【3994】マネーフォワード/2028年にEBITDA300億円をガイド、高成長と黒字化を両立。 | なちゅの市川綜合研究所

なちゅの市川綜合研究所

「別に勝たなくてもいいので、負けないこと」を志向しております。
本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報等に基づき、作成されています。
当ブログの情報に全面的に依拠することはお控えいただき、最終的なご判断はご自身でお願いいたします。

image

【3994】マネーフォワード(東証プライム) OP

現在値 5,568円/100株 P/E --.- P/B 11.3  11月無配 株主優待なし


個人向け資産管理アプリ「マネーフォワードME」と法人向け会計・人事クラウドが柱。

配当基準日は11月末ですが、配当実績はありません。


業績を確認します。 

■2021年11月期 売上高 156.3億円、営業利益▲10.6億円 EPS▲30.0円

■2022年11月期 売上高 214.7億円、営業利益▲84.6億円 EPS▲176.4円 

■2023年11月期 売上高 303.8億円、営業利益▲63.2億円 EPS▲116.9円

■2024年11月期 売上高 407.5億円、営業利益▲28.9億円 EPS▲33.2円 ce中央値

★2024年11月期 売上高 411.2億円、営業利益▲21.6億円 EPS▲44.7円 COS.

□2024年2月1Q 売上高 95.4億円、営業利益▲9.9億円 EPS▲24.3円(4/12)

□2024年5月2Q 売上高 190.0億円、営業利益▲17.0億円 EPS▲33.2円 四e

2023年11月期の売上高はYoY+41.5%の303.8億円、営業利益は同+21.4億円の▲63.2億円、SaaS_ARRは同+42%の231.5億円となり、7期連続の予算過達(*売上高)となりました。特に法人向けがインボイス導入による特需恩恵があり、ARPA上昇や低水準の解約率(0.7%)に支えられ、中堅企業/ARRは同+71%、SMB/ARRは同+46%と高成長を持続しました。個人向けも金融関連サービス連携上限策の通期化で課金売上がYoY+32%に伸長

したものの、利益面については追加的な広告費投入もあり赤字縮小は限定的となりました。

 

進行期である2024年11月期の予算は、売上高(下限値)はYoY+30.0%の395.0億円、SaaS_ARRはYoY+29.6%の300.0億円と3割成長の維持を見込みます。法人向けはインボイス特需が剥落するものの、同業他社の値上げによる流入顧客の取り込み等も進み、課金法人顧客数の成長モメンタムは足許でも加速しています。値上げしたSMB向けも顧客の離反が起こっておらず、X事業以外は総じて好調が持続します。4月14日開示済の1Qは、売上高95.4億円&営業利益▲9.9億円、SaaS_ARRは255.0億円と好進捗しているほか、EBITDAは5億円に黒転しています。

 

当社は中長期財務ターゲットとして、2024年11月期までの4年間は売上高CAGR30~40%を目指す方針としていましたが、達成公算が強まったことから今回ロールしています。2028年11月期までの5年間で売上高を407億円→1,000億円に、SaaS_ARRを300億円→800億円にに引き上げるとともに、長期的なEBITDAマージン40%~50%をガイドしています。

 

これまでトップライン重視で広告宣伝費や人件費等の先行投資により高成長路線を維持してきたものの、(SaaS銘柄に対する利益重視風潮の高まりもあり)売上成長から利益コンシャスに転換する方針します。取組事項は、①法人向けのバックオフィス機能拡充、②事業間シナジー創出、③SaaS×Fintechによる価値創出、④MAとグループ戦略の最適化の4本を柱に挙げています。

 

①は既に会員数がスケールしてきたことから、基幹機能である会計を軸とした“組み合わせ型ERP”であるプロダクトの強味を活かしたクロスセル・アップセルによりARPA増額を目指すほか、依然69億円程のARRに過ぎない中堅企業市場の深耕を図ります。③は資金決済法の改正や全銀ネットのデータ解放(API方式移行)を契機に、当社のSaaSプラットフォームの金融決済を強化します。注力中のB2B法人カードの発行枚数は既に40万枚に上ります。

 

④MAについては、2017年にクラウド記帳のクラビスを8億円で買収したほか、2018年には経営分析のナレッジラボとクラウドサポートのワクフリを、2019年にSaaSマーケティングのスマートキャンプを20億円で相次いで買収したほか、昨年11月にはビジョナル(4194)から専門サイト運営のビズヒントを買収しています。また、2022年にはインドネシアSaaSのMekariにも追加出資して筆頭株主(42.7%)成りしており、此方は長期目線で期待がかかります。

 

これら取組にくわえ、基礎となる顧客数の拡大モメンタムが目下でも衰えていないことから、新規顧客・既存顧客の両面で成長期待がかかります。かつては湯水のごとく投じていた広告宣伝費も抑制的になっていることから、年率3割超のトップライン成長を維持しながらも、翌期の黒字化は確定的な情勢と解されます(EBITDAは進行期で黒字化予定)。

 

*参考記事① 2023-04-19   5,910円 OP

【3994】マネーフォワード/法人向けARR高成長と、カードや組込型金融の急拡大が見込まれよう。

 

*本記事の内容記述は一般に入手可能な公開情報に基づき、作成されています。特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。

 

にほんブログ村 株ブログ 株主優待へ にほんブログ村 株ブログ IPO・新規公開株へ にほんブログ村 株ブログ サラリーマン投資家へ