時にはふつうの言葉が心に沁みることがある。悲しいことがあったとき。自分の非力さにうちのめされているとき。今日の日が現実ではないような気がするとき。ただのありふれた、ただのひとこと。だけど、それがとても。

いつもの言葉。「おはようございます」
いつもの笑顔。「元気?」
たとえ誰に対するものであっても。「ありがとうございました。またお越しくださいませ」

「あ、おはようございます」。返すその言葉で、昨日と同じ自分があらわれる。日常が、目の前に戻ってくる。
そうやってふだんの言葉でやりとりしている間に、心のほころびをつくろったりしている。

「どうぞ」「この書類、頼む」「また明日ね」……
 

オリンピックのサッカーは残念でしたね~。土曜日は、我が家もテレビの前で「それっ、そこだっ」と体を乗り出し、こぶしを振り回しておりました(笑)。
試合は夕方だったので、私と母は途中で重い腰をあげて、台所に行って夕飯のしたくを始めたんですが(私が台所に立ったのは1年ぶりか?)、廊下のむこうから父の応援する声がずっと聞こえていました(^^;)

ひときわ父の「あーっ、おしい!」と大きな、残念そうな声あがったとき。台所の窓から、向かいの家の男たちの「うぉ~~~っ!(その後の言葉は、複数で叫んでいたため、解析不能)」という叫び声がとびこんできました。同時にうらの家からも「残念―っ」というおばあちゃん、子供たちの声が。おうおう、みんなサッカー見てたのね!

みんなが同じものを見ている。それがなんだか久しぶりな感じがして。みんなの大騒ぎがおかしくて。私、思わず笑ってしまいました。なんかいいね、こういうの。
 

酒をのみ
タバコをのみ
涙をのむ


(1980年代、『詩とメルヘン』に上丈西紀名義にて掲載)

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電車が故障や事故で遅れると、車内に「お急ぎの皆様には大変ご迷惑をおかけしました。おわび申し上げます」とアナウンスが入る。最近は風当たりでも強くなったのか、「深くおわび」「心よりおわび」するようになった。でもさ、本当におわびする気があるなら、そんな上っつらの言葉より、現金で表わしてくれよ鉄道会社サン(笑)

いつも不満に思っていること。電車が故障で止まったとき、なんでお金を払い戻さないの? 1時間遅れたために百万の商談をフイにした人がいる。飛行機に乗り遅れた人もいそう。チケットに3万円もしたオペラを見逃したら、私はきっと訴えるぞ。故障で一定時間以上遅れたら、乗客にせめて半額返金くらいすべきでしょ。

あと人身事故。これ、事故をおこした人(身内)は、何百万もの賠償金を払わされるらしい。でもこのお金、どこへ吸いこまれてるの? いちばん迷惑をこうむった乗客には1円も届いてないけれど……???
 

スーパーは秋の新商品の山。新しいお菓子もいっぱいです。Franの森いちご味、小枝のマロン味、ふたたび姿をあらわしたムースポッキー。チョコチップ・クッキー……
それらをぜんぶ買いこんで、いそいそと帰宅。コーヒー片手に、至福のひと時をすごしました。

それが一気に冷めたのは、歯をみがいていた時。ブラシが奥歯にしみるのでイヤ~な感じに。鏡を見て青くなりました(^^;)
歯の横に、なんか茶色い点がポツポツ。指でさわってみると、表面全体がザラザラしている。エナメル質のツルツル感はどこへ? もしやこれは虫歯?(大汗)
ああ、半年前みんな治したばかりなのに。いつも「今日から甘いものは食べない。歯も1日3回みがく」と固く誓うのですが、治療が終わると3日で忘れてしまう私。もう虫歯になるなんて。

フランスの短編で、虫歯菌が、ある男の歯を見事な彫刻に彫りあげていた、という話を読んだのを思い出しました……
 

道の真中に、工務服のおじさんが一人、立っていました。おじさんは新棟を見あげていました。
誰かと仕事の確認をしているのかな? なにをチェックしているのだろう? 私もつられて見上げてみました。ガラスのはまった窓、手すりのついたベランダ。誰もいません。7階まである建物が、静かにそびえているだけです。レンガとガラス、直線と曲線を組み合わせた、現代的なデザイン。

ふと、感じました。
<……ああ、きれいな建物ができたなぁ>

それで、おじさんも、たぶん私と同じことを考えているのだろうということに、思い至りました。
2年前は何もなかった。土台からみんなで造った。毎日。少しずつ。それがここまで出来た。きれいに、立派に出来あがった……。

達成感、だと思います。おじさんの背中からは、ひと仕事をなしとげた人の、しみじみと満ち足りた気持ちがにじみ出ていました。

うす闇の中、見上げていた後ろ姿を、今もはっきり覚えています。
 

私の職場が、新棟を増設しました。工事に着手したのは平成10年秋。完成は今年の春。今は人の移動もほぼ終わり、新しい建物特有のにおいの中、仕事を再開しています。

最初のころ、覆いの細いすき間からのぞくと、深くえぐれた土から鉄骨が何本もつき出ていました。何日かおきにのぞいてみましたが、あまり変化がないので、そのうち見なくなりました。
ふだんの道は通れなくなりました。離れの棟が1部屋つぶされ、そこが仮の通路になりました。仮設の階段は、歩くたびにグラグラしました。
1年以上も、地震のように揺らされたり、変な臭いをかがされたりしてました。不自由な毎日でした…(^^;)

去年の秋ごろ、覆いがとれました。造りかけの建物がだんだん形をなしていく姿は面白く、現金なもので、それからはどんなに妙な臭いが漂ってきても、気にならなくなりました(笑)

建物がほぼ完成した、ある冬の夕方のこと。私は仕事を終え、職場を出ました。
 

先日、ウズベキスタン民族歌舞団を観てきました。中央アジアの真中にあるウズベキスタン共和国。まわりの国はイラン、カザフスタン、ロシア、モンゴル、中国など。その影響か、服も音楽も、いろいろな文化をミックスしたようなかんじでした。ホレズム芸能というそうです。

男性(演奏者)は、騎馬民族みたいな(羊の?)毛の帽子をかぶってました。腰まである上着に、ズボン、膝丈のブーツ。楽器はシタールによく似たタール、大きなタンバリンのような太鼓(両手で持ち、親指以外の8本の指で打つ)などがありました。

女性(舞踏手)は、腰まである黒髪を、いく房もの三つ編みに。金の飾りがいっぱいついた帽子が髪に映えます。あざやかなドレスの下にはズボンを。手のひらをヒラヒラさせ、時々頭のてっぺんに響くような「ァアッ!」というかけ声をあげながら踊っていました。

生命力に満ちた舞台でした。
 

だれかが書いていました。「子供のころ、虫の声は、星が鳴いている声だと思っていた」と。

秋の気配がただよい、草むらから虫の声が聞こえてくるようになりました。夜になると声は数を増し、耳がジーンとするほどです。でもいい声! 音が光っています。もし星が輝くとき、なにか音をたてるとしたら、本当にこんな音がするのではないかな……

『天使のみつけかた』(おーなり由子著、新潮文庫)には、いろいろな天使が紹介されています。すなお天使、アイデア天使、雨ふり天使 etc.
もちろん音楽の天使も。この本によると、音楽の天使は、音楽だけでなく、日常の音も大好きなんだそうです。雨の音、グラスのマドラーの音から、おせんべいをかじる音、お風呂を洗う音までみんな好き(笑)。自分好みの音なら、「面白そう」とやってくるのだそうです。

虫が美しい声を響かせているとき、私のそばで、音楽の天使たちも耳を傾けているのかもしれません。