3番目の転生はジャーマン・シェパードのメス、エリーです。
エリーは、ベイリーだった時と同じように、前世の記憶を持っています。
『イーサンがカレッジで勉強することになった時に私が学んだように、自分に期待されているのは新しいルールに従って生きることだと理解した。少年がいなくてどんなに寂しいかを思うときの激しい心の痛みは、ただ慣れるしかないものだった。犬の仕事は、人間の望みどおりにすることなのだから。』(253ページ)
新しい自分、新しい飼い主――
少年との生活をなつかしみつつも、エリーは今の生になじもうとします。
飼い主であるジェイコブは、イーサンよりも大人な、どこか影のある男性として登場します。
ジェイコブが、押し殺していた悲しみを表にだす場面があります。
『(彼の)心の痛みがその内面で深くよじれて、頬に涙が静かにこぼれ落ちた。私は心配して彼の手に鼻をすりつけた。
「大丈夫だよ、エリー。いい子だ。お座り」
私は座り、ジェイコブと一緒に悲嘆に暮れた。』
悲しみにたたずむ人間のそばにそっとよりそう犬。しみじみしたシーンです。
ジェイコブから警察犬として訓練をうけたエリーは、何人かの人を助けます。
それはベイリーのときに経験したことの、延長にあるものでした。
彼女は気がつきます。
自分の転生の目的を。(ネタバレ自粛 (^^)b)
前世も、このためにあったのだと。
やんちゃだったレトリバーが、思慮深いシェパードへと生まれ変わった瞬間です。
大人になった、と思いました。
もう少年の後にくっついて飛び跳ねていた犬はいません。
人をなぐさめ、人を助ける犬が、そこにはいました。










