【2751】テンポスホールディングス(東証STD) BY
現在値 2,674円/100株 P/E 18.1 P/B 2.40 4月配当 株主優待あり
中古厨房機器のリサイクル販売で独壇場。ステーキの飲食店事業も展開
配当金は年1回・4月末に10円のため、配当利回りは0.37%となります。
テンポスホールディングスは株主優待制度を導入しておりまして、単元株以上を保有する4月末株主に対し、傘下の「ステーキのあさくま」等で使える8,000円相当の食事券を進呈しておりますので、配当優待利回りは約3.36%となります。
業績を確認していきます。
■2021年4月期 売上高 270億円、経常利益 14.4億円 EPS 16.7円
■2022年4月期 売上高 290億円、経常利益 29.1億円 EPS 131.5円
■2023年4月期 売上高 312億円、経常利益 23.1億円 EPS 119.5円
■2024年4月期 売上高 386億円、経常利益 30.0億円 EPS 147.3円 ce(9/27)
□2023年7月1Q 売上高 83.3億円、経常利益 8.0億円 EPS 43.6円(9/12)
□2023年10月2Q 売上高 173億円、経常利益 14.0億円 EPS 68.5円 ce
2023年4月期の売上高はYoY+7.9%の312億円、経常利益はYoY▲20.8%の23.1億円となり、対予算で大幅未達となりました。主力の物販事業では、新型肺炎禍後に急増した中小飲食店の新規開業の動きや助成金活用による設備投資意欲が一服したほか、厨房機器の納入遅延や仕入原価増の影響を受けて減益となりました。他方、「あさくま」を中心とする飲食事業については、通常営業復帰やサラダバー拡充効果で売上が大幅に回復したものの、補助金収入の剥落や水光費増、食材費増で経常減益(営業益は増)となりました。
進行期である2024年4月期の見通しは9月27日付で修正しており、売上高はYoY+16.8%の386億円(期予:350億円)、経常利益はYoY+10.2%の30.0億円(期予:28.3億円)に修正しています。主力の物販事業については、「Dr.テンポス」の体制強化で単価の高い総合受注割合が増加傾向にあるほか、新規出店(計画10店)も寄与します。飲食子会社の「あさくま」は10ヶ月変則決算で業績寄与が減少するものの、期中に回転寿司のやまと(※後述)を本体紐付けで買収したため、同社の業績が一部寄与します。なお9月12日に開示済の1Qは、売上高83.3億円&経常利益は同8.0億円と好進捗をマークであり、上振れ含みと解されます。
当社は中計非開示としているものの、主力の厨房機器物販を軸とした提案型コンサル営業「Dr.テンポス」の強化による新規顧客数の増加と客単価引き上げを成長ドライバーに据えています。現状、客単価が250千円程度で頭打ち状態のため、「テンポスDIY」という店づくりスキームを導入し、内装工事受注から厨房機器納入まで含めた総合受注を強化し、単価2,000千円を目指す目論見です。また展開店舗数も、2027年までの都合6年間で60店→120店まで拡大すべく、年10店ペースの出店を継続するほか、100名超のぐるなび社員の出向を受け入れ、店舗集客と機器販売の“二正面作戦”で顧客開拓を図る方針です。
他方、外食事業については2019年に子会社のあさくま(持分50.8%)を上場させており、75店程を展開しています。主力のステーキ業態は他社肉業態との競合が激化していることから、社長交代とともに同業「さわやか」の営業本部長を引き抜いて経営体制を強化しており、サラダバーを15品→45品への増強や季節性高品位商品の投入、平日ランチメニューの拡充など抜本的な改革を進めています。また、当社単体でも千葉・房総を中心に回転寿司等を展開するヤマト(年商55億円/営業益3.7億円)を9月に買収しており、業容を大きく拡大させています。
財務状況については、ほぼ無借金&100億円程のネット現金を保有していることから、自己資本比率は66%と高水準を維持しています。一方、配当金は1円増配の年10円配(配当性向6.8%)と非常に低水準に留まっていますが、先述のヤマトの買収資金(買収額非公表)は手許資金で手当てした可能性があり、基本的に財務は温存意向とみられます。
*参考記事① 2022-10-15 2,283円 BY
【2751】テンポスHD/傘下・竹若を破産させるも、本業の業績回復が目覚ましく急反転へ。
*参考記事② 2021-09-28 2,235円 BY
【2751】テンポスHD/傘下・竹若を破産させるも、本業の業績回復が目覚ましく急反転へ。
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