【8963】インヴィンシブル投資法人(東証REIT) BY
現在値 59,000円/1株 P/E 20.4 P/NAV 1.01 6月分配優待 12月分配優待
フォートレスを主スポンサーとする総合型リート。ホテルが8割、住宅が2割。
分配金は年2回・合計2,907円(1,441円+1,466円)配のため分配金利回りは約4.93%となります。
インヴィンシブル投資法人は投資主優待制度を導入しており、6末・12末の単元投資主に対して、当法人保有ホテルと一部のパイプライン物件のホテル宿泊について、ベスト・アベイラブル・レートから10%割引で予約が出来るサイトのコードを進呈しています。
業績を確認していきます。
■2021年12月期_第37期 営業収益 84.0億円、経常利益 10.1億円 DPU 166円
■2022年06月期_第38期 営業収益 76.8億円、経常利益 10.1億円 DPU 167円
■2022年12月期_第39期 営業収益 119億円、経常利益 50.7億円 DPU 832円
■2023年06月期_第40期 営業収益 159億円、経常利益 89.1億円 DPU 1,462円
□2023年12月期_第41期 営業収益 177億円、経常利益 95.8億円 DPU 1,441円ce修正
□2024年06月期_第42期 営業収益 180億円、経常利益 98.5億円 DPU 1,466円 ce
2023年6月期_第40期の営業収益は第39期比+33.4%の159億円、経常利益は同+75.6%の89.1億円で着地し、分配金も同+632円の1,464円と大幅な増収増益・増配となりました。予算前提RevPARは平時比84%に対し、国内ホテル75物件の稼働率は前年同期間比+19.2pptの80.7%、ADRは同+3,364円の10,868円、RevPARは+4,156円の8,772円となり、平時並まで完全回復しました。主要オペレーターのMHMから収受する賃料は、固定分に迫る歩合賃料を別途計上したほか、政府制限が長引いたケイマン2物件も持ち直し、RevPARは平時の120%に到達しました。
進行期である2023年12月期_第40期も修正しており、営業収益は前年同期間である第38期比+49.1%の177億円(従予:134億円)、経常利益は同+88.9%の95.8億円(従予:62.3億円)、分配金は同+609円の1,441円(従予:1,037円)に増額しています。8月PO(※後述)により大幅な増収増益となる想定であり、前提の国内ホテル75物件RevPARは同+2,043円の9,787円と平時超過、営業制限の無くなるケイマンRevPARは同+8,291円の38,294円と大きく跳躍する見通しを置いています。
今回公表の翌2024年6月期_第41期の予想については、営業収益が第40期比+1.2%の180億円、経常利益は同+2.8の98.5億円、分配金は同+25円の1,466円を見込んでいます。2023年8月PO物件の固都税費用化が発生する一方で賃料はフル算入となるほか、国内ホテル75物件RevPARは前年同期間比+314円の9,086円、ケイマンRevPARは同+8,488円と更に鋭角的な回復を織り込みます。
当社は8月のグローバルPO(144A)で330億円程を調達し、合計6物件を572億円(鑑定NOI5.9%)で取得しています。最も高額な石垣島の“フサキビーチリゾート ホテル&ヴィラズ”は402億円(鑑定NOI5.6%)であり、取得後は投資法人最大の旗艦物件となるもののの、ホテル施設群の中でで最も古い“ガーデンヴィラズ”の築年数は40年を超えており、ギリギリ新耐震以降というREITらしからぬ物件となっています。それでも、円安影響でアウトバウンドが回復しない中で国内客の沖縄の代替需要は大きく、ディールとしては好感されて札を集めました。
海外のケイマン2物件は、昨年8月の旅行規制完全撤廃以降は急速に回復しています。古いリンシャイン棟が競合激化による回復が遅れで稼働率がやや低調に推移しているものの、ADRはYoYで3割を超える水準で推移しており、RevPARも同2桁成長を続けています。アップサイドとなるウエスティン棟の増築計画についても、駐車場アクセスや周辺交通の確保、工期中のウミガメ対策などの条件付での政府承認が下りており、収益性の見積段階に移行した状況です。
かような状況から8月PO後も投資口価格はNAV水準を維持しており、引き続き公募増資による外部成長が期待出来ます。また、業容の急好転からリファイナンスリスクも急速に後退しているほか、内部成長でも力強いトップライン成長が見込まれることから、他REITと比べても当面は死角の少ない状況が続くものと考えています。
*参考記事① 2023-06-13 57,000円 OP
【8963】インヴィンシブル投資法人/国内外ホテルが絶好調で再増配含み、外部成長が視野に入ろう。
*参考記事② 2022-06-07 42,800円 OP
【8963】インヴィンシブル投資法人/足許RevPAR急回復も、水光熱費等の原価増が懸念点。
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