映画『最強のふたり』に学ぶ心のバリアフリー | 脳丸洗いゼーションBlog

脳丸洗いゼーションBlog

障がいのある方の生活について、ノーマライゼーションについて、
障がい者雇用や就労支援についてなどなど。
私がこれまでに経験してきたことや、出会いの中で学んだ事、
感じた事などをつらつらと書いて見ます。

映画『最強のふたり』を見ました。

頸髄損傷で首から下が麻痺している大富豪と、

彼に介護人として雇われた前科のある貧困層の移民の青年の関係を

ユーモラスに描いた物語です。

頸椎損傷の主人公は、自分の介護人の採用面接で、

取得している資格や美談の志望動機を暑く語る人ばかりの中、

失業保険の延長申請に必要な「不採用通知」を目当てに

落とされることを目的に面接にきた不届き者の青年を採用します。

品が無く、障がいに関するデリケートな部分にでも、

オブラートに包まず何でも思った通りに口にする青年ですが、

「障がい者」「対象者」としてではなく、

一人の男として等身大で接してくれる彼が気にいったのです。

私の周囲でも、関係の深い間柄の場合、

相手の障がいをネタにした冗談を言いあったりすることがよくあります。

障がい当事者も、自らの障がいを自虐した冗談を言ったりして笑いあいます。

障がいのある方との付き合いが少ない人から見れば

ヒヤヒヤするようなやりとりでしょうが、

本人たちは、

「障がいを腫れ物に触るような扱いにするのではなく、

一緒に笑い飛ばしましょうよ。

障がい者に理解のある人とならそれが安心してできる。」

と考える方も多いようです。

もう13年前のドラマになりますが、

カリスマ美容師の男性と、

難病に侵され車椅子を常用する図書館司書の女性のラブストーリー、

『ビューティフルライフ』が大変話題になりました。

このドラマの中で、怒って後ろを向いてしまったヒロインの車椅子を、

恋人が足で回転させて抱きしめるというシーンがあります。

このシーンに対し、ある情報番組のコメンテーターが、

「障がい者の車椅子を足で扱うなんてもってのほか」

といったようなコメントをしたそうですが、

今度は、このコメントに対し、障がい当事者の多くの方から、

「恋人同士ならよくある自然な行為。

それを批判する方が、心にバリアがあるのでは」

との批判が集まったそうです。

勿論、車椅子を足で扱ったり、障がいをネタにした冗談を言うことをお勧めするつもりはありません。

しかし、障がいを腫れ物に触れるかのように過剰に親切にされたり、

特別視されることを望んでいる当事者は少ないということを知っていただきたいのです。

最強のふたりの様に、

「障がい者」や「スラム出身」と言ったフィルターを掛けずに、

等身大で付き合える当たり前な関係があるからこそ、

自然と相手を思いやる気持ちや行動ができるのではないでしょうか。


人気ブログランキングへ