
南のある小さな島に、ティオという男の子がいました。お父さんはホテルを経営していて、ティオはお父さんの手伝いをしたり、友達と遊んだりしていました。
これは、ティオが出会った色々な人たちのお話……
ファンタジーではありますが、いわゆる魔法や妖怪が出るファンタジーではなく、まるですぐそこにある島の、ちょっと不思議で、ちょっとおかしみのある話を聞かされている、というかんじでした。
絵ハガキを売る男がくれたハガキ。いじわるをする島の神様。イタコのようなおばあとの会話。道路にあるいいつたえ。葉っぱをふいて屋根をつくり、木を彫ってカヌーをつくる生活。
目に浮かぶような、子供たちの海での遊び。大地に根ざした想像力。
それは、著者がハワイや沖縄に住んでいたことと、無関係ではないでしょう。
私にも、島への招待のハガキがティオから届かないかな。
青い空を見上げながら、本をとじました。
第41回小学館文学賞受賞。
文春文庫(470円)
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「庭に植えるならハーブか、実のなるものだけ。花は食べられないから、いらない」
――長年の私のこの考えを変えてくれたのは、ターシャ・テューダーという老婦人です。
ターシャは1915年生まれ。結婚後、4人の子供を産み、離婚。絵本作家で生計をたてて子供を育て上げました。
そして、バーモンド州の南部に30万坪の土地を買い、かねてから念願の、19世紀風の自給自足の生活と、庭造りをはじめました。
しゃくやく、オールドローズ、水仙、アイリス……ターシャの庭は、色とりどりの花が四季をつうじて咲きみだれています。
ルピナスのあわく、また深い色あい。
チューリップのつぼみの優雅なフォルム。
いちめんのデイジーが風にゆられてそよぐさま。
ワスレナグサの青いじゅうたんに点々と散らばる、黄色いタンポポ。
花々は、あくせく日々をすごす私たちに、うっとりと微笑みかけ、美しいと感じる心を取り戻させてくれます。
まさにターシャ自身が言うように、「この世の楽園」です。
先日TVで見たとき、ターシャは90歳でした。にもかかわらず、元気なことといったら驚くほどでした。足腰が痛いといいながら、毎日庭を見回り、鳥の世話をし、コーギー犬に声をかけ、午後4時半のお茶も欠かしません。
「あそこにローズマリーを植えたらどうかしら」。次々と新しいプランが出てきます。
今日もターシャは、花の世話をしているのでしょう。花に話しかけ、花はそれに答えて花びらを輝かせていることでしょう。
ターシャはきっと、自然の美しさをこの世の人々に教えるために地上におりた、緑の指の天使にちがいありません。
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コーヒーといっしょに、ビスケットを食べるのが好きです。
薄焼きで、サイズはカップよりほんの少し大きめ。これを、カップの上にのせて、コーヒーとともにいただきます。
上に乗せていると、淹れたてのコーヒーの熱が伝わり、ビスケットがほんのりとあたたまります。中にクリームが入っていても、溶けることはありません。甘い香りがよみがえって、むしろおいしいです。
また、ビスケット蓋代わりになっているので、カップの飲み物も冷めにくくなります。ふだんよりも時間たっぷりに、熱いコーヒーが楽しめます。
図書館から借りてきた本を取り出し、ページをくりながら、コーヒーを一口、ビスケットを一口。
ゆっくりとした時間が、過ぎていきます。

たまっていたTVドラマの録画を、午前中、見ていました。
『海猿』9話目。
同僚の死にうちのめされた仙崎(伊藤英明)が、苦しみ、そこからどのようにして立ち直っていくのか、という回でした。
上司の過去が明かされ、それと照らし合わせて自分を見つめなおす仙崎。最初はおバカな面しか見えていなかった仙崎の、その後見えてきた仕事の横顔を、理解し支えていくようになる環菜(加藤あい)。うーんいい話じゃないの、泣けてきたわ。
と、そこへ。
ピンポーン。
いいところだったのに~。ビデオを中断して玄関へ。
「こんにちはー」
野菜のマークのトラックが、家の前に停まっていました。家族が週1回配達をたのんでいる、有機野菜の宅配でした。
「はい?」
私が出ると、若いお兄ちゃんは、
「今日は、回収する箱はありますか?」
そう言うと、私の顔をちらっと見て、すぐ目をそらせました。
「あ、ないみたいです」
「これ、次回のリストですので」
「はい」
「それじゃ」
兄ちゃんは、視線を合わせないまま、用件をすませるとサッサと帰っていきました。正味10秒くらい。
「ごくろう……さまでした……」
まったく今ドキの若いもんは。ちょっとアンタ。商売してるんなら、ちゃんと客の顔を見て応対しなさいよ。笑顔のひとつも作るのが社会人としての礼儀でしょ。
と、胸の中でブツブツ言って。
はたと立ち止まりました。
もしかして、私の目、真っ赤……???
『海猿』でティッシュ5枚使っていた私は、充血した目、はれぼったいまぶた、赤い鼻という、見事に“泣きはらした顔”になっていたのでした。
兄ちゃんゴメン、気を使ってくれてたのね……(^^;;;

ツバメは もう とうにいない
白くきわだっていた 雲も
ついに 疲れて 散らばり
空も その青を ゆるめている
熱をうしなった 太陽は
風に
季節の 終わりを 告げさせた
それでも
遠くになった セミが 鳴いている
自分はまだ ここにいる と
そして 子供たちは
走ってゆく
よろこびで 体を みたし
永遠につづく 夏の 中を

最近の美術館は、トイレまで手を抜かないので、一見の価値があります。
ラリック美術館のトイレは、天井が高く、広々していて、開放感があります。
もちろん個室もゆったり。膝がつかえるトイレだって世の中にまだある中、この広さには最初びっくりしました。ダンスができるのではないかと思ったほどです。(リバーダンスなら楽勝)
縦に細長くガラス窓があります。見るたびに借景をした掛け軸を連想して、いろんな角度から外をながめてしまいます。けっこう気に入っている部分です(トイレのお気に入りっていうのも変ですが)。
あと、おすすめがレストラン。ちょっと高めですが、おいしいです。
ランチは1,800円。プラス300円でコーヒーが飲み放題になります。パン2個、たっぷりのサラダ、メインディッシュ(付け合せのカリフラワーとタコの温サラダがおいしかった!)。ちゃんと素材の味がして、お腹がふくれて、幸せになりました (^^)。
変ったメニューだと、猪肉のパスタなんてのもあります。こちらは羊なんかよりはるかにクセがなく、食べやすいです。チャレンジしたい方は、ぜひどうぞ。
入場チケットは、1年間は、持っていればレストランと売店が無料で入れます。「ちょっとお茶でも」という時に便利だと思いますので、利用してみてくださいね。





