オーストラリアでカスハラが横行しないワケ | アスリート・アラサー女子のオーストラリア留学記

アスリート・アラサー女子のオーストラリア留学記

元アルティメット日本代表。
2023年2月〜オーストラリアのウーロンゴン大学院修士課程に在籍、専門はTESOL。
オーストラリア生活のこと、勉強のこと、あれこれ書いてます。
IELTS 7.5
上智大学卒

先日、手紙を出すためにキャンパス内にある郵便局へ行った。

 

順番待ちをしているときにふと壁に張り出されていた紙に目が留まった。



 

 

"We have zero tolerance"

 

toleranceとは「我慢」や「寛容」を表す単語である。

 

そしてzeroは言うまでもなく「ゼロ」、「全くない」という意味だ。

 

 

「私たちは我慢しない」?

 

なんのこっちゃと思い続けて下の文章を読んでみると、そこには

 

 

「攻撃的もしくは口汚い態度に対して」

 

と書かれていた。

 

続けて

 

「不愉快な客は店内から出ていかなければならない」

 

とも。

 

 

つまり、

 

店員に対して暴力的な態度を示すような客は出ていけ

 

とはっきりと書かれているのである。

 

 

お店側がカスタマーハラスメントに対しあらかじめ「私たちは屈しないぞ!」と宣言しているのだ。

 

 

 

以前、何かの記事で書いたが私はオーストラリアで暮らしていて横柄な態度で店員に接する客をめったに見たことがない。

 

 

一見コワモテに見える人でも、話しかければ笑ってくれることも多い。

 

子供たちだって、大人顔負けの言葉遣いと態度で丁寧に接しようとしてくれる。

 

 

みんな店員に対する最低限のマナーは身に着けているのだ。

 

 

それは、きっと上記で示したようなカスハラに対する態度(=容赦しない)がどこの店にも共通しているからなのだと思う。

 

 

以前働いていたカフェでは、理不尽な文句を言っていた客に対してマネージャーが

 

「私たちのサービスが気に食わないならどうぞお帰りください」

 

とはっきり言っているのを見たことがある。

 

 

 

店員や店に対してマナー違反をすれば自分の受けたいサービスや商品が手に入らないかもしれないのだ。

 

そりゃ、自然と丁寧に接するようになるよなぁ

 

としみじみと思った。

 

 

対して、日本では。

 

「お客様は神様です」

 

の言葉が独り歩きした結果

 

わけのわからないカスハラが横行しているようである。

 

 

そもそも「お客様は神様です」とは店側がお客様に対して

 

「お客様を神様だと思って誠心誠意おもてなしをします」

 

という思いを示すための言葉だったはずである。

(何かの記事で読んだ)

 

それがなぜか客側が「私は神様だぞ!」とふんぞり返る事態になってしまったというわけだ。

 

 

最近ではオーストラリアの郵便局と同じように

 

カスハラに対して

 

「屈しないぞ!」

 

と宣言するお店も出てきているようだが

 

まだまだそういった考えは先鋭的で広く広まっているとは言えないだろう。

 

 

本来、サービスを提供する側とされる側は立場としては一緒のはずである。

 

 

客が「俺が金を払わなきゃ困るだろ」といっても

店だって「じゃあ何も売りませんよ」となるわけなのだから。

 

 

日本のおもてなしの精神は素晴らしいものだと思うが

 

あまりに行き過ぎた結果、今の「カスハラ横行」な状況が生み出されてしまったのかなぁと

 

なんだか少し悲しくなったのであった。

 

 

おもてなしの国、今が変革期なのかもしれない。

 

おしまい。

 

それでは、また。

See ya!!