【8953】日本都市ファンド投資法人(東証REIT) OP
現在値 90,600円/1株 P/E 20.6 P/NAV 0.79 2月分配 8月分配
三菱商事とUBSとスポンサーとする商業施設特化型で、セクターでは最大規模。MMIと合併へ。
予想分配金は2月末・8月末の年2回合計4,516円配で、分配金利回りは約4.98%となります。
業績を確認します。
■2022年8月期_第41期 営業収益 411億円、経常利益 157億円 DPU 2,263円
■2023年2月期_第42期 営業収益 413億円、経常利益 159億円 DPU 2,313円
■2023年8月期_第43期 営業収益 414億円、経常利益 160億円 DPU 2,261円
■2024年2月期_第44期 営業収益 408億円、経常利益 160億円 DPU 2,270円
□2024年8月期_第45期 営業収益 404億円、経常利益 153億円 DPU 2,250円 ce修正
□2025年2月期_第46期 営業収益 407億円、経常利益 154億円 DPU 2,266円 ce
2024年2月期_第44期の落着は、営業収益は第43期比▲1.3%の408億円、経常利益は同▲0.2%の160億円とやや上振れ、分配金は同9円増配の2,270円となりました。第43期取得の8物件の巡行化と赤坂02や肥後橋01の埋め戻し、商業施設やホテル歩合の収入増のほか、水道光熱費収支が想定超に改善しました。他方、売却物件はイオンモール鶴見緑地(25%)とラウンドワン三宮店の2物件に留まり売却益差異(▲5億円)等で出来上がりは減収減益となり、内部留保はネット+1.5億円の繰入となりました。
進行中の2024年8月期_第45期の見通しも修正しており、営業収益が第44期比▲1.0%の404億円(従予:397億円)、経常利益は同▲4.5%の153億円(従予:157億円)、分配金は同20円減配の2,250円(従予:UNCH)を予想しています。売却は札幌苗穂(20%)に留まるため売却益差異(▲7億円)の減収要因が大きいものの、大阪のツイン21のパナソニック退去にともなう返床6,000坪の一部残留や4月までにレジ等6物件(130億円)を段階取得し、減収幅が改善します。他方、修繕費を前回予想比で積み増して減益幅は拡大し、内部留保(圧縮積立金とRTA等で計4.3億円)を吐き出し、分配金予想は横引きしています。
今回初公表の2025年2月期_第46期の予想は、営業収益が第45期比+0.5%の407億円、経常利益は同▲0.9%の154億円、分配金は同+16円の2,266円を見込みます。売却物件は札幌苗穂(20%)のみながら、第45期取得のレジ等物件が巡行入りするほか、ハイストリートを中心に商業賃料の回復が鮮明になっていることから、契約更改時の増賃傾向がポートフォリオを底上げして増収予想となります。利益面については、除却損やBM費用増を織り込み微減益を見込む一方、内部留保吐き出しもあり、分配金自体は微増配の計画です。
当法人は2021年にMCUBS Midcity(MMI)を吸収合併し、当初は多額の負のれんを内部留保として計上する目論見でしたが、当時の株価急変で一転して正ののれん(160億円)の計上を強いられています。そのため、税会不一致となる営業権償却が期あたり▲4億円発生しており、圧縮積立金や(過去の買収による)RTAといった内部留保吐き出しで損金算入させ、導管性と分配金水準を維持しています。
事実上のDPUフロアである2,250円の維持を念頭に、売却による含み益の顕在化と物件入替を進める方針としており、残り1,000億円を入れ替えます。当面の手当としてイオンモール札幌苗穂の分割売却(第45期~第48期)により、譲渡益で7億円/期が嵩増しされています。ただ足許の法人側アナウンスによれば、早ければ2025年8月期にもEPU(売却益除き)ベースで2,250円に届く旨が明らかにされており、モメンタムの回復に手応えが感じられます。少量ではあるものの、10億円の自社株買いも実施しており、成長局面入りが意識されます。
*参考記事① 2024-01-31 100,100円 NT
【8953】日本都市ファンド投資法人/巡行分配2,250円到達に目途、以後は売却益を配当還元へ。
*参考記事② 2023-07-29 95,000円 NT
【8953】日本都市ファンド投資法人/物件入替は半分進捗、巡行EPU2,250円の回復をみたい。
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