【8425】みずほリース/三割増資で丸紅の持分法適用化、航空機・不動産牽引で希薄化を打ち返す。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8425】みずほリース(東証プライム)  OP

現在値   1,023円/100株   P/E 6.69  P/B 0.80 3月・9月配当 株主優待なし

みずほ(旧興銀)系。総合金融サービス会社化を目指す。
配当は3月末・9月末の年2回合計40円のため、配当利回りは3.91%となります。
みずほリースは株主優待を導入しておりましたが、2023年度進呈分を以って廃止しています。

 

業績を確認していきます。 

■2022年3月期 売上高 5,548億円、経常利益 200億円 EPS 61.6円 

■2023年3月期 売上高 5,297億円、経常利益 401億円 EPS 117.4円 

■2024年3月期 売上高 6,561億円、経常利益 508億円 EPS 145.1円 

■2025年3月期 売上高 (非公表)億円、経常利益 550億円 EPS 135.3円 ce

□2024年6月1Q 売上高 1,282億円、経常利益 133億円 EPS 39.1円(8/6)

□2024年9月2Q 売上高 3,000億円、経常利益 260億円 EPS 64.1円 四e


2024年3月期の売上高はYoY+23.9%の6,561億円、経常利益はYoY+26.9%の508億円となり、対前・対計画で増益となりました。売上については、国内リースは横這い圏ながらも一過性の解約益で増益となったほか、海外案件の減損のあった不動産も丸紅合弁会社を活用したREIT/ファンド向けが堅調に推移しました。航空機もAircastleが回復したほか、買収したRent Alphaも一部寄与しました。なお、期末の営業資産残高についてはYoY+10.8%の28,588億円に伸長しました。

 

進行期である2025年3月期の予算については、売上高非開示ながらも、経常利益はYoY+8.1%の550億円を見込んでいます。国内リースは解約益剥落も、不動産は傘下エム・エルリースの残高急伸や、持分法の日鉄興和不動産の業績好調が牽引します。このほか、航空機のRent Alphaの通期貢献、Aircastleの回復持続にくわえ、昨年あらたに持分法適用化したジェコスも通期貢献します。なお8月6日に公表済の1Qは経常益133億円で進捗しており、順調に進捗しています。


当社は2026年3月期を最終年度とする“第7次中計”では、3箇年で純利益を284億円→420億円に、ROAを1.4%→1.6%に、ROE11.8%→12%以上に引き上げる計画です。粗利の8割程度を占めるコア事業は、従来型の国内リースや不動産分野は単純に残高増を目指す一方、海外リース・航空機・環境エネルギー分野といったグロース分野へのリソース配分を強化し、コア:グロースの粗利比率を7:3まで再構成します。

 

コア事業である国内外リース等はみずほFG案件の強化のほか、本年5月には丸紅と資本業務提携を締結しており、丸紅は約500億円を投じて当社持分を引き上げ(4.4%→約20%)、持分法適用に収めています。これにより丸紅から副社長を含む専門人材を10名以上受け入れ協業推進することで、海外案件等の取組強化を図ります。不動産についてはファンド/REIT向けブリッジのほか、出資先の日鉄興和不動産とCRE等での協業強化が主であり、21年に三井不動産と取得した日本製鉄工場跡地(舟渡)には延床8万坪級の超大型・先進物流施設を開発しており、今秋竣工予定となっています。

 

グロース事業については、航空機リース中核のAircastleを中心とした航空機周辺ビジネスへの拡大やJOLCO/JOL開始だけでなく、JFE系の重仮設&建機会社であるジェコス(9991)の持分取得(20%)やインドの機器設備リース上位のRent Alphaの買収(54.7%)といったインオーガニック施策による非連続の成長を目指します。環境エネルギー分野では再エネ発電量1GWを目指して丸紅ルートを活用した電源確保とみずほFG顧客への再エネ供給のバリューチェーン構築を目指します。

 

株主還元については、今次中計から配当性向を25%から段階的に30%まで引き上げてく方針としており、進行期は1円60銭増配となる年40円配当を予想しています。23期連続の増配となる見通しであるものの微増配予想であり、これは上述の丸紅らを相手先とする三割増資で15%程の希薄化が発生していることに由ります(配当性向28.7%)。


*参考記事① 2023-08-07  948円*分割遡及修正済 OP

【8425】みずほリース/Aircastle軸に航空機リースが回復、中計前倒し&還元強化路線へ。

 

*参考記事② 2023-03-09  739円*分割遡及修正済 OP

【8425】みずほリース/持分法各社の取込利益が増加、更なる増配が期待出来よう。

 

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