麦わら物語 その弐

 
幼い頃の自分は人の顔色を気にする
そんな子になっていた。

友達も少なく家で一人でよく空想をしていた。
空想するのは決まって自分が正義のヒーロー
正義のヒーローだったら母親を
守ってあげられたかも知れない。

そう思ったのかも・・・・・

学校では
勉強は、あまり得意ではなかった。
国語の作文とかメッチャ苦手だった。

小学校の何年だったかは忘れたが
遠足かなんか行った時のことを作文に
書くという宿題があって
期限に提出でけへんかってん・・・
その時の授業で先生に言われた言葉が
ショックだった。

『宿題まだ出してない人がいます!』

ここまではいい、自分が宿題出してないんだから
このあと

『お父さんのいない家の子はだらしがない!!なあ、麦わら君!?』

先生も何の悪気もなかったと思うが
父親がいないことって 母子家庭って
普通じゃないのかも?
子供心にそう思った。
いや、ボク自身がもうダメな子だって
言われてるような気がしたのかも知れない。

立たされる自分が段々顔から火がでそうなくらい
恥ずかしくなって、教室から飛び出して逃げ出したかった。

何か引っ掛かったんやろね
気にならんかったら覚えてるわけないもん

そんで
まわりは、こっち見てニヤニヤ笑ってる
馬鹿にされてるような気がして悔しかった。

いじったりして笑いとる事ってあるやん!?
それって、好意的な相手にすんねんけど
心理学を学ぶまでは、いじられるってことは
馬鹿にされてるような気がして
嫌で嫌で仕方なくなったのはここからかも!?

いじられたり、笑われたりすんのが
段々と腹が立つようになってくんねん。

麦わらはだらしがない
だらしがないのは笑われる
笑われるのは馬鹿にされてる

劣等感が段々と強くなっていく。
それでも、人に嫌われたくなくて何も言えない自分。