某企業のコンプライアンスについて | オールリコーユニオン(リコーグループ従業員労働組合)

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リコーグループ従業員の労働組合です。
雇用形態にかかわらず、正社員でも派遣社員やアルバイトなど非正規社員でも加入できます。
リコー追い出し部屋リストラ事件をはじめとして、多くの労働問題を解決してきた実績があります。

リコーでは、事業に重大な影響を及ぼすリスクに対応したリスクマネジメントの遂行とコンプライアンス強化を推進していますが、以下はリコーとも取引のある某電気部品メーカーに勤務する組合員A氏の話です。


A氏は所属会社役員が関わる複数の疑義を同社監査役に報告し、監査役の義務に基づく調査を求めました。しかし、当該監査役は、監査役の義務は株主および取締役会に対するものであり、従業員からの報告に基づく事実調査を行う職責を負っていないと、事実調査を拒否したそうです。


この監査役には会社法により取締役会とは独立して役員の監査・監督義務があります。これは会社内の警察・司法権とも解釈することができます。例えば、A氏が犯罪疑義を警察署に通報したら、警察は国家に対する義務はあるが、国民に対する義務はないから受理しない、と拒否されたことに類似しています。


A氏の会社は”コンプライアンス遵守”自ら標榜し、従業員に対しても法律・社会規範・社内規則の遵守を求めているとのことです。役員の疑義を調査拒否していることから、当該コンプライアンス遵守は従業員に圧力を掛けるだけの存在なのかも知れません。


少し前ですがオリンパスで上司を社内のコンプライアンス窓口に報告された方が、通報の情報を社内に漏洩されて、不利益を被ったことに対して最高裁判所の判決がおりました。上司と会社を相手取った裁判では今年6月下旬、最高裁で勝訴が確定しています。

http://www.mynewsjapan.com/reports/1665


A氏に対しても会社から同じように不利益の扱いを受けることがないか懸念されます。しかし、監査役に報告して拒否された事実があれば、公益通報を行うハードルを超えさせてくれた有難い行為とも思料されます。Aさんには圧力に負けずに頑張って欲しいものです。