【9319】中央倉庫 (東証プライム) OP
現在値 1,141円/100株 P/E 13.1 P/B 0.49 3月配当優待 9月配当
内陸の総合物流でトップクラス。倉庫上位の安田倉庫と連携。
配当は3月末・9月末の年2回、計30円のため、配当利回りは2.63%となります。
中央倉庫は株主優待制度を導入しており、3月末・9月末の株主に対して計1,500円分のクオカードを進呈しておりますので、配当優待利回りを算出すると約3.94%となります。
業績を確認します。
■2021年3月期 売上高 259億円、経常利益 19.2億円、EPS 68.9円
■2022年3月期 売上高 239億円、経常利益 20.8億円、EPS 71.2円
■2023年3月期 売上高 258億円、経常利益 24.3億円、EPS 90.0円
■2024年3月期 売上高 267億円、経常利益 22.0億円、EPS 86.9円 ce修正(2/9)
□2023年6月2Q 売上高 136億円、経常利益 11.9億円、EPS 42.7円
□2023年9月3Q 売上高 204億円、経常利益 17.3億円、EPS 60.8円(2/9)
2023年9月中間期の売上高はYoY+4.6%の134億円、経常利益は同▲14.9%の11.9億円となり、増収ながらも計画割れとなりました。主力の国内物流事業については、経済活動正常化に向けた在庫積み増しの動きが一巡したほか、物価高に起因した荷動き減少もあり、入庫高(同▲4.3％)/出庫高(同▲0.7%)で推移しました。また、国際貨物事業についても内需弱含みによる荷動きの悪化で、取扱高(同▲12.0%)となりました。不動産事業は共立リゾートへのホテル一棟貸しの固定資産税費用化開始で減益となりました。
なお2024年3月期の通期見通しは3Qで修正しており、売上高はYoY+3.4%の267億円(期予:275億円)、経常利益は同▲9.6%の22.0億円(期予:25.8億円)に修正しています。主力の国内物流事業において景気減速や物価高による荷動き鈍化が想定超となっており、大津新倉庫の稼働開始や豊通合弁の通期寄与で何とか増収こそ確保するものの、外注費や減価償却費・一時費用の増加により一転して減益見通しとなります。2月9日に開示済の3Q決算は売上高200億円＆経常益17.3億円となっています。
進行期は3年中計「Let's! TRY2024」の中間年度であり、翌2025年3月までに売上高を239億円→290億円、経常利益20.8億円→27.2億円まで引き上げる計画であり、従来の業績推移から非連続の成長を目指します。これは東証プライム市場への指定替えが猶予状態(売買代金不足、既に解消済)となったことが背景であり、業績向上や資本政策を含めた企業価値向上を目指すこととしています。なお、足許の下方修正により計数達成は厳しくなっている上に、会社側も最終年度の損益を犠牲にしても投資先行させる旨コメントしています。
この投資については、設備投資に110億円を投じる計画であり、昨年6月に大津市の新倉庫(延床4,000坪)を竣工させたほか、豊田通商合弁のペットボトルのリサイクル会社(持分12.5％)もフル稼働に入っています。このほか、愛知県西部において新たな倉庫事業用地(敷地5,500坪)を取得したほか、国際貨物事業に属する梱包会社のテスパット(年商8億円)を買収しており、本業伸び悩みの穴を埋めるべく業容拡大に動いています。
財務面については、ネット無借金で自己資本比率は78.5％と高水準を維持しているほか、宝HDや堀場製作所や松風等といった京都に拠点を置く取引先の有価証券を100億円弱を保有しています。今次中計では「配当下限DOE1％＆配当性向40％以上」と「持ち合い株式の削減」を掲げており、配当予想は+2円の年30円(配当性向34.5％)を予想しているものの、PBR1.0倍を大きく割り込んだ状態を改善する意向があることから、期末までにもう一歩踏み込んだ株主還元があるものとみられます。
*参考記事① 2023-10-18 1,058円 NT
【9319】中央倉庫/プライム上場要件成就も、“持ち合い“削減で株主還元の拡大が見込まれよう。
*参考記事② 2023-03-10 1,058円 NT
【9319】中央倉庫/新中計は非連続で意欲的な内容、持ち合い解消なら追加増配も期待出来よう。
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特定の証券・金融商品の売買の推奨ないし勧誘を目的としておらず、本記事に基づいて投資を行い、何らかの損害が発生した場合でも責任を負いません。
