東工大、常圧下で

二酸化炭素を固定化する

有機合成手法を開発

 

東京工業大学の研究チームは、

通常は激しい条件を要する

二酸化炭素(CO2)固定化反応を、

生体触媒の一種である

リンゴ酸酵素を用いることで

穏やかな条件で実行することに成功1)

 

酵素は生体内の反応を触媒するタンパク質で、

穏やかな条件で反応を進行させる。

 

 

研究チームは今回、

ピルビン酸とCO2の反応を触媒し、

リンゴ酸を生成することが知られている

リンゴ酸酵素に着目。

 

 

石炭くずから発見された好熱菌由来の

頑強なリンゴ酸酵素を用いて研究を進め、

37℃、常圧のCO2下という穏やかな条件下で、

高収率でリンゴ酸を合成することに成功。

 

 

さらに、リンゴ酸酵素が

非天然の基質であるα-ケトグルタル酸への

CO2固定化反応も触媒することも検出2)

 

 

CO2を有効利用する方法として、

有機分子にカルボキシル基(-COOH)として

固定するカルボキシル化反応の開発に

注目が集まっています。

 

しかし、CO2は化学的安定性が高く、

反応しにくい分子であるため、

従来の化学的なカルボキシル化反応の多くは

高温・高圧を必要とし、

エネルギー効率や安全性に課題が。

 

 

CO2を用いるカルボキシル化反応の触媒として

リンゴ酸酵素の可能性が見出されたことで、

持続可能な社会の発展に貢献する

ことが期待されています。

 

【引用文献】

1)

2)https://pubs.acs.org/doi/10.1021/jacsau.4c00290

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