【8008】4℃ホールディングス(東証プライム) OP
現在値 1,943円/100株 P/E 26.0 P/B 1.08 2月配当優待 8月配当
宝飾「4℃」のエフ・ディ・シィ・プロダクツが中核。カジュアル・実用衣料の製造小売りも。
配当金は2月末・8月末の合計83円配当のため、配当利回りは4.27%となります。
4℃ホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末に単元株を保有する株主に対して2千円の株主優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.03%となります。
業績をチェックしていきます。
■2022年2月期 売上高 380億円、営業利益 17.2億円、EPS 69.5円
■2023年2月期 売上高 395億円、営業利益 19.7億円、EPS 53.6円
■2024年2月期 売上高 394億円、営業利益 21.0億円、EPS 60.6円
■2025年2月期 売上高 410億円、営業利益 23.5億円、EPS 74.6円 ce
□2024年8月2Q 売上高 200億円、営業利益 10.0億円、EPS 34.9円 ce
2024年2月期の売上高はYoY▲0.1%の394億円、営業利益はYoY+5.9%の20.9億円となり、ほぼ計画線の着地となりました。主力のジュエリー事業は、Xマス商戦でファッション向けが低調だったほか、ブライダルが大幅減となったものの、女性向けを中心としたEC販売が伸長したほか、不採算店の閉鎖等により収益性も大きく改善しました。また、アパレル事業のパレットはSSSは4年連続の対前クリア(100.1％)で増収したほか、海外生産の製造請負も販路拡大が寄与し、増収増益を確保しました。
進行期である2025年2月期の予算については、売上高がYoY+3.9%の410億円、営業利益はYoY+12.1%の23.5億円と2桁増益を予想しています。ジュエリーはセグメント名称をブランド事業へと変更し、引き続き女性客への訴求を中心にOMO戦略とEC強化を推進するほか、低調なブライダルはサイトを刷新します。アパレル事業については、前提SSS103％で連続増収を見込むほか、海外生産の価格訴求力を背景に製造請負も既存客の受注拡大と新規開拓を進める計画です。
このたび当社は2027年2月期を最終年度とする新中計を公表しており、向こう3年で売上高を394億円→450億円、営業利益20.6億円→31.0億円まで引き上げる目標です。終わった前中計では営業利益37.5億円を目標としていたものの、ジュエリー事業におけるブランドの棄損や原石等の原価高騰、挙式催行数減少によるブライダル需要の低迷で大幅未達となった経緯があるため、今次中計期間はこうした事業環境の変化を踏まえた“地固め”としての位置付けとなります。
今次中計では延べ36億円を投資する計画であり、①人材投資、②ブランド＆マーケティング投資、③出店投資、④システム・DX投資に振り向けます。①の人材に関してはベースアップの実施、年間休日数の5日増、初任給の引き上げにくわえ教育体制の構築を図り、離職率の低下を目指します。
➁ブランドに関しては、蒸発してしまった男性向けの4℃ギフト需要(当初構成比4割)を諦め、女性客の支持拡大に向けたファッションジュエリーの拡充や百貨店・EC販路の拡充、リピート購買誘引のため新規商品比率を2割から6割に引き上げる方針です。なお、ブランド刷新の象徴として、本年3月には4℃の銀座旗艦店を改装開業しており、足許では好調に推移している模様です(改装前比+31％)。
アパレル事業については、地盤の関西圏からの“東進”を進めており、東京23区外と神奈川北部を出店エリア候補に、年10店をドミナント方式での出店を進めるとともに、部門売上高を向こう3年で152億円→184億円に引き上げる計画です。関東ではしまむらやパシオスらと競合するものの、終わった期で実施した値上げ影響を無事にこなして前年をクリアしたことから、今後は大型チラシの投入等による客数増やこども服(靴下)のMD拡充で来店頻度向上を目指します。
財務状況については、自己資本比率は76.2%で安定的な状況となっています。株主還元については、DOE4%と将来の年100円配当を掲げるとともに、進行期は横引きの年83円を予想しています。連続増配記録は11期で既にストップしており、配当性向100％を超える“タコ配”が常態化しているものの、会社側では現時点でも“年100円配当”の旗を下ろしておらず、要時間ながら2030年頃を目標としているものと解されます。
*参考記事① 2024-01-24 2,008円 OP
【8008】4℃ホールディングス/中計は未達確定的だが、“匿名宝飾店”も話題で本業持ち直し気配。
*参考記事② 2023-07-10 1,943円 NT
【8008】4℃ホールディングス/11期連続増配でストップも、足許業績は顕著な回復が確認される。
*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 
特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
