糖尿病、肥満、膵臓がんの関連性が明らかに

 

 

2型糖尿病の患者や肥満者では

膵臓がんのリスクが高い

ことが知られています。

 

 

詳しいメカニズムが

わかっていませんでした。

 

 

 

今回、そのメカニズムの一つが解明。

 

 

インスリン値が高くなる

「高インスリン血症」が、

 

消化液を産生している

膵外分泌細胞の炎症を引き起こし、

前がん状態につながると。

 

 

カナダ、ブリティッシュコロンビア大学発

 

 

 

糖尿病はインスリンの作用が低下

するために高血糖になる病気。

 

 

インスリンの作用が低下する原因として、

 

膵臓にあるインスリン分泌細胞が疲弊して

インスリンの量が不足する場合と

 

インスリンに対する

組織の感受性が低下する場合が。

インスリン抵抗性

 

 

膵臓には

 

インスリンを産生する内分泌細胞と、

 

タンパク分解酵素、

脂肪分解酵素、デンプン分解酵素を

産生する外分泌細胞

 

2種類があります。

 

 

 

 

インスリンの感受性が低下する

インスリン抵抗性があると、

 

代償的にインスリンの分泌量が増えて

「高インスリン血症」に。

 

その状態が長引くと

内分泌細胞が疲弊してしまい、

インスリンの量も低下していき、

さらに糖尿病が悪化します。

 

 

しかし、高インスリン血症は

内分泌細胞だけでなく、

外分泌細胞にも悪影響を及ぼすことが判明。

 

 

過剰なインスリンが

膵外分泌細胞を刺激して炎症を引き起こす


研究グループの責任者は
 

「肥満者数と2型糖尿病患者数が

急速な増加しており、

 

膵臓がんにかかる率も驚くほど上昇してきている。」

 

 

「インスリン血中濃度を減らすためには

食事や運動が有効。

 

場合によっては薬物を用いるという介入も」。

 

 

膵臓がんは5年生存率は20%、

2030年までにがん死亡原因の第2位

になるとの予測も。

 

研究チームは現在、

膵臓がん患者に対して内分泌専門医の介入により、

血糖値とインスリンレベルをコントロールすることで

治療成績が上がるか、

 

他施設との共同臨床試験を進めている。

 

 

【引用文献】

高インスリン血症は腺房インスリン受容体を介して作用し、消化酵素の産生と炎症を増加させることで膵臓がんを引き起こす(仮邦題)

Hyperinsulinemia acts via acinar insulin receptors to initiate pancreatic cancer by increasing digestive enzyme production and inflammation.

 

 

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糖尿病とがん

過去の記事も参照ください。