火の呼吸で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です.
~ 前回の続きです ~
…結果は…
ドローでした!
(試合後に藤澤選手と)
今回は,過去に勝木選手に負けているというトラウマとの戦いでもありました.
それも1ラウンド劣勢からの逆転ドローでしたので,とても精神的にタフな試合を耐え抜いたと思います.
勝木選手は噂通りとても強い選手でした.
苦手意識を克服したということは,とても大きな自信につながります.
今回は,メンタル的には勝利といってもよろしいのではないでしょうか.
…しかし,トラウマ記憶というものは本当に厄介なものですね.
いわゆる,苦い体験というものが強く脳に記憶として刻み込まれたものがトラウマとなり,
何十年と前の出来事であっても
似たようなシチュエーションに遭遇すると生命危機ともいえるようなストレス反応を引き起こします(フラッシュバック).
トラウマは脳の「扁桃体」が大きく関わり,
トラウマ体験はやがて大脳のあらゆる場所でその時の臭いや情景,色,天候などと一緒に記憶されていきます.
脳は,過去の苦い体験と目の前で起きている似たような体験の区別がうまく行えず,同じ体験として認識してしまい,
ストレス反応を引き起こすことで,その状況から一刻も早く闘うか逃げるかの準備をし出します.
これは,人間が狩りをして生活していた時代ならありがたい機能なのですが,現代のような文明社会においてはかなり厄介といえます.
それはつまり,人間の脳の古い部分は,縄文時代とさほど変わらず,そのまま文明だけが急激に発達してしまったために,
動物としての人間だけが置いてきぼりにされている状態といえます.
トラウマが邪魔なら,「扁桃体」の機能を抑えるのが良いのではないかと?という声も聞こえてきそうですが,
「扁桃体」がないと人間は生きていけないことになります.
…ケガ人が続出することになるでしょう.
それは,例えば,火を触れば熱い,高いところから落ちると痛い,海に潜り続けると苦しい,虎に噛まれると大怪我をするから危険…
…などなど,こういった当たり前に生きていく上での情報はトラウマ記憶のおかげでもあります.
要は,生命危機と誤認識されるような過剰興奮が問題といういことになります.
アメリカもベトナム戦争の帰還兵のトラウマ問題でずっと悩まされてきました.
特に兵士が持ち帰ってきた大麻などの影響でその後,アメリカは深刻なドラッグとの戦いを強いられることになります.
兵士たちは,ベトナム戦争で患ったPTSD(心的外傷後ストレス)を少しでもドラッグで和らげたかったのかもしれません.
現在もイラク戦争の帰還兵の問題を抱えています.
その流れから,アメリカは現在,トラウマ記憶自体を消す薬を開発中との噂があります.
兵士だけでなく,あらゆる分野の人間が脳に2つ存在する「扁桃体」というわずか1.5センチほどの器官に
人生をコントロールされているといっても過言ではありません.
競技スポーツにおいても,アスリートのプレッシャーのほとんどが過去のトラウマから来ていると推測されます.
横綱でさえ,いつも決まった格下の力士に負けることも少なくありません.
様々な要因により苦手としているのだと思われますが,
やはり過去の苦い体験から,「また負けたらどうしよう…」という思考が頭の片隅に湧き上がり,
取り組みの直前にそれが大きくぐるぐる駆け巡っていくことになります.
生理学的には,「扁桃体」の制御がトラウマ記憶の抑制に大きく関与していると推測されています.
脳には,「扁桃体」の働きを抑えてくれる部位が存在します.
アメリカの医療機関では,その部分を刺激することでトラウマや不安障害の治療として取り組まれています.
トラウマ記憶はパソコンのように削除することはできません.
しかし,その周りに張り巡らされている神経ネットワークは書き換えることは可能なのです.
一般的に広く行われている認知行動療法もこういったことをねらったトレーニングといえます.
より直接的な方法としては,
「ニューロフィードバック(サイバー・ヨガ )」という脳波のトレーニングで強化・改善をはかっていきます.
スポーツ心理学の分野もトラウマや「扁桃体」と真正面から向き合って改善策に取り組んでいただきたいですね.
一番重要なことであり,最も力を入れるべき問題だからです.
「勝ち」を意識し過ぎてパフォーマンスが低下するのもほとんどのケースにおいてトラウマによるものといえます.
ソチ・オリンピックでの浅田真央選手の初日と二日目の演技が別人に見えた のも,
勝ち負けのプレッシャーから解放された「扁桃体」の沈静化によるものと推測されます.
どんなに高いスキルを持っていても,「扁桃体」が過剰興奮してしまうと,
交感神経の活性化により,様々なストレス反応が引き起こされ,練習での実力の半分も出せなくなってしまいます.
ですので,競技スポーツにおける真の対戦相手は,競技相手ではなく,自分自身の「扁桃体」なのです.
…自分に打ち勝つ=「扁桃体」に打ち勝つ…
P. S. ①
「後楽園遊園地」の観覧車を見ていると,「よみうりランド」に行きたくなってきました.
「よみうりランド」はアクセスはさほど良くないですが,様々な企画イベントでお客さんの誘致に成功していると思います.
冬のイルミネーションはとても綺麗です.
夏はないのかと調べていたら,ほたる観賞会「ほたるの宵」が7月1日まで行われているようです.
…行ってみたいですね.
国分寺のイメージキャラクター「ぶんじほたる ホッチ」にも会えるそうです.
このキャラの存在は初めて知りました.
…実は,こうした現在の「ゆるキャラ」ブームは奈良の大仏と同じ原理・法則が働いているってご存知でしょうか?
アンパンマンやドラえもんも同じです.
まん丸で大きな頭をした笑顔の表情(赤ちゃんや子供も同じ)を見ると「扁桃体」の興奮が抑えられるのですね.
奈良の大仏の建立により,飢饉が収まったというのも,
「扁桃体」の沈静化により,交感神経の活性が弱まり,免疫系が正常化したと考えれば不思議ではありません.
逆に人の怒っている表情を見ると「扁桃体」が興奮することは多くの研究により明らかです.
ですので,ここ一番でベータ波が増えるタイプは,ゴング前に対戦相手の表情は見ない方が無難といえます.
逆にシータ波が増えるタイプは,しっかり見て覚醒を高めた方が良いかもしれません.
P. S. ②
…昔,今は亡き?「NOVAうさぎ」が,つくばの研究学園都市駅に遊びに来るというチラシが入っていたため,
当日会いに行ったものの,いくら待っても現れないという苦い体験がありました…(トラウマ体験).
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