【質問】・・・・・・・・・・・・・・・・・

Q1. 糖質はどれくらいの量で

毒性を示すのでしょうか?

Q2. 少なければ少ないほど良いのでしょうか?

(極端にはゼロでも)

どんなものにも上限と下限が存在するように

糖質にも存在すると思いますが、

 

糖質をゼロにすれば、

(普通はできませんが)

どういう弊害が起こるのでしょうか。

あるとすれば、

その弊害をなくすには

どの程度の糖質摂取が必要なのでしょうか。



Q3. 適正な糖質摂取量の指標

になるものはあるのでしょうか?

例えば、私は、

食後ピーク血糖値を140以下

に保てる糖質量を通常の上限としていますが、

下限についての指標を持っていません。

さらには、短期的な治療量と

長期の維持量も異なるはずですが、

特に維持量は何を指標にすべきなのでしょう?

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Q1.糖質はどれくらいの量で

毒性を示すのでしょうか?

国際糖尿病連合によれば、

食後血糖値の目標は、

1時間値も2時間値も160mg/dl未満です。


つまり160mg/dl以上の血糖値は、

血管内皮に害をなします。

この目標ですが、

各個人によって、

許容糖質量は異なることとなります。


Aさんは、1回の食事の糖質量が20gなら、

食後血糖値は160mg/dl未満、

Bさんは、1回の食事の糖質量が30gなら、

食後血糖値は160mg/dl未満、

Cさんは、1回の食事の糖質量が40gなら、

食後血糖値は160mg/dl未満、

Dさんは、1回の食事の糖質量が50gなら、

食後血糖値は160mg/dl未満、

Eさんは、1回の食事の糖質量が60gなら、

食後血糖値は160mg/dl未満、


耐糖能に関していろんな人がいると思います。



スーパー糖質制限食で、

1回の食事の糖質量が20g以下

と設定しているのは、

 

重症-軽症まで、どんなタイプの糖尿人でも、

この設定なら、ほとんどの人が

 

食後血糖値160mg/dl未満

を達成できるからです。



Q2. 少なければ少ないほど

良いのでしょうか?(極端にはゼロでも)


理論的には必須糖質はゼロでOKです。

しかし、ヒトは、

ビタミンCと食物繊維

を食物から摂取する必要があります。


そうすると、

必然的に葉野菜、

ブロッコリー、ピーマン、ゴーヤなどの

糖質含有量の少ない野菜や、

 

海藻、茸、ナッツ類などを

摂取することとなります。


従って野菜や海藻や茸分の糖質は、

必然的に摂取されることとなります。



1日2食の、江部康二の糖質摂取量は、

<10g×2/日>くらいです。



脂質とタンパク質に関しては、

肉類、魚貝類、卵製品、乳製品、

大豆製品は毎日充分量を食べています。



Q3. 適正な糖質摂取量の指標

になるものはあるのでしょうか?



食後ピーク血糖値140mg/dl以下なら、

国際糖尿病連合の目標を

軽くクリアしているので素晴らしいです。



短期的な治療量と長期の維持量ですが、

私は日々の毎回の食事の目標をクリア

する糖質摂取量の積み重ねが

 

そのまま長期の維持量になると考えています。



つまり、

毎回の食事で食後血糖値160mg/dl未満

をクリアする糖質量を摂取して、

 

それを日々積み重ねていけば、

数年、10年、20年・・・

と続いていきます。


糖質量の下限ですが、

1回の食事ならゼロでも大丈夫です。

 

しかし、1日を通したら、

野菜や海藻などで、

食物繊維とビタミンCの補充は必要なので、

どうしても糖質0にはなりません。

 

 

【引用文献】

ドクター江部の糖質オフ!健康ライフ vol.1071

日本糖質制限医療推進協会
 
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一部、改編しています。
過去の江部康二先生のブログからの
記事もお読みください。