【2937】サンクゼール/巣ごもり反動や生活防衛意識の高まりで逆風、はや通期未達圏の情勢。 | なちゅの市川綜合研究所

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【2937】サンクゼール(東証GRT) NT 

現在値 2,025円/100株  P/E 21.6 P/B 4.13 3月配当 株主優待あり


食のSPA。FC軸に和食材「久世福商店」等。EC、卸売りも。海外事業を育成。
配当は3月末一括の年35円配であり、配当利回りは1.73%となっています。

 

サンクゼールは半年以上単元株を保有する3月末時点の株主に対し、2,500円相当の自社製品を進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.96%となります。
 

業績を確認していきます。

■2022年3月期 売上高 141.6億円、営業利益 13.1億円 EPS 122.9円 

■2023年3月期 売上高 178.6億円、営業利益 15.9億円 EPS 132.7円

■2024年3月期 売上高 191.6億円、営業利益 12.8億円 EPS 89.4円 

■2025年3月期 売上高 209.1億円、営業利益 13.4億円 EPS 92.1円  ce

□2024年6月1Q 売上高 45.9億円、営業利益 0.8億円 EPS 8.6円(8/6)   

□2024年9月2Q 売上高 99.0億円、営業利益 7.0億円 EPS 48.7円 四e   

 

2024年3月期の売上高はYoY+7.3%の191.6億円、営業利益はYoY▲19.4%の12.8億円となり、対前・対計画で減益となりました。生活防衛意識の高まりで客離れが発生し、直営&FC店のSSSは98.6%と前年割れとなり、年末から定番48品目で値下げを実施したものの、入客数はYoY96.9%まで減少しました。コストコ卸しの海外こそ有意に伸長したものの、ECは微増、ホールセールも小幅増止まりでした。なお、FCを中心に店舗数は純増13となり、総店舗数は171となりました。


進行期である2025年3月期の予算は、売上高がYoY+9.1%の209.1億円、営業利益はYoY+4.1%の13.4億円を予想しています。出店は前年並みの11店を見込むほか、低調な既存店に関しては横ばい想定でセットする一方、ホールセールと海外のみ買収効果等で2割以上の増収を見込みます。利益面についても商品入れ替えに伴う販促費負担や、ベースアップ影響もあり、戻りが鈍くなります。尚、8月6日に開示済の1Qは売上高45.9億円&営業益0.8億円と大幅減益となっており、通期未達が確定的な情勢です。

 

当社は業績面の定量目標こそ無いものの、向こう5年先までの中期経営方針をローリング方式で公表しています。国内における取組事項は①上顧客構成比増加、②サプライチェーンDX網の構築、③MeKELの本格化、④M&Aの4軸を掲げており、同様に海外についても米国・アジアでのブランド認知とM&Aに取り組む方針です。基本的には出店による外部成長施策が中心であり、年に10店程を出店する計画としています。

 

①は58万人を擁するアプリ会員向けの中でも、2,500人の限定会員に向けた双方向型プログラムFan-Based Community Program“の活用により、商品・サービスへの随時反映や、双方向型対話によるロイヤリティの醸成を図ります。②は生産管理PFをサプライヤー側工場への導入を進め、現状の導入率62%の引き上げを図ります。他方、新業態③MeKELは既に撤退が決定しており(2Qで減損計上予定)、第三の柱へ育成を企図したものの、あえなく頓挫しています。


財務状況については、2022年のIPO時に20億円程を調達していることもあり、ネット無借金&自己資本比率50.3%と良好な水準を維持しています。そのため、進行期に関しては業績未達が濃厚であるものの、配当予想の年35円(配当性向38.0%)に関しては問題なく守られる公算が高そうです。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。


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