっていき,いよいよ部屋は撤収作業に移り始めました.

ニューロフィードバック バイオフィードバック

しかし!そこにはまだウィルソン博士が数人と残って何か作業をしています…

 

ここで私は「このまま帰るのか?」という自分の心の声に反抗すべく

 

「帰るわけには行かない!チャンスだ!」と

 

イチかバチかの行動にで出るのでした…

 

こんなこともあろうかと,今日のために用意していた自分の測定データを先生の所に持っていったのです.

 

とにかくこの国ではきちんと自分がやっていることを口に出して伝えないと

 

何もしていない,または興味がないと思われてしまうからです.

 

(私)

「ウィルソン博士!先生のソフトを使ってデータの測定をさせていただいているのですが,分からない点がいくつかあります.

 

もしよろしければアドバイスをいただけないでしょうか?」そんなことを口にしたかと思います.

 

ウィルソン博士は開口一番,

 

「Sure !(もちろん!)」と言って快くアドバイスをしてくれました顔

 

次第に私の真剣さに気づいていただいたようで深夜12時近くまで熱心にアドバイスをしてくれました顔

 

施設の方から「もう本当に建物を出てもらわないと困ります」と言われ出て行くことにしました.

 

私は本当に感謝の気持ちでいっぱいでした顔

 

そして,博士にお礼を告げ,帰ろうとしたその時…

 

博士から思いがけないことを言われたのでした!

 

「あなた,………」

 

…つづく…

 

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