一日一鉄 ~ほーぷの鉄道ニュース~ -2ページ目

一日一鉄 ~ほーぷの鉄道ニュース~

日本全国全鉄道路線(JR・私鉄両方)を完乗した経験を元に、鉄道業界に関して戯言をぶちまけていくブログです。現在は日々の鉄道ニュースへのコメントがメインですが、そのうち乗り鉄記録を整理して載せていくかも知れません。

 観光トロッコ列車を走らせる嵯峨野観光鉄道(京都市右京区)は20日、15日の豪雨被害の復旧工事のため、8月上旬まで運転を休止すると発表した。線路をふさいだ土砂は撤去されたが、線路と山の間にあるコンクリートの壁にひびが入るなどし、工事が必要になったためという。

N254 : 「平成24年(2012年)7月九州北部豪雨」長期運休見込路線まとめでまとめましたように、九州北部豪雨のために九州北部の4路線が長期運休となる見込みであることをお伝えしましたが、実は他にもゲリラ豪雨により長期運休を余儀なくされる見込みである路線が判明しました。

それが、京都府を走っている嵯峨野観光鉄道です。
山陰本線旧線(嵯峨嵐山駅~馬堀駅)を走るトロッコ列車が有名な路線で、保津川沿いの風光明媚な景色が堪能できる観光路線となっています。

嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車@トロッコ亀山駅(2010年9月)


嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車から撮影した保津川下りの船(2010年9月)


実は、7月15日に京都府でもゲリラ豪雨が発生しており、嵐山や亀岡を中心に一時間に100ミリ近い大雨が降りました。
その影響により、嵯峨野観光鉄道内でも3ヶ所土砂崩壊が発生してしまっていたようで、一時的に運休となっていました。
最近になって土砂自体は片付けられたものの、コンクリート壁にもヒビが入っていることが判明し、その修復工事が必要となったため、長期運休を余儀なくされることになりました。

なお、全線復旧は8月上旬になるとのことです。

これから夏休みという時期で、保津川下りや保津川沿いの風光明媚な景色を見るために多くのお客様に来ていただけるはずだったのですが、そんな時期に運休をせざるを得なくなってしまって、切ない気持ちでいっぱいです。
嵯峨野観光鉄道のトロッコ列車に乗車するのを楽しみにしていた観光客の皆様のためにも、一日も早い復旧を心より望んでおります。

現時点での長期運休路線表を更新しました。本当にひどい状況ですね…。
路線名区間理由
JR名松線家城駅~伊勢奥津駅2009年台風18号被害
JR岩泉線茂市駅~岩泉駅2010年大雨による土砂崩壊
JR常磐線広野駅~原ノ町駅
相馬駅~亘理駅
2011年東日本大震災
JR仙石線高城町駅~陸前小野駅2011年東日本大震災
JR石巻線渡波駅~女川駅2011年東日本大震災
JR気仙沼線柳津駅~気仙沼駅2011年東日本大震災
JR大船渡線気仙沼駅~盛駅2011年東日本大震災
JR山田線宮古駅~釜石駅2011年東日本大震災
三陸鉄道北リアス線小本駅~田野畑駅2011年東日本大震災
三陸鉄道南リアス線盛駅~釜石駅2011年東日本大震災
JR只見線会津川口駅~大白川駅2011年新潟福島豪雨
三岐鉄道三岐線東藤原駅~西藤原駅2012年脱線事故
JR豊肥本線肥後大津駅~緒方駅2012年九州北部豪雨
JR久大本線うきは駅~日田駅2012年九州北部豪雨
JR日田彦山線添田駅~夜明駅2012年九州北部豪雨
平成筑豊鉄道田川線田川伊田駅~崎山駅2012年九州北部豪雨
嵯峨野観光鉄道嵯峨野観光線トロッコ嵯峨駅~トロッコ亀岡駅2012年大雨による土砂崩壊
  東日本大震災の津波で壊滅的な被害を受けたJR気仙沼線に導入されるバス高速輸送(BRT)の運行開始が、8月20日に決まった。現在の振り替えバスより運行本数を上下線とも10本前後増やし、運賃は鉄道と同額にする。
 JRは同日までに、柳津(登米市)―気仙沼駅間の約55キロのうち、陸前階上―最知(いずれも気仙沼市)間の約2キロでバス専用道路を完成させる。

いよいよBRTの導入が本格的になって来ました…うーん。

N121 : 気仙沼線不通区間(柳津駅~気仙沼駅)、将来的にも鉄路復旧困難か?で取り上げましたように、JR気仙沼線の不通区間である柳津駅~気仙沼駅は鉄路ではなくBRT(バス高速輸送)として運行する方針となっていることをお伝えしていましたが、一部区間に関して既にBRT化され始めており、8月にはついにBRTがお目見えする方向性となりました。
詳細はJR東日本の該当サイト(PDF)を参照ください。

8月からBRTとして運行される区間は陸前階上駅~最知駅間となる予定です。
きっと距離も短くて比較的整備しやすいことからこの区間が選ばれたのだと想像しますが、大津波により壊滅した区間ではなかっただけに、このような形で運行が再開されることになってしまい残念な思いでいっぱいです。

なにせ、陸前階上駅の駅舎は大津波には流されずに残っていますし、最知駅も1面1線の簡易なホームながら大津波には流されずに残っています。
また、一部区間の線路は流されていますが、大部分の線路はそのまま残っていたはずです。

現時点ではGoogleストリートビューに2011年8月当時の画像が残っており、陸前階上駅~最知駅間の前林踏切付近で線路が残っていることが明確に確認できます。
まさかとは思いますが、BRTのために線路を剥がしてしまったのでしょうか…。

鉄路として復旧できる見込みがあった区間なのにも関わらず、このようにBRT化していることから考えて、この流れはもはや止められそうにありません。
鉄道時より本数が増えるのはいいことだと思いますが、個人的には以前からお伝えしているように鉄路として復旧することこそが真の意味での東日本大震災からの復旧だと考えているので、このような流れでBRTを運行することには大反対です。

もう、この区間が鉄路として復旧する日は二度と来ないのでしょうか…はぁ。
 京浜急行電鉄では、東京都の都市計画事業として2000(平成12)年12月に事業着手している「京急蒲田駅付近連続立体交差事業」の進捗に伴ない、事業区間である京急本線平和島―六郷土手間と空港線京急蒲田―大鳥居間において、10月21日(日)始発から下り線を高架化する(荒天等の理由により工事が実施できない場合は10月28日(日)から)。これにより全事業区間の上下線高架化が完了する。

N247 : 名物踏切「一ツ家踏切」「御田踏切」「神宮前1号踏切」が同日に閉鎖でも取り上げましたように、鉄道路線の立体交差が進んでいますが、京浜急行電鉄でも高架化の流れが進んでおり、今回の記事に書かれていますように京急蒲田駅付近の高架化工事も今年の10月で完了となる予定となっています。

京急蒲田駅付近といえば、幹線道路にある2つの踏切のせいで慢性的な渋滞が発生していることでかなり有名でした。
それが、京急本線にある環八通り(都道311号線)の京急蒲田第5踏切と、京急空港線にある第一京浜(国道15号線)の京急蒲田(空)第1踏切です。
後者は箱根駅伝の際に渡る必要がある踏切となっていますが、この踏切が障害とならないようランナーが通過する時間を想定して京急がダイヤ変更をしているのでも有名です。

今回の工事により、両踏切とも高架化されることになるため、慢性的な渋滞が解消されることが期待されています。
既に京急蒲田第5踏切は高架化されており、効果が出ているものと思われます。

右上にあるのが京急蒲田(空)第1踏切、左下にあるのが京急蒲田第5踏切

大きな地図で見る
 JR九州は13日、国の重要文化財である門司港駅(北九州市門司区)の修理工事を9月末から始めると発表した。1914年にできた今の駅舎は壁や柱、床の傷みや汚れが激しくなっているため、初めて本格的な修理に乗り出す。
 工事期間は2018年3月までの予定。

N050 : 門司港駅の駅舎を利用した面白い試み!で取り上げました、国の重要文化財に指定されている門司港駅の駅舎が修理工事に出されることになりました。

以前のエントリにも記載しましたように、現在の門司港駅の駅舎は1914年に建てられましたが、100年近く経つということもあり傷みや汚れが激しくなってきたことから、駅舎を維持するために約5年間かけて修繕工事を行うことになったようです。

今回の工事では鉄骨とパネルで外部を覆って修繕を行うため、大正レトロを感じられるステキな外観の駅舎がまもなく見れなくなってしまうそうです…。
一回覆われてしまうと約5年見ることが出来なくなってしまうそうなので、見に行かれる方は早めの訪問をおすすめします。

なお、JR九州の公式ページを確認したところ、以下のようなスケジュールとなっています。

・修繕工事開始は2012年(平成24年)9月末から
・現駅舎での営業は2012年(平成24年)9月28日まで
・仮駅舎での営業は2012年(平成24年)9月29日から
・駅舎を覆い隠す時期は2013年(平成25年)3月以降

どうやら、来年の3月までは外観を拝むことは出来るようですが、今年の9月末には現駅舎内に入れなくなるようですので、駅舎全体を堪能したい方は今年の9月までに訪問する必要がありますのでご注意ください。

また、この修繕工事を記念したイベントの実施や記念きっぷの発売が予定されています。
詳細は今後の発表をお待ちください。

門司港駅の駅舎(2009年8月)
 鉄道や高速バスなどの交通機関は14日、大雨の影響で終日乱れた。3連休初日とあって、駅などは列車を待つ人でごった返した。
 JR九州によると、九州新幹線は博多―熊本間を中心に計40本が運休、15本が最大3時間遅れた。在来線では豊肥線肥後大津―緒方間、久大線久留米―日田間、日田彦山線添田―夜明間が運休し、14日夜までに復旧のメドが立っていない。豊肥線の運休区間の一部は、橋の上の線路が流されるなど被害が深刻で、当分はバスでの代行輸送となるという。
 西鉄は天神大牟田線の柳川―江の浦間と甘木線の北野―甘木間で14日の終電まで運転を見合わせた。

今回は九州北部がやられてしまいました…ほんとゲリラ豪雨は勘弁です。

「平成24年(2012年)7月九州北部豪雨」と名付けられた今回の豪雨。
「これまでに経験したことのないような大雨」が4日間も続いたことで、川の氾濫や土砂崩れが相次ぎ、現在わかっているだけでも30名近くの死者を出しています。

もちろん、鉄道界も例外ではなく、九州新幹線を始めとして九州北部のダイヤは大幅に乱れ、一部路線は土砂崩れや線路冠水によっていまだに復旧できていない状態です。
この内容をいつ取り上げようか迷いましたが、刻々と事態が変わっていく事もあり、情報が二転三転する可能性が大きかったため、少し落ち着いてから取り上げることにしました。

上記ニュースの時とは状況が変わっていますが、最新情報を加味した上で、現時点で長期運休が見込まれる路線を、現在長期運休中の路線に加えてまとめてみました。
どんどん長期運休路線が増えていくのが本当に辛いです…何とかして欲しいです…。

路線名区間理由
JR名松線家城駅~伊勢奥津駅2009年台風18号被害
JR岩泉線茂市駅~岩泉駅2010年大雨による土砂崩壊
JR常磐線広野駅~原ノ町駅
相馬駅~亘理駅
2011年東日本大震災
JR仙石線高城町駅~陸前小野駅2011年東日本大震災
JR石巻線渡波駅~女川駅2011年東日本大震災
JR気仙沼線柳津駅~気仙沼駅2011年東日本大震災
JR大船渡線気仙沼駅~盛駅2011年東日本大震災
JR山田線宮古駅~釜石駅2011年東日本大震災
三陸鉄道北リアス線小本駅~田野畑駅2011年東日本大震災
三陸鉄道南リアス線盛駅~釜石駅2011年東日本大震災
JR只見線会津川口駅~大白川駅2011年新潟福島豪雨
三岐鉄道三岐線東藤原駅~西藤原駅2012年脱線事故
JR豊肥本線肥後大津駅~緒方駅2012年九州北部豪雨
JR久大本線うきは駅~日田駅2012年九州北部豪雨
JR日田彦山線添田駅~夜明駅2012年九州北部豪雨
平成筑豊鉄道田川線田川伊田駅~崎山駅2012年九州北部豪雨
※通信設備の不具合により久大本線久留米駅~うきは駅も運転見合わせとなっていますが、こちらは豪雨による運転見合わせではないため上記には載せていません。

九州北部の異常気象は少しづつ解消されつつありますが、まだ一部地域では突如としてゲリラ豪雨に見舞われる状態が続いており、依然として警戒が必要です。
また、日本の南海上で台風7号が発生し、2~3日後には九州に近づく予報ということで、ほんと散々な状態ですね…。
これ以上被害が出ないことを心より祈っております…。

なお、今日は九州北部だけでなく、東北北部でもゲリラ豪雨が発生しており、五能線や奥羽本線、花輪線の一部が運転見合わせとなっています…。
 群馬県高崎市のJR高崎駅で13日午後11時15分ごろ、信越線の高崎発横川行き普通電車(6両編成)が出発直後、レール上に作業員15人がいたため運転士がブレーキをかけ、作業員の約40メートル手前で停止するトラブルがあった。作業員と乗客約120人にけがはなかった。
 事故の原因や経緯はJR東日本が調査中。国土交通省運輸安全委員会も、鉄道重大インシデントとして、鉄道事故調査官2人を17日に現場へ派遣することを決めた。

JR信越本線の高崎駅であわや重大事故が発生するところでした…。

詳細は記事を参照いただければと思いますが、レール上に作業員がいる状態だったのにもかかわらず、高崎駅を発車した電車が直前まで迫ってしまいました。
作業員への連絡がうまくいっていなかったのか、車両を運行していた運転手や車掌への連絡がうまくいっていなかったのか、それとも別の理由なのかはわかりませんが、少なくとも本来あってはいけない状況が発生したのは間違いなさそうです。

本件は国土交通省が「鉄道重大インシデント」として取り扱うことが決まりました。
以前の記事でも「1件の重大事故の陰に、29倍の軽度事故と、300倍のヒヤリハットが存在する」という「ハインリッヒの法則」を取り上げましたが、今回はまさにヒヤリハットであり、インシデントとして扱うべき内容かと思います。

なお、鉄道事業法第十九条で「事故等の報告」に関して以下のように規定されています。

 第十九条  鉄道事業者は、列車の衝突若しくは火災その他の列車若しくは車両の運転中における事故、鉄道による輸送に障害を生じた事態、鉄道に係る電気事故又は鉄道に係る災害であつて国土交通省令で定めるものが発生したときは、遅滞なく、事故の種類、原因その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

 第十九条の二  鉄道事業者は、前条に定めるもののほか、同条の国土交通省令で定める列車又は車両の運転中における事故が発生するおそれがあると認められる国土交通省令で定める事態が発生したと認めたときは、遅滞なく、事態の種類、原因その他の国土交通省令で定める事項を国土交通大臣に届け出なければならない。

第十九条は事故が発生した場合国土交通大臣に報告する義務があることを謳っていますが、第十九条の二では事故が発生するおそれがあると認められる場合も同様に報告する義務があることを謳っています。
このような状態に陥ったトラブルのことを「鉄道重大インシデント」と呼んでおり、鉄道事故調査官を派遣して原因究明と今後の対応策を練っていく事になります。

作業員の安全が確保されていないと保守作業も安全に出来なくなってしまい、ひいては列車の安全運行に支障をきたすことになりますので、このインシデントをよき教訓として対応策を検討していただき、今後の安全運行に活かしてくれることを心より願っています。
 大阪市交通局は13日、市営地下鉄谷町線天王寺駅で12日午後9時ごろ、券売機の釣り銭返却口にカッターナイフの刃(約2センチ)が、放置されているのが見つかったと発表した。利用者から通報があったという。市営地下鉄では5月下旬から、地下鉄車内や駅ホームなどで針や画びょうが相次いで見つかっている。

かなり悪質なイタズラが横行しているようです…気をつけてください。

大阪市営地下鉄天王寺駅の券売機のつり銭返却口にカッターナイフの刃が置いてあったそうで…無意識につり銭返却口に手を入れたら指を切ってしまう可能性がありました。
その他、画鋲や針などが置かれているケースもあったそうで、悪質極まりないですね。

これらの事件が全て同一犯かどうかもわかりませんので、いつどこで意図せずに巻き込まれてしまうかわかりません。
今回は大阪市営地下鉄を取り上げていますが、もちろんどの鉄道会社でも同じような問題が発生する可能性はあります。

このような意味不明な事故に巻き込まれないように、注意しなくてはいけませんね。
少なくとも、つり銭返却口に安易に手を入れないようにしましょう…。
 JR京葉線で12日午後10時50分ごろ、普通電車が停車すべき越中島、潮見の2駅(東京都江東区)を誤って通過するトラブルがあった。運転士と車掌がともに、快速電車と勘違いしていたという。

JR京葉線で各駅停車の列車なのにもかかわらず、快速通過駅である越中島駅と潮見駅を通過してしまったトラブルがありました。

原因は風速計の不具合によるダイヤの乱れのようです。
多分、本来快速列車を運行する予定だった運転士と車掌が、急遽各駅停車を運行することになったため、勘違いを起こしてしまったのではないかと推測されます。

いくらダイヤが乱れていたとはいえ、運転士も車掌も勘違いを起こしており、かつアラートがあがらなかったら、こんなの防ぎようが無いですよね…。

通常は運転手携行時刻表と懐中時計を睨めっこしながら時刻通りに運行していくものと思われますが、今回のようにダイヤが乱れた場合はダイヤを管理している指令室から出る指令にもとづいて運行していくことになると想像しています。
しかし、この指令が各駅で出るわけではないでしょうし、ダイヤが乱れている場合はどこかに混乱が生じているので、思うように伝わらないケースもあるかと思います。

このようにマニュアル運用上避けることが出来ないのであれば、システム的にこのようなトラブルが防止できる改善策を考えるほかないと感じています。
改善策になるかわかりませんが、紙の運転手携行時刻表をデジタル化して各列車に送信することが出来れば、緊急時に指令室から切り替えることも出来るのではないかと思いますが…。
 2027年に品川―名古屋間で開業予定のリニア新幹線で、鉄道旅客数は1.5倍に増え、観光面の経済効果は年間約218億円――。民間コンサルティング会社がまとめた予測が11日、岐阜県の専門部会で発表された。県は、この予測を軸に、今年度末にもリニア活用戦略の中間とりまとめをする。
 長野新幹線の事例などをふまえ、中津川市に予定されている県内駅と首都圏の駅との1日の利用者数は約3200人と試算。

リニア中央新幹線が開通する際の岐阜県の経済効果の予測が公表されました。

218億円という値が妥当かどうかは正直よくわからないのですが、気になるのが中津川市内に設置される予定の新駅と首都圏の駅との利用客数です。
現時点で3200人と試算されていますが、まだダイヤの方針も決まっていない状態なのにどうやって算出したんでしょうかね…。(仮定を置いているものと思いますが)

リニア中央新幹線は東京駅~名古屋駅を最速50分程度で結ぶ予定となっており、その速達性が注目されています。
以前、長野県が県内の活性化を理由としてリニア中央新幹線の中間駅を諏訪市や茅野市に設けるようJR東海に提示したことがありましたが、JR東海の結論としては速達性を重視して飯田市内にのみ中間駅を設けることになりました。

このような経緯があるため、リニア中央新幹線のダイヤも基本的には首都圏の駅と名古屋駅のみ停車する速達型が主流になるのではないかと感じています。
そうなると、中津川市内に作られる新駅にリニアがたくさん停車するとは、とてもじゃないけど思えないわけです。
現在の東海道新幹線(東京駅~名古屋駅)は「こだま」が30分に1本ペースで走っていますが、リニアの各駅停車タイプもこのペースで走るのか、それとも1時間に1本ペースになるのか…気になるところではあります。

また、東海道新幹線の類似駅として、三河安城駅と岐阜羽島駅がありますが、それぞれ利用者数は約3000名、約2000名となっています。
この人数は首都圏方面だけでなく、関西方面も含んでいるため、実際に首都圏方面と往復している人数はもう少し少なくなると想定されます。
これらの駅よりも不便な位置にあり、周辺地域の人口も少ない中津川市内の新駅でこれらの数字を上回るかどうかは正直かなり微妙なところだと感じています。
 国土交通省は、北海道新幹線が青函トンネルを走る時の最高速度を当初予定の時速140キロから200キロ超に上げようと検討し始める。トンネル内では在来線と同じ線路を走る予定だが、貨物列車とすれ違わないようにダイヤを調整してスピードアップしたいという。

N165 : 北海道新幹線新青森駅~新函館駅の建設費負担増加へ…でも取り上げましたように、北海道新幹線が青函トンネルを走る際の最高速度は140km/hとされていましたが、元々の想定であった200km/hよりも速く走れるように改善出来るか検討しはじめるということです。

北海道新幹線の青函トンネル区間は既存の在来線を三線軌条にし、在来線の線路を利用して新幹線を走らせる計画となっています。
その際に問題となる可能性があるのが在来線を走る列車とすれ違う際に生じる風圧であり、特に、貨物列車とのすれ違い時にコンテナが破損するリスクが上げられています。
最高速度を140km/hに落としたのは、このリスクを軽減するためだったのですが、ダイヤ上すれ違いをしないようにして、そのリスクを発生させないように調整していくものと思われます。

E5系の車体自体は最高320km/h出すことが出来るのですが、整備新幹線の区間は予算の都合上もあり、線路自体が260km/h規格で建設されているため、実際の最高速度は260km/hになるものと考えられます。
そのため、今回の検討の結果、スピードアップが容認されたとしても、この区間も最高速度は260km/hまでになるのではないかと思います。

N240 : 北海道新幹線、北陸新幹線、九州新幹線長崎ルートの着工が正式決定で取り上げましたように、現在の想定では東京駅~札幌駅は5時間1分で結ばれる予定となっていますが、これは青函トンネル区間を140km/hで走った場合の想定となります。
もし、この区間が260km/hで走行できるようになった場合、東京駅~札幌駅は4時間43分で結ばれる予定となり、18分ほど短縮されることになりそうです。