JR西日本は30日、木次線の出雲横田(島根)―備後落合(広島県)間の運転を再開した。沿線で最大1.2メートルの積雪があり、斜面からの落雪などの恐れもあったため、1月5日から見合わせていた。運休期間は昨年より約20日長く、タクシーで代替輸送していた。
昨日のニュースは非常に辛いニュースでしたが、今日のニュースは喜ばしいニュースです。
木次線は島根県の宍道駅から広島県の備後落合駅に至る81.9kmの単線非電化路線です。
昨日取り上げた岩泉線と同じように、地方ローカル線の中でも乗車するのが難しい部類の路線で、終点の備後落合駅までたどりつく列車は岩泉線同様一日に三本しかありません。
(宍道駅から備後落合駅まで乗り通せる列車は一日二本しかないので、下手をすると岩泉線よりも乗りつぶすのが難しいかも知れません…ただし臨時列車を除く)
ただ、木次線には季節列車としてトロッコ列車「奥出雲おろち号」が運行されており、ローカル線を活性化させるための取り組みが行われています。
また、出雲坂根駅にはJR西日本で唯一の三段スイッチバックがあり、また奥出雲おろちループと呼ばれるループ線のそばを通ることもあり、見所も満載です。
奥出雲おろち号@木次駅(2010年8月)
そんな木次線ですが、山陰の豪雪地帯を通る路線のため、最大の難点は大雪によりしばしば運休を余儀なくされることです。
今年は、1月4日から出雲横田駅~備後落合駅で運転を見合わせる羽目になりました。
大雪による直接的な被害はなかったのですが、安全性を考慮して運休となりました。
そして、約3ヶ月たった3月30日にようやく運転を再開することができました。
実はこの木次線、昨年も大雪のため長期間運休していました。
昨年は、1月17日に奥出雲おろちループ付近で列車が大雪に突っ込んでしまうという事故が発生し、長時間立ち往生した挙句、出雲坂根駅~備後落合駅が運休となってしまいました。
この運休はすぐには復旧せず、3月25日に運転が再開されるまでの2ヶ月強、長期運休を余儀なくされました。
2年連続で数カ月単位で運休を余儀なくされた木次線ですが、こうも毎年長期運休をしてしまうと、やはり気になるのが廃線問題です。
ただ、運休時の代行手段がバスではなくタクシーであり、代行バスのような代替手段が確立しているとは言いがたい状態です。
そのため、すぐには廃線にはならないとは思いますが、今回の岩泉線の廃線騒動が飛び火して、いつ火が点いてしまうかわかりませんので、引き続き注視していきたいと思います。
今回の木次線の運行再開で、現在運休している路線は一つ減って下記のようになりました。
路線名 | 区間 | 理由 |
---|---|---|
JR名松線 | 家城駅~伊勢奥津駅 | 2009年台風18号被害 |
JR岩泉線 | 茂市駅~岩泉駅 | 2010年大雨による土砂崩壊 |
JR常磐線 | 広野駅~原ノ町駅 相馬駅~亘理駅 | 2011年東日本大震災 |
JR仙石線 | 高城町駅~陸前小野駅 | 2011年東日本大震災 |
JR石巻線 | 渡波駅~女川駅 | 2011年東日本大震災 |
JR気仙沼線 | 柳津駅~気仙沼駅 | 2011年東日本大震災 |
JR大船渡線 | 気仙沼駅~盛駅 | 2011年東日本大震災 |
JR山田線 | 宮古駅~釜石駅 | 2011年東日本大震災 |
三陸鉄道北リアス線 | 小本駅~陸中野田駅 | 2011年東日本大震災 |
三陸鉄道南リアス線 | 盛駅~釜石駅 | 2011年東日本大震災 |
JR只見線 | 会津川口駅~大白川駅 | 2011年新潟福島豪雨 |
JR大糸線 | 南小谷駅~糸魚川駅 | 2012年大雪 |
JR留萌本線 | 留萌駅~増毛駅 | 2012年雪崩落石 |
運休路線の一日も早い復旧を心よりお祈り申しております。
そして、岩泉線の廃線騒動が幻となることを強く強く願っております。
なお、直近では、4月1日に三陸鉄道北リアス線田野畑駅~陸中野田駅が復旧予定、4月2日に留萌本線が復旧予定となっております。