【8963】インヴィンシブル投資法人/ホテル市況が沸騰、ADR好伸&GOP改善で更に上昇。 | なちゅの市川綜合研究所

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【8963】インヴィンシブル投資法人(東証REIT) BY

現在値 68,400円/1株  P/E 19.5 P/NAV 1.14  6月分配優待 12月分配優待

フォートレスを主スポンサーとする総合型リート。ホテルが8割、住宅が2割。

分配金は年2回・合計3,506円(1,767円+1,739円)配のため分配金利回りは約5.13%となります。

 

インヴィンシブル投資法人は投資主優待制度を導入しており、6末・12末の単元投資主に対して、当法人保有ホテルと一部のパイプライン物件のホテル宿泊について、ベスト・アベイラブル・レートから10%割引で予約が出来るサイトのコードを進呈しています。

業績を確認していきます。 

■2022年06月期_第38期 営業収益 76.8億円、経常利益 10.1億円 DPU 167円 

■2022年12月期_第39期 営業収益 119億円、経常利益 50.7億円 DPU 832円 

■2023年06月期_第40期 営業収益 159億円、経常利益 89.1億円 DPU 1,462円

■2023年12月期_第41期 営業収益 188億円、経常利益 110.3億円 DPU 1,640円

□2024年06月期_第42期 営業収益 201億円、経常利益 118.8億円 DPU 1,767円ce修正

□2024年12月期_第43期 営業収益 202億円、経常利益 116.9億円 DPU 1,739円ce


2023年12月期_第40期の営業収益は第39期比+18.2%の188億円、経常利益は同+23.8%の110.3億円で着地し、分配金も同+177円の1,639円と対前・対予想で大幅な増収増益となりました。国内ホテル75物件の稼働率は2019年比▲5.7pptの82.7%に留まったものの、ADRは同+19.2%の12,649円、RevPARは同+11.5円の10,462円に急伸したほか、主要オペレーターのMHMのGOP向上策も奏功し、歩合賃料は一段増となりました。他方、ケイマン2物件も回復が続き、RevPARは2019年比32.3%の39,709円と大幅増となりました。
 

進行期である2024年6月期_第41期も修正しており、営業収益は前年同期間である第39期比+26.9%の201億円(従予:177億円)、経常利益は同+33.3%の118.8億円(従予:95.8億円)、分配金は同+20.7%の1,767円(従予:1,441円)に増額しています。前年8月PO(※後述)による取得物件がフル寄与し、前提の国内ホテル75物件RevPARは同+933円の9,705円、ケイマンRevPARも同+5,798円の61,460円とそれぞれ上伸を見込むものの、開示済の月次実勢比を鑑みれば上振れ公算が高いものと解されます。

 

なお今回公表の翌2024年12月期_第42期の予想については、営業収益が第41期比+0.3%の202億円、経常利益は同▲1.6%の116.9億円、分配金は同▲1.6%の1,739円を見込んでいます。繁忙期の夏場を跨ぐことから、国内ホテル75物件RevPARは前年同期間比+681円の11,143円と一段増を見込むものの、一部客室が改装売り止め&ドル円135円想定のケイマンRevPARは同▲3,985円の35,724円と減収想定で予算組みをしています。

 

当社は8月のグローバルPO(144A)で330億円程を調達し、合計6物件を572億円(鑑定NOI6.0%)で取得しています。最も高額な石垣島の“フサキビーチリゾート ホテル&ヴィラズ(群)”は402億円(鑑定NOI5.6%)で利回り面ではアクリーティブながらも、最も古い“ガーデンヴィラズ”は築年数40年超でなんとか新耐震基準という際どい物件取得となっています。昨年夏は台風影響があったほか、国際線が休止状態であるものの、鑑定並みGOPを確保しており、アップサイド含みと解されます。

 

海外のケイマン2物件もまたパイロット不足による就航便数減少影響やマリオット内のリワード競合(カリブ海域)を受けているものの、為替の追い風影響もあり、ADRもRevPARもYoYで3割を超える高水準で推移しています。アップサイドとなるウエスティン棟の増築計画についても、駐車場アクセスや周辺交通の確保、工期中のウミガメ対策などの条件付での政府承認が一旦下りていたものの、再度“物言い”が付いてるため、要時間となります。

 

なお目下の投資口価格はJ-REIT最大のNAVプレミアム水準(1.14倍)を維持しており、潤沢なスポンサーパイプライン(60物件、6,800室)を鑑みれば、引き続き公募増資による外部成長が期待出来ます。リファイナンスリスクも急速に後退しているほか、内部成長でも力強いトップライン成長が見込まれることから、引き続き強含みの展開が予想されます。
 

*参考記事① 2023-12-11 59,000円 OP

【8963】インヴィンシブル投資法人/GPOで330億円を調達、当面は死角の少ない状況が続こう。

 

*参考記事② 2023-06-13  57,000円 OP

【8963】インヴィンシブル投資法人/国内外ホテルが絶好調で再増配含み、外部成長が視野に入ろう。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。 特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

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