火の呼吸で一生負けない脳をつくる無敗脳ヨガ道場の辻です。
ヨガを熱心に取り組んでいると身体が柔らかくなっていきます。
しかし、だからといって試合などで、力まない身体になれるとは限りません。
柔軟性と「力み」の間には、あまり関係性がないからです。
「力み」とは、身体に余分な力が入ることにより、動作がスムーズに行えない状態のことです。
特に、肩や腕にかけて過剰な力が加わると力み動作になります。
理想的な動作は、下半身の力が腰を通って腕に伝えられる状態です。
力むと、下半身からのエネルギーが肩でストップしてしまいます。
腕の力は、足や骨盤、体幹部で生まれるエネルギーに比べると非常に小さいものです。
ピッチャーやバッターが足を固定したまま腕だけで動作を行っても、速いボールを投げたり、遠くまでボールを運ぶことはできません。
ここに腰のひねりや足の体重移動が加わると、とても大きなエネルギーが末端の腕に伝えられます。
では、どうして肩や腕に力が入ってしまうのでしょうか?
①普段の生活で腕の力に頼った身体の使い方をしていることによる身体のクセ
②緊張による交感神経の活性化が引き起こす筋肉の収縮
これらの要因により、「力み動作」が起きてきます。
①は、普段の生活の中で肩に力が入っていることに気づく練習が必要になってきます。
ACミランや海外のオリンピックチームでは、
肩に筋電図を貼り、筋肉が緊張しすぎると自動的に音を鳴らし、普段から肩の力みをなくすトレーニングをしています。
また、実際のスポーツ動作中に様々な部位に筋電図を貼り、力みを生み出している筋肉を探し出していきます。
肩の力を抜くトレーニングとして最適なのが古武術の稽古です。
実際に動く相手を力まずに投げたり、力んでいると先生や先輩に指導していただけるからです。
ですので、「力み」を感知してくれる筋電図も必要ありません。
元々、力みの少ない動作を得意としていた日本人ですが、欧米型の生活スタイルが入ってきたことにより、動作が崩れるようになってきました。
その結果、肩こりで悩む人が増えてきた可能性が考えられます。
昔の農民の方々は、何時間も少ない食料で動き続けてこられたのも、力み動作が少なかったからだと考えられています。
宮本武蔵も、二刀を使っていましたが、片手で刀を使いまわすのは腕の力だけではほぼ不可能です。
すぐに疲れてしまいますし、あまり大きな力も出せません。
体全体で自在に操っていたことが伺えます。
しかし、徹底した肩に力が入らない稽古を積んでいても、本番で緊張してしまうと、元の腕の力に頼った動作になってしまいます。
緊張すると、特に肩(僧帽筋)と眉間の筋肉が収縮するからです。
これらの筋肉の過緊張は、手の汗の発汗と皮膚温の低下とも相関関係にあります。
ですので、緊張している時こそ、肩の力みを抜く必要があります。
ただ、緊張を生み出している要因は、「結果(予期不安)」を意識することで、過去の失敗体験(トラウマ記憶)が生み出され、
脳の「扁桃体」が活性化するところに起因します。
つまり、その場で筋肉をリラックスさせる自己コントロール法は水際作戦にしかなりません。
大もとの脳の「扁桃体」の興奮を抑えたわけではないからです。
「扁桃体」を興奮させないためにも、過去や未来ではなく、「今ここ」に集中することがとても重要です。
このことは、本番での力み動作を捨てることにおいてかなり重要なことです。
いくら身体が柔らかくても、実際のスポーツ動作時(特に腕を動かす時)に力んでしまっては、全く意味がありません。
それは、身体は柔らかくても動きが硬いからです。
ヨガの実習により柔軟性が向上しても、それは「力み」の減少にはつながらないということです。
柔軟性の向上と、「力み」を捨てるトレーニングは別物と考え、
さらに「力み」を捨てる練習も「動作系力み」と「精神系力み」に分けてトレーニングする必要があります。
「力み」を捨てるトレーニングとしては、ストレッチ系のヨガのポーズは不向きです。
しかし、ハードなヨガ・エクササイズを行うことで腕力に頼らない動作を身につけることが可能です。
おすすめは、クンダリー二ヨガの「ヨガ式プッシュアップ 」です。
詳しいやり方は、現在、発売中の武道専門誌『月刊 秘伝
』8月号に載っています。
このエクササイズを、腕力ではなく、骨盤主導で行います。
腕に頼った動きの場合、すぐに疲れ、心拍数が上がり、息が乱れ、汗をかきます。
こういった兆候が出てきた場合は、力み動作ということになります。
流れる水のようにかなり速いペースで行います。
骨盤主導で正しく行えていれば、100回行っても、ほとんど息が乱れません。
私も普通に会話をしながら100回行うことができます。
これは、本当にやりこんでコツをつかむしかないといえます。
このエクササイズは、「辛い」とか、「しんどい」という雑念が湧いてきても、
それを放っておいて、身体の内部変化(体液の流れなど)に意識を向けます。
瞑想するかのように流れる水のごとく行うのがポイントです。
本とかで説明しますと、どうしても見える部分でしか伝わらないのが難点でもあります。
しかし、欧米式のヨガと異なり、本来のヨガは、こういった目に見えない部分がとても重要なのです。
世阿弥の「風姿花伝」、幽玄の世界です。
本日も最後までお付き合い頂き、ありがとうございます。
東京都 港区 田町【無敗脳ヨガ道場】辻でした。
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