【7513】コジマ/AV機器の買替サイクル長期化で郊外店は苦戦、好採算の白物家電に注力。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7513】コジマ(東証プライム) NT

現在値 940円/100株  P/E 24.2  P/B 1.13 8月配当 株主優待あり

郊外型の家電量販店中堅。12年ビックカメラ傘下入り、商品構成や売り場を改革。
配当は8月末の年1回14円配のため、配当利回りは1.49%となります。

コジマは株主優待を実施しており、2月末・8月末に100株以上を保有する株主に対し、年1,000円分の優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.61%となります。なお1年以上の長期保有で+1,000円、2年以上の長期保有で+2,000円が追加されるため、配当優待利回りは最大で約5.74%まで上昇します。

業績を確認していきます。 

■2021年8月期 売上高 2,975億円、営業利益 88.6億円、EPS 81.4円 

■2022年8月期 売上高 2,793億円、営業利益 81.0億円、EPS 74.7円 

■2023年8月期 売上高 2,678億円、営業利益 48.1億円、EPS 37.1円 

■2024年8月期 売上高 2,638億円、営業利益 46.0億円、EPS 38.8円 ce修正
□2024年2月中 売上高 1,298億円、営業利益 21.8億円、EPS 21.1円  

2024年2月期の売上高は、YoY▲5.5%の1,298億円、営業利益は同▲12.5%の21.8億円となり、対前・対計画で減収減益となりました。引き続き“巣ごもり”反動減がきつく、TVやPCの買い替えサイクル長期化の影響で通期SSSは93.0%止まりとなりました。商品別ではゲームYoY65.8%、PC同78.1%、TV同88.0%とAV関連が軒並み低調となり、洗濯機・冷蔵庫は相対的にマシだったものの、いずれも同90%台と前年割れとなりました。出退店は、聖蹟桜ヶ丘と新さっぽろに出店、静岡有明店を閉店し、期末店舗数は142店となりました。


進行期である2024年8月期の見通しも微修正しており、売上高はYoY▲1.5%の2,638億円(期予:2,670億円)、営業利益はYoY▲4.6%の46.0億円(期予:UNCH)を予想しています。“巣ごもり特需”の剥落と先食い反動減が想定以上に尾を引いているため、低調なAV機器ではなく、自治体の買替補助金制度が活用可能で好採算の白物家電中心に営業体制を強化します。利益面については、従業員処遇改善にともなう経費増があるものの、水道光熱費が想定以下となっていることから、利益予想は期初のものを据え置いています。

 

当社は親会社のビックカメラ・ソフマップを含めたグループ3社で2017年に物流拠点を統合し、3社合計でEC売上高2,000億円を目指していました。然しながら、経済活動正常化後は消費目的の変化と実店舗回帰でECが伸び悩んでいるほか、かといって郊外型のコジマは都心型のビックカメラより実店舗の戻りも鈍く、訪日客の取り込みも薄いため、手詰まり感が強い状況が継続しています。

 

そのため、あくまで既存店の営業力向上が全てであり、AV機器より需要が安定していて好採算の白物家電に注力しており、自社の上板橋研修センターを活用してニーズの強い省エネ商品の販売促進に繋げるほか、工事込(エアコンほか)商材への取り組みを強化します。このほか、エンタメショップ(萬屋)やブックオフといった外部テナントを転貸で誘致し、館全体の集客力アップを図るなど、足元を固めるような動きが中心となります。

 

財務状況については、ネット無借金で自己資本比率59.8%と盤石な状況を維持しているものの、配当は年14円の据置を予想しています(配当性向は36.2%)。当社の投資論点は、親会社による完全子会社化であり、同様に盤石財務&安定業績の日本BS放送(9414)とともにカタリストを孕んでいるものの、当社に関しては直近の優待拡充と足許の株価上昇から可能性はかなり低くなったものと解されます。
 

*参考記事① 2024-01-10 782円 OP

【7513】コジマ/郊外店の巣ごもり需要剥落と“先食い”反動きつい、良くて横ばい圏。

 

*参考記事② 2022-12-22  602円 OP

【7513】コジマ/郊外の巣ごもり特需剥落で、外壁リフォーム等の非家電領域を強化。

 

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