【7494】コナカ/高効率の「DIFFERENCE」が好調、傘下サマンサの増資を18億円分引受。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7494】コナカ(東証プライム) OP

現在値  404円/100株   P/E --.-  P/B 0.59  9月配当優待 3月配当優待

紳士服チェーン3位。オーダー特化の「DIFFERENCE」が急成長。傘下にサマンサ。
配当は3月末・9月末の合計20円配であり、配当利回りは4.95%となります。

コナカは株主優待制度を実施しており、9月末・3月末時点で単元株を保有する株主に対して、20%割引券を3枚進呈しています。

業績を確認していきます。 

■2020年9月期 売上高 478億円、営業利益▲49.3億円、EPS▲444.7円 

■2021年9月期 売上高 585億円、営業利益▲78.3億円、EPS▲66.6円
■2022年9月期 売上高 631億円、営業利益▲32.5億円、EPS▲111.1円

■2023年9月期 売上高 693億円、営業利益▲4.4億円、EPS▲8.5円 ce
□2023年3月2Q 売上高 365億円、営業利益 7.5億円、EPS 36.1円(5/15)

2023年2月期の売上高はYoY+6.4%の365億円、営業利益はYoY*8.5倍の10.5億円となり、対前で大幅に収益改善したものの、対期初計画では未達となりました。主力のファッション事業はオーダーの「DIFFERENCE」がヒット商品に恵まれたほか、従来型の既成スーツも回復が継続したため、単独SSSは112.7%と2桁増となりました。「かつや」を中心とするフード事業も堅調に推移したものの、出退店は、出店21・退店39の純減18店となり、店舗数は743店となりました。

 

なお2023年9月期の通期見通しは1Q後の減額値を据え置いており、売上高がYoY+9.7%の693億円(期予:720億円)、営業利益はYoY▲9.7億円の▲4.4億円(期予:5.3億円)を見込んでいますが、連結子会社であるサマンサタバサの減額反映が主要因となります。ファッション事業の単独SSSは、前年ハードルの漸増もあり、9ヶ月分累計110.5%と回復が鈍化しているものの、2桁増を維持しています。フード事業は「かつや」「縁」の値上げによる単価増も効き、連結のサマンサ悪化を除けば、減額後見通し比で上振れ推移が確認されます。

 

進行期は2026年9月期を最終年度とする5ヵ年中計の2年度目であり、売上高を585億円→793億円、営業利益を▲78.2億円→28.8億円まで引き上げる計画です。今次中計での取組事項としては①SPA再構築、②ポートフォリオシフト、③オーダースーツシェア向上、④O2Oマーケ強化、⑤EC等拡大、⑥IT投資、の6点を掲げています。業績目標の可視性については、低在庫・高単価・高効率の「DIFFERENCE」へのシフト状況が論点となります。

 

①のSPA再構築は、DIツール活用によるDX化や物流効率の向上による原価低減策であり、②のPFシフトは、オーダー型転換でなく、展開立地も従来型の郊外ロードサイド店から、ターミナル駅前やSCへのビルイン出店へとシフトする方針です。③は「コナカ」の店長級社員を好採算の「DIFFERENCE」に異動させるとともに、高い坪効率を活かして百貨店への出店も進め、部門売上を30億円→75億円程まで引き上げる計画としています。


借地・借家契約が残存するロードサイドの既存店は、DgSへの外部転貸や、自らFCとしてアークランドサービスの「かつや」「からやま」や、民間学童「キッズデュオ」、療育の「コぺル」を展開して穴埋めしています。なお、新型肺炎禍の外出需要消失で債務超過寸前だった連結子会社のサマンサタバサについては、5月に18億円のA種種類株式を引き受けており、議決権なしで財務補強しています。

 

なお財務の状況については、自己資本比率は36.3%とまずまずの水準を維持しています。株主還元については、最終赤字見込みのためタコ足配当となるものの、当社は湖中氏の同族企業であり、一族への資金還流ニーズがあることから、巡行水準の年20円が維持される見通しです。

 

*参考記事① 2023-03-16 353円 OP

【7494】コナカ/傘下サマンサ低調だが、高効率の「DIFFERENCE」への転換が進む。

 

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