【4927】ポーラ・オルビスホールディングス(東証プライム) OP
現在値 1,448円/100株 P/E 27.6 P/B 1.96 12月配当株主優待 6月配当
化粧品4位。高級品のPOLA、通販のORBISが2大ブランド。THREEを育成。
配当金は6月末・12月末の年52円で、配当利回りは約3.59%となります。
ポーラ・オルビスHDは株主優待制度を実施しており、12月末に単元株を保有する株主に対して1,500円分のポイント、3年超保有の場合は3,500円分のポイントを進呈しているため、配当優待利回りはそれぞれ約4.62%、約6.00%となります。
業績を確認していきます。
■2021年12月期 売上高 1,786億円、営業利益 168億円 EPS 53.0円
■2022年12月期 売上高 1,663億円、営業利益 125億円 EPS 51.7円
■2023年12月期 売上高 1,733億円、営業利益 160億円 EPS 43.6円
■2024年12月期 売上高 1,790億円、営業利益 179億円 EPS 52.4円 ce
□2024年3月1Q 売上高 408億円、営業利益 33.5億円 EPS 14.1円(5/9)
□2024年6月2Q 売上高 900億円、営業利益 94.0億円 EPS 22.6円 四e
2023年12月期の売上高はYoY+4.2%の1,733億円、営業利益はYoY+27.8%の160億円となり、対計画は減収ながらも、対前では増収増益となりました。旗艦のPOLAは、中国本土における処理水問題や景況感悪化によるマインド低下影響を受けたものの、国内は委託販売減少に改善がみられたほか、ECが堅調に推移しました。また、ORBISも新規顧客増で好調だった一方、Jurliqueや育成中のTHREE、DECENCIAも増収ながら赤字継続となりました。
進行期である2024年12月期の予算については、売上高がYoY+3.3%の1,790億円、営業利益はYoY+11.3%の179億円を見込んでいます。POLAは“ポーラレディ”の減少に歯止めのかからないものの、好調なECを核としたOMO推進や最重点市場である中国の底入れを待つ格好です。好調続く直販のORBISに関しては販売チャネル拡大に取り組む一方、赤字続くJurliqueの黒転は更にズレ込んで翌期となる見込みです。5月13日公表済の1Qは売上高は408億円&営業利益33.5億円と低進捗であり、旗艦のPOLAの低調が目立つ状況です。
終わった期は従前3年中計の最終年度であり、売上高を1,763億円→2,100億円へ、営業利益を137億円→252億円引き上げる計画だったものの、販売員減少による国内低調と想定超の中国回復遅れ、海外CtoC(個人間転売)向け販売の抑制等で、営業益179億円と大幅未達に終わりました。そして進行期から始まる新3年中計では、最終年度の2026年12月期に売上高を2,000億円(CAGR5%)、営業利益率を9%→12~13%に引き上げる計数としています。
取組事項としては、①“One POLA”の強化、②ORBISの商材拡充、③育成ブランドの黒字化の3点が挙げられています。①は高齢化等によりポーラレディの減少傾向が続いていることから、好調なECを入口とした集客増に取り組む方針であり、OMOの一環として駅ビル出店により若年層との接点強化を図るだけでなく、サロン型実店舗を増店します。また、②のORBISは足許好調なことから、化粧品の枠を超えたスキンケアや美白といった美肌領域の商品拡充を図ります。
③の育成ブランドについては、Amplitudeを既に展開終了しており、黒字化がメドが2025年まで大きくズレ込んでいるブランド再生中のTHREEについては、ビューティー(メイク)市場からウェルネス(精油、香り)市場にドメインを変更し、25年の黒字化を見込みます。38億円で買収したFUJIMI(トリコ)に関しては、プロテインに軸足を変更し、24年の黒字化を目指すこととしています。
財務状況については、ほぼ無借金で現金460億円超を丸抱えしているほか、銀座・五反田・青山・渋谷の一等地にも不動産を保有しており、自己資本比率も81%超を堅持しています。そのため、株主還元ポリシーとして「配当性向60%超」を定めており、目下の予想配当は配当性向100%となる年52円配の据置きを見込むなど、積極還元姿勢を維持しています(当社特有の事情として、筆頭株主であるポーラ美術財団に一定額の配当金を拠出する必要があるとみられる)。
*参考記事① 2022-12-07 1,823円 OP
【4927】ポーラ・オルビスHD/POLAは国内底打ち感も、ORBISと中国市場の停滞続く。
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