日本人で増加傾向の

口腔がんに注意!

 

 

口腔がんは歯科医も治療を担う希少がん

 

舌がん

歯肉がん

 

口腔がんを口内炎などと思いこみ、

手遅れになることが稀ではない。

 

 

口腔がん、日本人で多い

発生部位やその要因

 

口腔がんは、顎口腔領域に発生する

悪性腫瘍の総称。

 

病理組織学的に口腔がんの90%以上は

扁平上皮がん。

※皮膚を覆っている細胞と同じ。



口腔がんの好発年齢は50歳以降

で加齢とともに増加し、

男女比3:2と男性に多いのが特徴。

 

これまで国内罹患数は

年間5,000~8,000人で推移していたが、

近年の罹患数は年間1万人と増加傾向。

 

 

もともと世界的には

インドや欧州での罹患率が高いが、

日本人で増えてきているのは

高齢化が進んでいることが要因。

 

 

 

部位別発生率について(2020年)

舌(47.1%)、

下顎歯肉(18.4%)、上顎歯肉(11.9%)、

頬粘膜(8.6%)、口底(6.6%)、

硬口蓋(2.6%)、下顎骨中心性(1.7%)、

下唇(0.8%)

 

初診時の頸部リンパ節の転移頻度は25%、

遠隔転移は1%ほど。


口腔がんの場合、口腔以外の部位に

がんが発生(重複がん)することがあり、

 

重複がんの好発部位と発生頻度は

咽頭、食道がんや肺がんが多く、

11.0~16.2%に認められる。

 

 

口腔と咽頭、食道は

同一の発がん環境にあるため。
 

 

 

口腔がんが疑われる例、現在の治療法

 

口腔がんが生じやすい部位や状態は、

舌がん、歯肉がん、頬粘膜がん

の順に発生しやすく、

 

鑑別に挙げられる疾患として

口内炎、歯肉炎、入れ歯による傷など。

 

もし、口内炎であれば

通常は3~4日、長くても2週間で治る。

 

 

この期間に治らない場合や

入れ歯が合わないなどの原因をなくしても

改善しない場合、

口腔外科、歯科受診を。

 

 


口腔がんの治療は主に外科療法

 

頸部リンパ節節外進展などがある場合には、

術後化学放射線療法や術後放射線療法を追加。

 

外科手術や放射線療法の適応がない

切除不能な進行がんや再発がんにおいては、

殺細胞剤と分子標的薬を組み合わせた

化学療法が選択される。


 

 

口腔がんの予防・早期発見、

まずは口腔内チェックから

 

危険因子喫煙や飲酒、

合わない入れ歯による慢性的な刺激、

そして子宮頸がんの原因にもなる

ヒトパピローマウイルスHPV感染。

 

早期発見が最も重要であり、

50歳を過ぎたら

歯科受診し、

定期的な口腔内チェックが重要。
 

 

口腔がんは簡単に見つけられるのに、

発見機会が少ないがゆえに

発見された時点で

進行がんになっていることが多い。

 

進行がんでは顔貌が変化する、

食事は取りづらい、

しゃべることが困難になるなど、

人間の尊厳が奪われ、

末期は悲惨な状況の患者が多い。

 

 

 

口腔内をチェックできる

歯周病検診を定期的に受けて、

口腔衛生と心筋梗塞、脳梗塞、

認知症の予防、

そして、

口腔がんの早期発見につなげほしい。

 

【引用文献】

厚生労働省:全国がん登録 令和2年

chrome-extension://efaidnbmnnnibpcajpcglclefindmkaj/https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001231386.pdf

 

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