【4923】コタ(東証プライム) NT
現在値 1,636円/100株 P/E 33.4 P/B 4.43 3月配当優待
美容室向けヘア化粧品の製造・販売。一括販売とバーター無料コンサルの「旬報店」に特徴。
配当は3末一括の20円のため、配当利回りは1.22%となります。
コタは株主優待制度を実施しており、3月末の単元株主に対して5,000円相当の自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約4.27%となります。なお、3年以上の長期保有で進呈額が8,000円となるため、その際の利回りは約6.11%となります。
業績は以下のとおりです。企業会計基準29号・30号を適用しています。
■2022年3月期 売上高 86.9億円、経常利益 21.7億円 EPS 59.6円
■2023年3月期 売上高 88.0億円、経常利益 21.1億円 EPS 60.1円
■2024年3月期 売上高 91.3億円、経常利益 19.5億円 EPS 47.7円
■2025年3月期 売上高 96.6億円、経常利益 19.8億円 EPS 48.8円 ce
□2024年6月1Q 売上高 14.9億円、経常利益▲1.0億円 EPS▲2.8円(7/31)
□2024年9月2Q 売上高 36.0億円、経常利益 3.1億円 EPS 7.3円 四e
2024年3月期の売上高はYoY+3.8%の91.3億円、経常利益はYoY▲7.7%の19.5億円となり、26期連続の増収も期初予想を下回りました。主力品のシャンプー/コンディショナーは主力の「コタアイケア」な好調だったほか、整髪系トイレタリー新商材「バウンスアップ」も堅調に推移しました。他方でカラー剤、育毛剤、パーマ剤は前年割れとなり、各商材でまちまちとなりました。利益面については、原価増と人件費増が圧迫する形で、増収ながらも連続減益となりました。
進行期である2025年3月期の予算については、売上高はYoY+5.7%の96.6億円、経常利益はYoY+1.6%の19.8億円を予想しています。主力の「コタクチュール」の拡販を図るとともに、低調なカラー剤梃入れのため新商材「ニュート グレイ」を投入します。利益面については、待遇改善による人件費増基調が継続するものの、価格転嫁による採算性改善のほか、設備投資一巡で微増益と見込みます。7月31日開示済の1Qは売上高14.9億円&経常益▲1.0億円と低調なスタートを切っています。
当社は中計等を公表しておらず、年限無しの目標として「経常利益率15%以上、ROE10%以上」を定めているものの、既に両指標とも過達状態のため“形骸化”しています。当社は顧客である美容院に対して、「旬報店」と称する顧客管理システムと店舗経営コンサルを無償で提供する一方、専売を強いる特殊なモデルを採っています。「旬報店」は1,620店程ながら全社売上高の65%を占める優良販路でありながら積極拡大しておらず、将来のタネ撒きのため他社製品も取り扱う単純取扱店の拡大に注力しています。
設備投資については、生産能力増強のため2012年に京都工場を竣工させたほか、相次いでラインやタンクも増設し、昨年は工場隣地に倉庫も取得しており、当面の拡販に対応出来るレベルの生産能力を既に確保しています。また2021年には京都に「COTA KYOTO Lab.」という基礎研究のためのR&Dセンターも開設していることから、減価償却費負担が先行して重くなっています(年▲3.8億円)。
財務面は2021年に自社株活用によるMSワラントを実施したこともあり、自己資本比率は74.6%まで改善しています。配当は年20円配(配当性向40.9%)を据え置いているものの、当社は例年3月に1:1.1の株式分割を実施していることから、表面額据置の場合でも実質的な累進配当状態が継続する見通しです。
*参考記事① 2023-08-23 1,592円 OP
【4923】コタ/25期連続増収達成も、人件費や償却費等の増加で減益基調が継続。
*参考記事② 2022-08-20 1,585円 OP
【4923】コタ/足許は新製品投入の反動減大きく、2Q以降の回復を確認したい。
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