【8008】4℃ホールディングス(東証プライム) OP
現在値 2,008円/100株 P/E 33.1 P/B 1.14 2月配当優待 8月配当
宝飾「4℃」のエフ・ディ・シィ・プロダクツが中核。カジュアル・実用衣料の製造小売りも。
配当金は2月末・8月末の合計83円配当のため、配当利回りは4.13%となります。
4℃ホールディングスは株主優待制度を実施しており、2月末に単元株を保有する株主に対して2千円の株主優待券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約5.12%となります。
業績をチェックしていきます。
■2021年2月期 売上高 394億円、営業利益 27.6億円、EPS 75.0円
■2022年2月期 売上高 380億円、営業利益 17.2億円、EPS 69.5円
■2023年2月期 売上高 395億円、営業利益 19.7億円、EPS 53.6円
■2024年2月期 売上高 400億円、営業利益 21.0億円、EPS 60.6円 ce
□2023年8月2Q 売上高 191億円、営業利益 10.6億円、EPS 32.4円
□2023年11月3Q 売上高 286億円、営業利益 13.3億円、EPS 42.9円(1/9)
2023年8月中間期の売上高はYoY+3.2%の191億円、営業利益はYoY+65.7%の10.6億円となり、期初予想を上振れました。主力のジュエリー事業は、ファッション向け強化が奏功し、女性向け・EC販売が伸長したほか、店舗減のブライダルも減収ながらも収益性が改善しました。他方、アパレル事業のパレットはSSSが増収したほか、海外生産強化と原材料高の価格転嫁が進んだことから、利益面では一段増となりました。
2024年2月期の通期見通しは据え置いており、売上高はYoY+1.2%の400億円、営業利益はYoY+6.1%の21.0億円を予想しています。ジュエリー事業は低調なブライダルの店舗集約で減収を見込むものの、女性向け自家需要やEC販売へのシフトが進み、採算性が改善します。アパレル事業については、実用衣料のパレットを10店出店するほか、海外生産拠点の強化とMD対策で増収増益を見込みます。なお1月9日に公表済の3Qによれば、売上高286億円&営業益13.3億円で進捗しています。
進行期は3年中計の最終年度の位置付けであり、当初計画で売上高を394億円→450億円、営業利益27.6億円→37.5億円まで引き上げる目標としていましたが、進行期予算に照らせば売上・利益ともに大幅な未達が確定的な情勢です。新型肺炎禍後の中計であり、当初1~2年は低調な前提で計画組みしていたものの、ジュエリー事業におけるブランドの棄損や原石等の原価高騰、挙式催行数減少によるブライダル需要の低迷が想定以上に深刻化しました。
ジュエリー事業は4℃のリブランディングを進めており、蒸発してしまった男性向けのギフト需要(当初構成比4割)を諦め、女性の自家需要に移行しています。これに伴い、シンプルなデザインの普段遣い商品の強化や、休止ブランド(RUGIADA)の復刻などMDの拡充を図っています。また、ブランドロイヤリティを根付かせるために昨年9月に“匿名宝飾店”を企画して話題を集めたほか、3月には銀座旗艦店を改装開業する予定となっています。
アパレル事業については、地盤の関西圏を脱却して“東進”を進めており、東京23区外と神奈川北部を出店エリア候補に、5~10店のドミナント方式での出店を進めるとともに、部門売上高を向こう3年で143億円→200億円に引き上げる計画です。関東ではしまむらやパシオスと競合することから、価格競争力の高いバングラディシュ工場のOEM供給強化とともに、出店増によるスケール化と原価率低減により、基本的には価格訴求型で展開します。
財務状況については、自己資本比率は73.5%で安定的な状況となっています。株主還元については、DOE4%と将来の年100円配当を掲げるとともに、進行期は横引きの年83円を予想しています。連続増配記録は11期で既にストップしており、配当性向100%を超える“タコ配”が常態化していることから、増配基調の復帰までには要時間と解されます。
*参考記事① 2023-07-10 1,943 NT
【8008】4℃ホールディングス/11期連続増配でストップも、足許業績は顕著な回復が確認される。
*参考記事② 2023-01-13 1,711円 NT
【8008】4℃ホールディングス/クリスマス需要不発で、12期連続の増配は“黄信号”か。
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