【7532】PPIH/インバウンド見込保守的で上振れが確実、渋谷再開発は9月開業へ。 | なちゅの市川綜合研究所

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【7532】パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(東証プライム) OP 

現在値 2,529円/100株  P/E 26.5 P/B 3.50  6月配当優待 12月配当優待

総合ディスカウント店ドン・キホーテを展開。子会社に長崎屋、ユニー。
配当金は6月、12月の年2回合計18円のため、配当利回りは約0.71%となります。

パン・パシフィック・インターナショナルホールディングスは株主優待制度を実施しており、6月末・12月末の単元保有株主に対して、年2回2,000円分の自社ポイントを進呈しておりますので、配当優待利回りは約2.29%となります。

業績を確認していきます。

■2020年6月期 売上高 1兆6,819億円、営業利益 759億円 EPS 79.4円

■2021年6月期 売上高 1兆7,086億円、営業利益 815億円 EPS 84.9円 

■2022年6月期 売上高 1兆8,312億円、営業利益 1,044億円 EPS 102.6円

■2023年6月期 売上高 1兆8,900億円、営業利益 940億円 EPS 95.4円 ce

□2022年12月中 売上高 9,784億円、営業利益 574億円 EPS 61.6円 

 

2022年12月中間期の売上高はYoY+6.6%の9,844億円、営業利益はYoY+31.6%の574億円となり、対前・対計画で増収増益となりました。ドンキを中心とするDS事業はSSS前提100.3%に対し実績104.7%、アピタ・ピアゴを中心とするGMS事業はSSS前提100.3%に対し実績99.0%となり、外出機会の増加や2Qからのインバウンドの戻りで、全般好調に推移しました。利益面については、DS事業で好採算のPB/OEM構成比が更に上昇して(14.2%→16.8%)して単月200億円に達し、粗利益率はYoY+1.8pts.の26.0%まで改善し、利益は一段増となりました。

 

2023年6月期の通期見通しは期初のものを据え置いており、売上高はYoY+3.2%の1兆8,9000億円、最終利益はYoY+6.0%の940億円を予想しています。予算前提SSSはDS事業/GMS事業共に100.3%で組んでおり、イベント需要回復によるDS好調や軟調なGMSの凹凸はあるものの、既開示の9ヵ月分の小売合計は102.6%と好調に推移しています。利益面については、通期でPB/OEM構成比を16.8%に引き上げる計画を上期段階で達成しており、水光熱費増や人件費増を打ち返して増益を確保する公算です。なお出店は国内外で出店21・転換4店を計画しています。

 

進行期は3ヵ年中計の初年度であり、最終年度の2025年6月期までに売上高を1兆8,312億円→2兆円に、営業利益を1,044億円→1,200億円に引き上げる計画としており、年率10%超の利益成長を目標とします。取組事項は①PPIH流SPA推進、②DX強化、③生産性向上、④金融収益拡大、⑤海外の出店等強化となっています。特にインフレ下での可処分所得減少傾向やインバウンド需要消失などから、無理にトップライン成長を追わず、確実に利益成長を志向する内容となっています。

 

①のSPA戦略は、DS/GMS合算でのPB/OEM構成比を15.3%→25.0%まで引き上げることとし、“情熱価格”の刷新時に新キャラクター投入やSNS露出、初のTVCM投入など広告戦略を強化したほか、②のmajica会員の購買情報や口コミ活用にりより、有力なPB商品“情熱価格”の開発に繋げる方針です。また、PB品はドンキを中心とするDSだけでなく、依然としてNB品の取扱いが多いGMSのユニー店での展開強化を図ることとしており、MD組織をDSと統合して推進しています。

 

④の金融については、majica会員と自社ハウスカードを展開するUCSを合算した自社決済比率を39.0%→50%超に引き上げ、他社決済による取りこぼしの抑制を図ります。なお、これら取組以外のトピックとしては、本年9月に渋谷の旧ドンキ跡地に大型商業施設“道玄坂通”が開業予定となっており、オフィスやIHGのホテルインディゴが導入予定となっています。かような各種取組や、足許での好調な利益改善モメンタム、インバウンド回復を殆ど織り込んでいない保守的な売上想定を鑑みるに、今次中計は達成可視性が高いものと解されます。

 

株主還元方針については、配当性向20%程度を基準とした“累進配当施策”により、19期連続の増配を継続しており、配当予想は1円増配の年18円となっています。自己資本比率は29.2%と一定の水準にありますが、「A+」格維持を目標としているほか、海外事業拡大の資金需要もあるため、当面は現状レベルでの株主還元が継続するものとみられます。

 

*参考記事① 2022-12-05 2,294円 OP

【7532】PPIH/ドンキPB“情熱価格”の売上構成比が増加、粗利益率の改善も一段と進捗。

 

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