時にはふつうの言葉が心に沁みることがある。悲しいことがあったとき。自分の非力さにうちのめされているとき。今日の日が現実ではないような気がするとき。ただのありふれた、ただのひとこと。だけど、それがとても。

いつもの言葉。「おはようございます」
いつもの笑顔。「元気?」
たとえ誰に対するものであっても。「ありがとうございました。またお越しくださいませ」

「あ、おはようございます」。返すその言葉で、昨日と同じ自分があらわれる。日常が、目の前に戻ってくる。
そうやってふだんの言葉でやりとりしている間に、心のほころびをつくろったりしている。

「どうぞ」「この書類、頼む」「また明日ね」……