腸内での酪酸産生菌の増加は

感染症リスクの低下と関連

 

 

腸内で酪酸産生菌が10%増えるごとに、

感染症による入院リスクが

14〜25%低下する。

 

オランダ アムステルダム大学医療センター発

 


酪酸は、

ビフィズス菌や乳酸菌などの

「善玉」の腸内細菌が

食物繊維を分解・発酵させる際に

産生される短鎖脂肪酸の一種。

 

 

酪酸は大腸の細胞が必要とする

エネルギーの大部分(約70%)

を供給しており、

消化器系の健康に重要な役割

を果たしています。

 

重症の感染症で入院した患者さん

の腸内細菌叢が変化する

ことは珍しくなく、

 

酪酸産生菌が全身に波及する

感染症に対して

予防・保護効果が。

 

 

酪酸産生菌が入院患者さんでは

減少していることが多いことは

知られています。

 

腸内細菌叢の組成や多様性、

酪酸産生菌の割合と

 

肺炎などで入院するリスクと

明確に調べられた研究は

ありませんでした。

【方法】

DNAは4つの文字で書かれた

生き物の設計図。

 

アミノ酸は3つの文字の配列で

1種類決まります。

 

アミノ酸のつながりがタンパク質です。

 

生き物の営みはタンパク質の活動です。

 

 

遺伝子工学が進歩して

10年前とは比べようもない

スピードで生き物の4つの文字配列を

解読することができるようになりました。

 

「DNAシーケンス解析」と言います。

 

 

オランダ4,248人、フィンランド6,451人

合計1万699人を対象に

登録してから追跡するコホート研究。

 

登録時に便サンプルを提供してもらって

腸内細菌のDNAシーケンス解析を行い、

 

腸内細菌叢の組成や多様性、

酪酸産生菌の細菌全体量の中で

何%を占めるのかを解析しました。

 

さらに、国の登録データを用いて、

便サンプルの採取から

5〜7年間の追跡期間中に生じた

感染症による入院または死亡について調査。


【結果】
追跡期間中に総計602人が

感染症で入院または死亡。

(多くは肺炎)

 

内訳:オランダ152人、フィンランド450人

 

 

腸内細菌叢と感染症リスクとの関連

 

腸内細菌叢の中に占める

酪酸産生菌の量が10%増えるごとに

 

感染症による入院リスクは、

 

オランダコホートでは25%、

フィンランドコホートでは14%低下。

 

いろいろな条件を調整して

解析しても結果は変わらなかった。

 

 

【結論】

腸内細菌叢の組成、

特に酪酸産生菌の定着状況は、

感染症による入院予防と関連。

 

酪酸産生菌をどれだけ増やせるか

にかかっている。

【引用文献】

欧州臨床微生物学・感染症学会抄録

(ECCMID 2024、4月27〜30日、スペイン・バルセロナ)

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善玉菌、酪酸産生菌を増やす活動のことを

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