高齢者の認知機能維持に

ゴルフやウォーキングが有望か

 

Q:

歳を重ねる中で思考力を保つ

ためにするべきことは何なのか。

 

 

A:

ゴルフ、

2本のポールを持って行うノルディックウォーキング

や通常のウォーキング。

 

 

フィンランド、東フィンランド大学発

 



毎日でなくても

有酸素運動が、

運動の強度や実施時間、種類に関係なく

認知機能が向上すると昔から報告されています。

 

 

この研究では、5日間連続の有酸素運動が

 

18ホールのゴルフ、

6kmのノルディックウォーキング、

6kmのウォーキング

 

が認知機能に及ぼす即時的な効果を検討しました。

 

 

【方法】

ゴルフを趣味とする健康な高齢者25人に

(平均年齢69±4歳、男性16人)

 

3種類の運動の全てを、

各運動の間に1日の休養を挟みながら、

実際の生活環境の中で自分のペースで行ってもらいました。

 

 

運動の際に、フィットネスモニターにより

距離、時間、ペース、エネルギー消費量、

歩数を測定し、ECG(心電図)センサーにより心拍数も測定。



認知機能については、

高齢者の注意力や処理速度を評価するテストA、

および

作業の切り替え能力や、

作業記憶と認知的柔軟性を要する

実行機能および

高次の認知機能を評価するテストB

を受けてもらいます。

 

 

また、対象者から運動の前後で血液を採取し、

運動による効果を反映する物質:

 

BDNF(脳由来神経栄養因子)

CTSB(カテプシンB)

 

を測定します。

 

 

【結果】
3種類の有酸素運動の全てで、

運動前と比べて運動後にテストAを

完了するのに要した時間が

有意に短縮。

 

ゴルフ:−4.43±1.5秒、

ノルディックウォーキング:−4.63±1.6秒、

ウォーキング:−6.75±2.26秒

 

ノルディックウォーキングとウォーキングでは、

テストBを完了するのに要した時間

についても有意に短縮しました。

ゴルフでは有意な短縮は見られませんでした。

 

ノルディックウォーキング:−9.62±7.2秒、

ウォーキング:−7.55±3.2秒

 

 

一方で、BDNFとCTSBの値に

運動による即効性の影響までは認められませんでした。


【引用文献】

18 ホールのゴルフラウンドとさまざまな歩行タイプに対する健康な高齢者の認知反応とバイオマーカー反応: ランダム化クロスオーバー研究(仮邦題)

Cognitive and biomarker responses in healthy older adults to a 18-hole golf round and different walking types: a randomised cross-over study.

 

 

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【コメント】

継続は力なり。

 

「6kmを5日間継続することで

認知機能が伸びた」。

 

という実験です。

 

 

欧米の場合、

ゴルフ場自体が平地にあり、

カートをコースの中に入れて

回れるので、歩く距離が短い。

 

日本のゴルフコースは

ほとんど山間部にあり、

起伏があって、

運動負荷が高く、

コースの中にカートを乗り入れることを

禁止しているため、

6kmウォーキングに匹敵すると思われます。