日本のアルティメットを考えてみる | アスリート・アラサー女子のオーストラリア留学記

アスリート・アラサー女子のオーストラリア留学記

元アルティメット日本代表。
2023年2月〜オーストラリアのウーロンゴン大学院修士課程に在籍、専門はTESOL。
オーストラリア生活のこと、勉強のこと、あれこれ書いてます。
IELTS 7.5
上智大学卒

これまで幾度となくオーストラリアにおけるアルティメットについてブログを書いてきた。

 

日本とオーストラリア、違いはいろいろなところにある。

 

特に大きな違いだなと感じるのが

 

オーストラリアでは

オフェンスもディフェンスも

 

個としてのスキルが非常に求められている

 

ということだ。

 

例えばオフェンスだったら

 

レシーバーは1対1でディフェンスをしっかり抜く

スローワーは正確にパスを出す

 

こういった技術がそれぞれ求められている

 

ディフェンスの場合は

 

マンツーマンでしっかり止める

もしくはブロックする

 

このような技術を持った人が「うまい人」と認定されている気がする。

 

 

もちろん日本でも上記のような技術は必要だ。

それを否定するつもりは毛頭ない。

 

 

しかし、日本でプレイをしていると

 

個のスキルももちろんだが

 

「チームの一員として機能するスキル」も求められると思う。

 

 

例えばディフェンスだったら

 

1対1を頑張るのは当たり前だが

 

そこにプラスして

 

チームとしてどのように守るか?

 

を考え、それに沿ったディフェンスすることが求められる。

 

チームとして、どうやってターンオーバーを起こすのか?を考え

 

それに沿って個々がディフェンスの形を決めていく

 

1人1人がただ「止める!」というわけではないのだ。

 

 

 

その根本には

 

「すべての選択肢を止めるのは難しい」

 

という考え方があると思う。

 

もちろん、オフェンスのすべての選択肢を止められたら

 

こんなに素晴らしいディフェンスはない。

 

ストーリングを10まで数えてターンオーバーを起こせるのなら、理想のディフェンスといえるだろう。

 

しかし、経験上それは現実的ではないと言わざるをえない。

 

 

 

明らかに実力差が大きく、自チームのレベルが勝っているなら

オフェンスの動きをすべて止めることはできるかもしれない。

 

しかし、実力が拮抗している相手に対してすべての選択肢をシャットダウンするのは非常に難しい。

 

無理とは言わないが、その勝負はかなり分が悪いだろう。

 

 

 

だからこそディフェンスは数ある選択肢の中から

 

オフェンスにとってよりリスクの高い選択肢を選ばせるように

もしくは自分たちにとってリスクの少ない選択肢を選ばせるように

 

 

ディフェンスを組み立てていく。

 

その中で、状況次第ではすべての選択肢を止める、もしくはオフェンスが自らターンオーバーを起こすようなプレイを誘うこともできるだろう。

 

 

 

その「状況」を作り出すために

 

チームとしてのディフェンス戦略が必要なのだ。

 

 

他のチームがどのようにディフェンスを組み立てているのかは知らないが

 

少なくともMUDではそのような考え方があったと感じる。

 

 

そのため、ディフェンスの話をするときは

 

ディスクをどこに持って行くか

そのためのストーリングの角度

レシーバーのディフェンスの付き方

誰に持たせるのか

 

といったようなことをチーム全体で共有していた。

 

 

誤解のないように書いておくが

 

上記のようなことは決めておくけども

止められるところはもちろん止める。

 

オフェンスが楽々とプレイできてしまうようなつき方はしない。

 

しかし、その中でもきっとどうしても止められない部分は出てくる。

そのときに、オフェンスに何を選ばせるのか?を決めておくのだ。

 

 

また、ガチンコのマンツーマンディフェンスをやるときもある。

 

 

それが効果的と感じたときにはもちろんひとつの選択肢になる。

 

でもそれは、それまでの試合の流れの中で

 

「ガチンコマンツーマンが効果的な状況」を

 

意図的に作り出した上での選択肢であることが多い。

 

例えばそれまでのセットでゾーンDFや少しルースなつき方のDFをしておいて

 

そのうえでガチンコマンツーに切り替える。

 

 

オフェンスにしたら

 

それまで簡単にスウィングできていたところを止められたり

ディフェンスを振り切るためにもう一歩二歩カットが必要になったり

 

小さなプレッシャーが積み重なっていく。

 

そうすることで少しずつオフェンスを追い込んでいく。

 

このように、ガチンコマンツーはあくまで大局のなかのひとつの戦術であって

唯一絶対の選択肢ではないのだ。

 

 

 

長くなったが

 

このように日本で、MUDでプレイしていたときには

 

「チームとしてのディフェンス戦略」

 

まず一番にあって

 

それを理解し体現することが求められた。

 

各々が自由にディフェンスをしてしまうと

 

果たしてどんなディフェンスが有効なのか?がわかりづらくなってしまうからだ。

 

 

対して、オーストラリアでは。

 

チームのディフェンス戦略がないとは言わないが

 

日本ほどの細かさは感じない。

いや、日本が細かすぎるのかもしれないが。

 

 

それよりも個々人が1対1でしっかり止めることに重きが置かれていると感じる。

 

 

「help defense」(=スイッチや挟み)はあるが

 

それはあくまでマンツーマンディフェンスの中で、応急処置的に必要な時に使われるだけで

 

日本のような「チームディフェンス」とは少し違うなと私は感じる。

 

 

 

ただし、私が6年前にメルボルンでプレイしていたときに比べれば

明らかに「チームディフェンス」的なプレイは増えた。

 

 

当時はなかなか私の日本人的ディフェンスが理解されず

「もっとタイトについて!」などと言われたが

 

今は少なくともほとんどの人がスイッチや挟みといったディフェンスがどのように機能するのか知っている。

 

 

 

どちらが良い、悪いを議論するつもりはない。

だが私はオフェンスもディフェンスも他力本願型なので

 

マンツーマンでしっかり止めてこい!と言われると

 

自信ないな~

 

となってしまう。

 

長くなってしまったので、オフェンスの話はまた今度。

 

それでは、また。

 

See ya!!