認知症の修正可能な3大リスク因子は
糖尿病、大気汚染、飲酒
認知症のリスク因子の中で
修正可能なものとしては、
糖尿病、大気汚染、飲酒
が特に大きい。
イギリス オックスフォード大学発
研究チームは脳画像データを用いて
行った以前の研究で、
アルツハイマー病やパーキンソン病、
および加齢変化などに対して
特に脆弱な神経ネットワークを特定している。
このネットワークは、
脳のほかの部分よりも遅れて
思春期に発達し始め、
高齢期になると変性が加速する。
今回の研究では、
この脆弱な神経ネットワークの変性
に関与している因子の特定した。
【方法】
イギリス一般住民対象大規模疫学研究
「UKバイオバンク」
の参加者のうち、
脳画像データや
さまざまなライフスタイル関連データ
がそろっている3万9,676人(平均年齢64±7歳)
のデータを利用。
認知症リスクに影響を及ぼし得る161の因子と、
脆弱な神経ネットワークの変性との関連を検討。
161の因子のうち、
遺伝的因子などの修正不能以外の因子は、
食事、飲酒、喫煙、身体活動、睡眠、教育、
社交性、大気汚染、体重、血圧、糖尿病、
コレステロール、聴覚、炎症、抑うつ
という15種類。
【結果】
年齢と性別の影響を調整後の解析により、
脆弱な神経ネットワークの変性
への影響が強い修正可能な因子として、
糖尿病、
居住環境の二酸化窒素濃度、
アルコール摂取頻度
が特定されました。
また、遺伝的背景は多かれ少なかれ、
脆弱な神経ネットワークの変性に
影響を与えていることも明らかにしました。
今回の研究は、脳の『弱点』とも言える
脆弱な神経ネットワーク
に生じる変性のリスク因子について、
その寄与の程度を
定量的かつ網羅的に評価し得たことに
意義があります。
【引用文献】
Manuello J, et al. Nat Commun. 2024;15:2576.
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